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» 2010年11月30日 10時48分 UPDATE

第2回 国際自動車通信技術展(ATTT):クルマとITの新市場を創出――ATTT 12月1日〜3日 幕張メッセで開催

12月1日から3日までの3日間、幕張メッセで第2回 国際自動車通信技術展(ATTT)が開催される。クルマとIT、そして交通を結びつけ、新しいビジネスやサービス、市場を作っていくことを支援するコンベンションだ。

[ITmedia]

 「日本の主要な産業である自動車と通信が連携し、交わる場所にはまだまだ新しいビジネスチャンスがある。ATTTを通じて、クルマとITの新市場を創出したい。」

 国際自動車通信技術展(ATTT)の企画委員長、神尾寿氏は開口一番こんな思いを話した。国際自動車通信技術展実行委員会が主催する第2回 国際自動車通信技術展(ATTT)は、12月1日から3日まで、千葉県幕張メッセの1ホールで開催される。

 2009年に、東京モーターショウと同時期開催の第1回 国際自動車通信技術展(ATTT)をスタート。第2回となる今年は、SEMIが主催する世界最大の半導体製造装置・材料の総合展示会、セミコン・ジャパン(SEMICON Japan 2010)との共同開催となった。

 ATTTがコンベンションで目指すものとは。神尾氏に聞いた。

クルマとITの新しい出会いにより、10年で10兆円の市場創出効果

Photo ATTT企画委員長の神尾寿氏

 ATTTは、クルマとIT、そして交通を結びつけ、新しいビジネスやサービス、市場を作っていくことを支援するコンベンションとしてスタートした。もちろんクルマの部品の多くは電子化が進んでおり、すでにクルマとITは不可分なものになっている。しかし、その多くは自動車業界の中での取り組みにとどまっている。ここに通信事業者やコンテンツプロバイダー、サービスプロバイダーなど、さまざまな新しいプレーヤーが加わることで、さらに新しいビジネスが生まれる可能性がある。

 例えばクルマをインターネットにつなげて、ドライバーがさまざまなサービスを活用するようなシーンはもちろんその1つ。また最近では、カーシェアリングやパーク&ライドなど、車を使ったビジネスそのものにもITが不可欠になっている。電気自動車(EV)は、航続距離が短く、ITを活用してバッテリーがなくなる前に充電ステーションに着けるように管理しなくてはならなかったりと、もはやIT技術がないと成り立たないクルマもある。

 つまり、これからは自動車メーカーがクルマを作って、販売会社が売って、買った人が乗る、というシンプルなビジネスモデルだけでなく、カーシェアリングのような、クルマを買わずに利用するモデルや、クルマに乗っている人をさまざまな形でサポートするモデル、公共交通向けのソリューションを提供するモデルなど、多様なビジネスが育つ素地がある。

 神尾氏はこうしたクルマとITの新しい出会いにより、「10年間で10兆円の新市場創出効果を狙いたい」と話す。「ATTTは2009年にスタートしましたから、10年後は2019年です。つまり2019年までに10兆円の市場が生まれているということです。現在の市場規模に関する厳密な計算はありませんが、あらゆるものごとにITが関わってくるわけですから、10兆円の市場を作るのは難しくないと考えています」(神尾氏)

 インターネット業界やモバイルIT業界、ケータイ業界は、すでにクルマに熱い視線を注いでいる。例えば米GoogleはGoogle Mapsでカーナビ機能なども提供しており、同社が開発に携わるモバイルデバイス向けOS「Android」を搭載したスマートフォンでは、このナビゲーションサービスが無料で利用できたりする。Googleはそのうち車も作りたいと言っている。

 「インターネットの世界では、ネットの中でビジネスをするのではなく、リアルに関わってビジネスをする、という考え方が強くなっています。そのネットとリアルを結びつけるものの1つがスマートフォンでありモバイルフォン。そしてもう1つがクルマです。どちらも同じ特徴があり、2つとも移動しながら使うものなんです。そしてどちらも通信機能を備える。またバッテリーを搭載していて、常に電気が供給されているという特徴もあります。さらにクルマで言うと行動履歴なども把握できます。だからこそ非常に関心が高くなっているんです」(神尾氏)

クルマや公共交通とITとの関わりは深い――周辺ビジネスへの広がりも

 クルマとITは、多層的に重なったレイヤーが多い。第1回ATTTでは、テーマが幅広いため、より効果的なビジネス交流を実現するために、特徴的なビジネステーマを一望しやすいテーマコーナーを設け、分かりやすい展示を目指した。一方第2回では、展示を受け身で見るだけでなく、もうちょっと踏み込んで理解を深めるために、基調講演とカンファレンスを充実させた。

 基調講演では、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルという通信業界のキープレーヤー3社と、トヨタ自動車、本田技研工業(ホンダ)、日産自動車ら自動車業界のメインプレーヤーが登壇。また特別講演として、IT業界で新しい市場、マーケット、ビジネスモデルを生み出してきた専門家、夏野剛氏が自動車と通信でクルマ社会がどうか変わっていくかを話す。

 第1回のATTTは、「クルマとIT」をテーマに講演と展示を行ったが、第2回のATTTでは、さらなる進化を目指し、モビリティサービス全般をしっかり見ることができる展示会として企画している。クルマだけでなく、公共交通などにもITが深く関わってきているからだ。クルマはもちろん主役だが、クルマの周辺ビジネスや公共交通ビジネスなどにも踏み込んで、講演や展示を行う。

 そのため駐車場を軸にした新しいクルマ利用型ビジネスを展開するパーク24や、クルマのイベントでは珍しいJR東日本の講演などもある。また鉄道事業を展開する一方、日本最大のバス会社でもある西日本鉄道も登壇する。講演の数としてはクルマが主役だが、実はクルマ以外の、公共交通事業者が参加して、ITが交通をどう変えていくのかも一緒に考えていくプログラムになっているのも今回の特徴だ。

 「おそらくクルマと公共交通を合わせて、ITという軸で見るイベントはここしかないのではないでしょうか。世界的に見ても珍しいコンベンションだと思います」(神尾氏)

最新情報が得られる40以上のカンファレンスを用意

 自動車とITは、今までも切り離せないものだった。クルマにインジェクションが入り、エンジンの電子制御が始まったときからクルマは電子化されてきており、今やクルマの基幹部品よりもセンサーや電子系部品のほうが多いと言われる。クルマの中のIT化はすでに進んでおり、今後も続いていくことを疑う余地はない。ただ、今後重要になるのは、クルマの外のネットワークとのつながり方だ。自動車業界に携わっている人には、ぜひこの“外とのつながり”に関心を持ってほしいと神尾氏話す。

 「クルマが外のネットワークとつながると、クルマの価値が高まります。例えばホンダのインターナビでは、ネットにつないでいるクルマとつないでいないクルマで実用燃費が10%改善するというデータもあります。カーシェアリングなどの新型IT関連ビジネスはすべてITを活用しています。クルマが外とつながることで、クルマ自身も進化しますし、クルマに関するビジネスも進化します。この点をぜひ感じ取っていただきたい」(神尾氏)

 またIT・通信業界に携わる人たちには、自動車ビジネスがどんどんサービス型になっているところに注目してほしいと神尾氏は話す。

 「今まで自動車業界は、もの作りともの売りが主体のビジネスでした。こうしたフロー型のビジネスだったために、ちょっと縁遠く感じてしまうこともあったかもしれません。でも、昨今はどんどんストック型のビジネスが出てきています。自動車業界も“サービスを利用する”というところに進化の軸が変わってきているんです。例えばナビも、作って売る、から通信を利用することで利用料を払うとか、利用型で常にユーザーとの接点を持つ通信型のビジネスが出てきています。B2Bだけでなく、B2B2Cの分野でも、通信でビジネスをしてきた方には影響が大きいと思います」(神尾氏)

 中でも注目なのがカーシェアリングやスマートフォンに関するセッションだ。進化するスマートフォンがクルマの世界とどう結びつくかに注目してほしいという。また非接触ICとクルマの関わりという点では、FeliCaの最新状況も押さえておくべきポイントだ。

 さらにロングレンジで新しいビジネスを考えたい場合は、スマートグリッドやEVなどのカンファレンスがきっと役立つだろうと神尾氏は指摘する。

 「EVに関しては、クルマの本質を知らないのでは誤解もあるかもしれない。スマートグリッドと結びつくとどうなるのか、といったことを専門的視点で聞くことで、新しいビジネスを考える上でも、モビリティサービスにITの立場で参入する上でも、リアリティのある情報が聞けると思います」(神尾氏)


 第2回ATTTでは、40以上の講演・カンファレンスが組まれているので、直接的に関心・影響があるものを見に行くだけでなく、自分が知らなかった情報にも興味を持って聞き、見ていただきたいと神尾氏。これまではなかなか自分では入手しにくかった専門外の情報なども手に入るかもしれない。

 「各専門分野の最新情報がカンファレンスから得られると思いますので、いろいろと持ち帰っていただきたいと思います」(神尾氏)

 第2回ATTTでは、今までは考えられなかった組み合わせで出展している企業もある。ぜひ12月1日から3日まで、幕張メッセでその進化の兆しを感じていただきたい。

第2回 国際自動車通信技術展

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