「iPad2」はもちろん、「GALAXY Tab SC-01C」などのタブレット端末が日本でも続々と登場している。ただ、これらのタブレットを勢いで購入してはみたものの、「何に使うべきか? そもそもどんなことができるのか?」と悩んでいる人は多いだろう。そんなユーザーにオススメしたいアプリが、プロ野球やサッカー(Jリーグや日本代表戦)などのスポーツ情報を閲覧できる「DAFLOID」(ダフロイド)だ。
DAFLOIDは本格的なスポーツ情報を配信するのはもちろん、デジタルメディアの最大の強みである速報性、カスタマイズ性、大画面を生かしたUI(ユーザーインタフェース)といった特徴を持つ。現在はiPhone、iPad、iPod touch、GALAXY Tab SC-01Cに対応しており(すべて無料)、今後はAndroidスマートフォンへの対応も予定している。開発は映画、グルメ、音楽などのCSチャンネルを運営するIMAGICA TV、国内唯一のサッカー専門新聞「エル・ゴラッソ」を出版するスクワッド、UXデザインでおなじみのUIEジャパンが行っている。
「電子書籍元年」と呼ばれた2010年には、スマートフォンやタブレット端末に向けたコンテンツが急増したが、あくまで「雑誌を携帯端末で読む」というスタイルだった。一方、DAFLOIDは電子書籍とは異なるデジタルメディアとして開発されており、「デジタルの速報性、カスタマイズ性に加え、紙メディアのようなデザイン性と操作性の融合」(開発者)を目指した。掲載するコンテンツは雑誌や書籍の焼き直しではなく、DAFLOID専用に作り込まれているのも特筆に値する。
このアプリの大きな特徴が「カスタマイズ性」だ。Webサイトのブックマークを登録する感覚で、好きなチームや地域を選んで登録できる。例えば東北を選ぶと、東北楽天ゴールデンイーグルスとベガルタ仙台の記事が自動でダウンロードされる。これで、いつでも自分の好きなチームの一面記事を閲覧でき、素早く目当てのチームの最新情報が入手できる。自分専用の新聞をアプリ内に作れるわけだ。
人気や注目度によって一面が左右される紙メディアと異なり、登録したチームの情報が網羅されているのは電子メディアの大きな強み。「最下位に沈んでいて、ほとんどのメディアが試合結果を扱ってくれない」「J2のチーム情報がほとんどない」という苦い思いをしてきたファンにはうれしい機能だ。もちろん好みのチームを選択するのもいいが、優勝争いをしているライバルチームを比較用に並べてみるのも面白いだろう。チーム選択の設定もワンタップでできるので、記事の追加や削除も簡単。見せる相手に合わせて選択チームを設定し直すなど、新しい形の回し読みも可能になる。
「DASHBOARD」(ダッシュボート)と呼ばれる画面も特徴の1つ。未来・現在・過去の記事を同時に一覧表示できるという、他メディアにはない新しいコンセプトで作られている。画面中央をティッカーやTwitterのタイムラインが流れて現在の出来事を伝え、上段には試合の予測記事や展望などの最新記事、下段には試合の結果や過去の情報が掲載されており、時間軸で記事を読める。
未来・現在・過去に関する記事の特徴も見ていこう。まずは現在から。センターに流れる、ティッカーやTwitterのタイムラインは、今どんなことが起きているかを素早く伝えてくれる。Twitterはハッシュタグや関連キーワードを読み取って表示しており、スポーツに関連する情報しか流れないので邪魔にならない。むしろ試合中にはここが実況中継の役割を果たしてくれることもある。もちろん自分のツイートも表示されるので、自分がチームの番記者になったつもりでアプリを楽しめる。このように、情報の入手と発信を行える“双方向のメディア”も、DAFLOIDならではの魅力といえる。
この画面中央にあるティッカーとTwitterの表示スペースを軸にして、DAFLOIDを読んでいるのが試合中の場合、上段には試合の予測記事や展望(未来)が、下段には前日の結果(過去)が表示される。結果の記事はさかのぼれるので、忙しくて見られなかった記事も後でまとめて読める。記事の内容は他記事の流用やリンクの切り貼りではなく、DAFLOID専用にプロの記者が書いているので読み応えがある。単なる結果のリポートだけではなく、対戦成績や注目選手のピックアップ、試合日程など細かく表示してくれるので情報量も豊富。操作性についても、タップでサクサク記事が切り替わるのでストレスがほとんどない。見やすいレイアウトや迫力ある写真を用いたデザインは専門誌のようだ。
今後の展開については、「動画や音声による情報配信はもちろん、CSのチャンネルを運営しているIMAGICA TVのコンテンツ力を生かした映画、音楽、旅行、グルメなどのエンタテインメント情報の配信も夏以降に予定している」(IMAGICA TV・岡田氏)とのこと。スポーツメディアという枠を超えた総合エンタメ情報メディアとしての期待も高まる。
この他にも注目したいのが、GPS機能を利用したエリア限定の情報配信。東京や大阪のみ、さらにスタジアムのみなどのエリア限定の情報提供など、デジタルメディアならではの強みを生かした仕掛けも考えているという。スタジアムに行けば閲覧できるスペシャルムービーや号外記事など、リアルなスポーツ観戦につながるような内容に期待したい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.