ソニー機器のUIといえば、横と縦にメニューを表示する「クロスメディアバー」が有名だが、Sony Tabletではこうした独自のUIは採用しておらず、Android 3.xのインタフェースがベースとなっている。ホーム画面左上にはGoogle検索、ブラウザやメールなどのショートカット、左下には戻る/ホーム/起動中アプリ呼び出し用のボタンが並ぶ。右上にはアプリ一覧呼び出しのほか、Sony Tabletに保存された各種コンテンツを呼び出せる「Favorites」のショートカットがある。右下をタップすると通知バーが現れ、Wi-Fi設定や輝度調節などができる。
ホーム画面を長押しすると編集画面に切り替わり、アプリやウィジェットの設定や壁紙の変更などができる。アプリ一覧はアルファベット順やインストール順に並びを変更でき、アイコンを長押しするとホーム画面に配置するかアンインストールするかを選べる。Gmail、YouTube、Android マーケットなどは他機種でもおなじみのアイコンだが、Sony Tablet用に作り込んだアプリは紺色の統一されたデザインになっている。DLNA、ソーシャルフィードリーダー、Reader、リモコンなどの独自アプリのほか、カメラ、カレンダー、ギャラリー、ブラウザ、メールなども統一アイコンとなっており、ソニーカスタマイズが施されたことが分かる(詳細は後述する)。
3G対応モデルはspモードやドコモマーケットも利用可能。ただし電話機能は搭載されていない。
ソニーが“サクサク・エクスペリエンス”と称する操作性でこだわった部分の1つがブラウザだ。Sony Tabletのブラウザには独自の即応性技術を取り入れ、JavaScriptが使われたバナーなどよりもテキストや画像を早く表示するので、目当ての記事や画像を素早く閲覧できる。このほか、タッチパネルの応答性を向上させた「クイック・タッチ」も採用した。細かいところだが、スクロールの“終点処理”にも気を配り、スクロール中に項目の最後に到達すると、項目の行間が広がって下端部であることを知らせてくれる。Android 2.3でも項目の最後までスクロールすると地の色がうっすらと白くなるが、これはOSではなくソニーの作り込みによるもの。
文字入力の操作感にもこだわった。スマートフォンやタブレットのタッチパネルは、キーを押した後に反応して文字が入力されるが、Sony Tabletではキーを押した瞬間に入力される。一見すると違いが分かりにくいが、入力を続けるほどに快適さを実感できそうだ。日本語入力システムにはソニーが独自開発したIMEを採用し、画面上のQWERTYキーボードを使って入力する。Google音声入力ができるショートカットもある。なお、Sony Tablet S/Pともに大画面を生かしたタブレットのため、かな入力用のテンキーは用意されない。Sony Tablet Pでは下画面にキーボード、上画面に入力スペースが現れ、2画面を生かした入力が可能になる。
変換候補はQWERTYキーボードの上に1行で表示され、右端の「▼」アイコンに触れるとキーボードが消えて変換候補欄が大きく表示される。アルファベットと数字は基本的に切り替えて表示させるが、パスワードの入力時にはSony Tablet SではQWERTYキーボードの右側、Sony Tablet PではQWERTYキーボードの上に数字用のテンキーが現れるので、英数字が混在したパスワードをスムーズに入力できる。欲を言えば、ATOK for Androidのように通常時もアルファベット+数字を表示する設定も欲しかった。
5.5インチのディスプレイを2つ搭載するSony Tablet Pは、2画面を生かしてどのような操作ができるのだろうか。先述した文字入力に加え、プリインストールされたソニー独自のアプリも2画面仕様になっている。例えばカメラでは、上画面には直近で撮影した写真のサムネイル、下画面には撮影画面が表示される。ギャラリーでは選択した画像が上画面、画像のサムネイルが下画面に表示される。メールアプリでは、選択したメールの本文が上画面に、受信メール一覧が下画面に2ペイン表示される。メールアプリは縦向きにすると、左画面に受信メール一覧、右画面に本文が現れる。
ブラウザなど、アプリによっては縦表示には対応していない。ブラウザの場合、2つのWebサイトを別々の画面に表示するといったことはできない。また、上画面にTwitterアプリ、下画面にFacebookアプリという具合に、2つのアプリを同時に表示させることもできない。説明員が「これらの点は今後の課題」と話していた。同じくデュアルディスプレイを備えた京セラの「Echo」は、2サイトや特定アプリの同時表示ができるので、Sony Tablet Pでも、もう少し2画面を生かしたインタフェースにしてほしかった。説明員によると、「見た目は2画面だがシステム上は約7インチの1画面なので、2つのアプリを同時に表示させるには、アプリ側での作り込みが必要」とのこと。
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