ソフトバンクグループのWireless City Planning(以下、WCP)は、TD-LTEと100%互換の高速通信方式「AXGP」に関する記者会見を18日に開催し、ネットワークの強みやエリア展開などを解説した。
WCPはMNOとしてAXGPのインフラ構築を行う会社で、この通信網を借り受ける形で、ソフトバンクがAXGP方式のモバイルルーター「ULTRA WiFi 4G 101SI」を2月にも発売する予定だ。AXGPは中国のChina Mobileや、インドのBharti Airtel(バーティ・エアテル)が推進するTD-LTEの一種で、上りと下りを時間軸で分割して通信する。ウィルコムが開発したXPGを継承しており、基地局を密に展開するマイクロセルなども特徴だ。
WCPのネットワークは、現時点で下り最大110Mbpsに対応しており、2012年度末までには人口カバー率92%を目指すという。政令指定都市に限れば、この時点で99%をカバーできることになる。なお、エリアに関しては「WiMAX以上に高トラフィックな場所に集中させていく」(WCP 執行役員CTO兼技術統括部長の近義起氏)という方針を明かした。全国区で広く使えるというよりは、都市部中心の高速通信サービスになりそうだ。そのため、ソフトバンクモバイルのようなMVNOは、3Gも併用していく形になるだろう。

会見では、商用ネットワーク環境でのデモも行われた。最速で下り60Mbps程度が出ており、移動中の切断もなかった(写真=左)。HD画質のストリーミング動画を1分強でダウンロードできたほか、iPad 2を使ったFaceTimeも披露。遅延が少なく音質も良好だ(写真=右)2012年中には、電話の着信があった際などに3Gへと通信網を切り替える「CSフォールバック」もAXGPに導入する見込みだ。近氏は「音声着信が来たことをお知らせして、3G側にフォールバックするというテクノロジーを使う。なるべく早いうちに、MVNOでスマートフォンが出せるようにしていきたい」と説明する。ソフトバンク 代表取締役社長の孫正義氏も、2011年9月に開催された冬春モデルの発表会で「AXPG対応スマートフォンも投入する」と話していたことから、年内にはこの高速通信に対応した端末が登場しそうだ。あくまで推測だが、端末は、TD-LTEの開発に長けたHuaweiやZTE製になるのかもしれない。
一方で、ソフトバンクモバイルとしてもLTEのサービスを開始する方針で、グループとして両者をどのように棲み分けていくのかが、気になるところである。ソフトバンクが高速通信をどのような戦略で推し進めていくのか、今後の展開にも注目だ。
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