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» 2010年06月24日 12時30分 公開

これが夏ボの使い道?:アルミユニボディの新型「Mac mini」を試す (2/2)

[後藤治(撮影:矢野渉),ITmedia]
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ベンチマークテストで性能を検証

 ここで改めてMac miniのスペックをおさらいしておくと、標準モデルの基本システムは、2.4GHz駆動のCore 2 Duoと、統合型GPUのNVIDIA GeForce 320Mを組み合わせており、ちょうど「Mac Book」や「MacBook Pro」(最下位モデル)とほぼ同じ構成であることが分かる。CPUは45ナノプロセスルールのPenryn世代で最新型ではないものの、GeForce 320Mは「現在市場にある統合型GPUでは最速」(アップル)とのことで、実際Arrandale世代のCPUに統合されているIntel HD Graphicsを上回る。そのほかのスペックはやや控えめで、メモリ容量が2Gバイト、HDDが320Gバイト、光学ドライブとして2層対応SuperDriveを搭載する。それではベンチマークテストの結果を見ていこう。

CPU-Z Version 1.54(画面=左)とGPU-Z 0.4.2(画面=右)

 まずはMac OS X環境で、CINEBENCH R10とiTunesのエンコードにかかる時間を測定した。比較対象には、(1つ前のMac miniがなかったため)2.26GHz Core 2 Duo+GeForce 9400Mを搭載する旧Mac Book White(MC207J/A)と、2.4GHz Core i5+GeForce GT 330Mの新型「15型MacBook Pro」(MC371J/A)を並べている。

 CINEBENCH R10の結果は、Multiple CPUのスコアが5018と、旧MacBook White(MC207J/A)に対してはクロック分の向上が見られ、Core i世代の15型MacBook Pro(MC371J/A)には差をつけられた。GPUもほぼ順当な結果で、GeForce 9400Mを上回る一方、ディスクリートGPUを搭載するMC371J/Aには負けている。

 iTunesを使ったテストでも同様の傾向で、再生時間10分のAppleロスレスファイルをAACに変換した際の時間は、CPUの性能順にわずかに差がついた程度。ただ、時間1分のQuickTimeファイルを「iPod/iPhone用」に変換した際の所要時間はより数字に表れやすく、やはりはっきりと性能差が出ている。

CINEBENCH R10(画面=左)とiTunesファイル変換テスト(画面=右)

 続いてWindows 7環境下でベンチマークテストを実施した。Windows用のドライバはMac miniのパッケージに付属する「BootCamp 3.1 Build 2416」を使用している。なお、比較機種のBootCampはバージョンが古いため正確な横並びではないが参考にはなるだろう。なお今回は、PCMark05、3DMark06、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3に加えて、最新のFINAL FANTASY XIV Official Benchmarkも試しに実施してみた。

評価機のMac miniに付属するBootCampのバージョンは3.1 Build 2416だった(画面=左)。Windows 7のエクスペリエンスインデックスの画面。飛び抜けて高い値はないが全体的にWindows 7を十分快適に利用できる結果だ。また、CPUとゲーム用グラフィックスは6を超えた(画面=右)

 PCMark05の結果を見ると、旧MacBook Whiteに比べてCPU性能の差がほとんど見られない半面、Graphicsのスコアは2倍以上の伸びを見せた。また、15型MacBook Proと比較すると、CPUの世代差はやはり大きいものの、統合GPUのGeForce 320Mがなかなか健闘している印象だ。3DMark06も同じ傾向で、グラフィックス性能は旧MacBookの2倍近いスコアを出しており、(旧MacminiのGeForce 9400Mから)「グラフィックス性能が最大2倍向上した」(アップル)という同社の言葉を裏付けている。

PCMark05(画面=左)と3DMark06(画面=右)の結果

 一方、旧世代のゲームタイトルであるFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコアは、CPU性能の依存度が高いようで、GeForce 9400Mに比べ有意な差は見られなかった。また、最新作であるFINAL FANTASY XIV Official Benchmarkは(当然ながら)散々な結果で、実際の画面もコマ落ちがひどく、Lowでさえまともにプレイするのは難しいと思われる。この辺の事情は新型MacBook Whiteや13型MacBook Proでもほぼ同じと予想され、グラフィックス性能が2倍に伸びたといっても、軽めの3Dゲームタイトルならエフェクトなどを調整することでプレイできる、といった程度のものだろう。

 なお、システムに高い負荷をかけた状態でもファンの騒音が耳障りに感じることはなく、動作音は非常に静かだった。一方、さすがにボディ全体はほんのりと熱を帯びるため、暑くなるこれからの季節、(特に空調のない場所に置くのは)少々不安ではある。底面は樹脂製のカバーが出っ張っており、アルミボディの部分は接地面から少し浮く構造だが、「すのこタン。」のようなファンレスの冷却台などを使えば気休めくらいにはなるかもしれない。

FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3(画面=左)とFINAL FANTASY XIV Official Benchmark(画面=左)の結果。後者はLowで809、Highで422と、動作条件に届かなかった

 Mac miniは小さなボディながら必要十分な機能を備え、自室に置くプライベートPCはもちろん、リビング向けのAVマシンから、仕事で使う省スペースデスクトップやサーバ用途まで、あらゆるシーンで活躍できるポテンシャルを持っている。基本システムは新型MacBook(White)とほぼ同じなので、Mac初心者向けのエントリー機としては、ディスプレイや入力環境もオールインワンとなっているMacBookをすすめたいが、完全に据え置きでフルHDの液晶に接続して使う、といったように利用シーンが固定されているのであれば6万8800円という価格は非常に魅力的だ。「昔自作したマシンにWindows Vistaを入れているけど起動するのさえ重すぎて全然使ってないよ」、そんな人は古くさいMicro ATXケースを捨てて、そっくりそのままMac miniに替えてしまうのもアリだろう。

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