NTTドコモから7〜8月の発売を予定しているソニーモバイルコミュニケーションズ製のスマートフォン「Xperia GX SO-04D」「Xperia SX SO-05D」は、国内のXperiaでは初めてLTEサービス(Xi)に対応したモデル。Xperia GXは4.6インチの大型HD液晶におサイフケータイも搭載し、「Xperia arc SO-01C」で好評だったアーク形状も復活させた。Xperia SXは軽量コンパクトなボディにワンセグ、おサイフケータイ、赤外線通信を凝縮させた。どちらを買うべきか迷っている人も多いと思うので、これら2モデルを比較しつつ、気になるポイントをレビューしていきたい。
Xperia GX/SXは同時期に発売されることから、その違いが気になる人も多いだろう。最も分かりやすいのが本体サイズで、2機種を並べるとその差は一目瞭然だ。対応機能についてはワンセグと赤外線通信はSXのみが対応しており、GXより充実している。一方、ディスプレイサイズと解像度、バッテリー容量、メモリ(ROM)、カメラ画素数といったスマートフォンとしての性能はGXの方が高い。Xi対応やQualcommのチップセットは共通で、防水とNOTTVは2機種とも対応していない。また、下記の表では参考までにXperia arcと「Xperia NX SO-02D」のスペックも掲載した。
Xperia GX SO-04D | Xperia SX SO-05D | Xperia arc SO-01C | Xperia NX SO-02D | |
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OS | Android 4.0 | Android 4.0 | Android 2.3 | Android 2.3 |
CPU | Qualcomm Snapdragon MSM8960(1.5GHzデュアルコア) | Qualcomm Snapdragon MSM8960(1.5GHzデュアルコア) | Qualcomm Snapdragon MSM8255(1GHzシングルコア) | Qualcomm Snapdragon MSM8260(1.5GHzデュアルコア |
サイズ(幅×高さ×厚さ) | 約69×131×10.5(最薄部8.6)ミリ | 約54×115×9.4ミリ | 約63×125×10.9(最薄部8.7)ミリ | 約64×128×10.6ミリ |
重さ | 約127グラム | 約95グラム | 約118グラム | 約144グラム |
連続通話時間 | 3G:約400分、GSM:約400分 | 3G:約340分、GSM:約320分 | 3G:約340分、GSM:約390分 | 3G:約390分、GSM:約370分 |
連続待受時間 | 3G:380時間、LTE:約270時間、GSM:約300時間 | 3G:約320時間、LTE:未定、GSM:約310分 | 3G:約400時間、GSM:約270時間 | 3G:約400時間、GSM:約270時間 |
バッテリー容量 | 1700mAh | 1500mAh | 1500mAh | 1700mAh |
メインカメラ | 有効約1300万画素CMOS | 有効約810万画素CMOS | 有効約810万画素CMOS | 有効約1210万画素CMOS |
インカメラ | 有効約130万画素CMOS | 有効約30万画素CMOS | − | 有効約130万画素CMOS |
メモリ | ROM:16Gバイト、RAM:1Gバイト | ROM:8Gバイト、RAM:1Gバイト | ROM:1Gバイト、RAM:512Mバイト | ROM:32Gバイト、RAM:1Gバイト |
外部メモリ | microSDHC(最大32Gバイト) | microSDHC(最大32Gバイト) | microSDHC(最大32Gバイト) | − |
ディスプレイ | 約4.6インチHD(720×1280ピクセル)TFT液晶1677万色表示 | 約3.7インチQHD(540×960ピクセル)TFT液晶1677万色 | 約4.2インチフルワイドVGA(480×854ピクセル)TFT液晶、1677万7216色 | 約4.3インチHD(720×1280ピクセル)TFT液晶 1677万色 |
おサイフケータイ | ○ | ○ | − | − |
ワンセグ | − | ○ | − | − |
赤外線通信 | − | ○ | − | − |
防水 | − | − | − | − |
Xi | ○ | ○ | − | − |
NOTTV | − | − | − | − |
Xperia GXのデザインにおける注目点は、なんといっても裏側が反り返るアーク形状が復活したことだろう。気になる持ち心地も、側面や4隅が丸みを帯びているので、4隅が角張っていたXperia NXと比べると、手に引っかかる感じが少なく持ちやすい。ただXperia arcと比べると、左下と右下の角はもっと削ぎ落としてもいいと感じた。Xperia arcの左下と右下の角は斜めに削ぎ落とされているので手にフィットする。GXでも、arcの「角に触れていることをほとんど感じない」ところまで再現してほしかった。本体の幅はXperia NXの64ミリから69ミリに増えているが、親指で通知バーを下ろすなど、片手での操作はそれほど違和感なく行えた。
Xperia GXの質感はXperia NXと同じくマットだが、塗装が異なっている。NXはツルツルしているが、GXはどちらかというとザラザラしている。カラーについては同じWhiteでもNXは純白で、GXはやや黄色がかっている印象を受ける。Xperia arcやNXの裏面はほぼフラットな形状だったが、GXではカメラユニットがやや出っ張っているのが気になる。またXperia GXからは国内製品でもブランドロゴが「Sony Ericsson」から「SONY」に変更されており、Xperia GXでは画面が点灯するとSONYロゴ内にもLEDが点灯する。
Xperia SXを手にしたときの感想は「小さくて軽い」の一言に尽きる。ドコモの夏モデル(スマートフォン)では最も細い幅約54ミリ、最も軽い約95グラムを実現しているのは特筆すべき点だ。裏面は丸みを帯びているが、こちらも欲を言えばもう少し斜めに角を削いでほしかった。側面とディスプレイ下部にあるシルバーのラインが左右側面で交差している部分もデザインのアクセントになっている。またXperia SXではBlackとWhiteの定番色に加え、ビビッドなOrangeもラインアップしており、これまでのXperiaにはないポップなテイストとなっている。
従来のXperiaシリーズから大きく変更されたのは2つ。1つが、Android 4.0となったことでディスプレイ下の物理キー/センサーキーがなくなったこと。ディスプレイ最下部に表示される戻る/ホーム/タスクアイコンから操作をする。これに伴いMENUキーがなくなっており、サブメニューを呼び出すには画面右上か右下に表示されるメニューアイコンを押す必要がある。このメニューアイコンは表示が小さく、画面右上に表示される場合は片手では押しにくい(特に左手で持っている場合)。画面右下にメニューアイコンがある場合、左隣にあるタスクアイコンに誤って触れてしまうことがあり、あまり使い勝手がいいとは言えない。個人的には従来どおり、戻る/ホーム/MENUの配列にしてほしかった。
2つ目が、Xperiaのハイエンド機に搭載されていたMicro HDMI端子がなくなったこと。その代わりXperia GX/SXはMHLに対応し、Micro USBに接続したHDMI変換アダプター経由で画像や動画などを出力できるが、これまでXperiaとHDMIケーブルを使っていた人は、HDMI変換アダプターを買い足す必要がある。Xperia GXには、別売でHDMI端子付きの卓上ホルダー「TVドック SO13」が用意され、GXをセットした卓上ホルダをテレビに接続すると、GXのコンテンツをHDMI出力ができる。ただ、従来のMicro HDMI端子付きXperiaからの乗り換えユーザーのことを考えると付属してほしいとも思う。
Micro USB端子は2機種ともカバーがなくむき出しの状態なので、手軽にケーブルを接続できる。サイドキーはXperia GXにはアルミが使われているが、Xperia SXのキーは本体と同じプラスチック素材で、ややチープな印象なのが少し残念。また、GXにはカメラの起動やシャッターとして使えるカメラキーが側面にあるが、SXにカメラキーはない。
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