レビュー
» 2012年10月26日 23時04分 UPDATE

「iPhone 5」徹底レビュー:au版とソフトバンク版「iPhone 5」のバッテリー性能を比較する (1/3)

iPhone 5はLTEをサポートしたことが大きなトピックだが、バッテリーがどれだけ持つのかは気になるところ。巷では「au版の方がバッテリーが持つ」といった声が多く聞かれるが、本誌でもあらためて検証してみた。比較対象としてiPhone 4Sも一緒にテストした。

[田中聡,ITmedia]

 「iPhone 5」の大きなトピックの1つが、高速通信サービスのLTEに対応したことだろう。日本ではau版とソフトバンク版iPhone 5の両方がそろってLTEに対応し、iPhone 5の発売に合わせてKDDIが「4G LTE」、ソフトバンクモバイルが「SoftBank 4G LTE」の提供を開始した。LTE通信は端末への負荷が大きくバッテリー消費が3G通信時に比べて多くなる傾向にあるが、au版iPhone 5の方がソフトバンク版より長持ちすると言われている。個人ブログやメディアでも「auの方が長時間持った」という報告が見られる。

photo ソフトバンク版iPhone 5(右)では緊急速報をオンにすると「バッテリーのもち時間が短くなる場合があります」との注意書きがあるが、au版iPhone 5(左)にはない

 au版iPhone 5の方がスタミナがあるとされているのは、端末が無駄な通信をしないよう、ネットワーク(基地局)が制御しているため。例えば、LTE圏外になって3Gに切り替わると、端末がLTE電波を探しに行くが、LTEエリアでない場所では3G電波だけを見てLTE電波を無駄に探さないようにしている。また、KDDIのLTE網では、実際に通信をしている間だけ電波を発して、通信をしていないときは電波を発しない「アイドリングストップ」ともいえる技術が使われている。これらの工夫から、au版iPhone 5の待受時間は、Appleの公称値である「225時間」よりも長い「260時間」(KDDI調べ)を実現したという。さらに、au版iPhone 5は緊急地震速報や災害・避難情報を受信できる「緊急速報」をオンにしても消費電力を抑えられる。これは、au版iPhone 5では緊急速報をオンにすると、災害発生直後のみブロードキャスト(同報配信)の電波を受け、それ以外はブロードキャストの電波をチェックしないようネットワーク側が制御しているため。つまりau版iPhone 5の方が、緊急速報をオンにした際の通信頻度が低いわけだ。

 実際のところauとソフトバンク版でどれほど差が出るのだろうか。本誌でも、あらためてiPhone 5のバッテリー持ちを比較してみた。比較対象として、auとソフトバンク版「iPhone 4S」も加えた計4機種でテストした。

photo au版とソフトバンク版「iPhone 5」「iPhone 4S」の4機種をテストした

YouTube動画の連続再生時間は?

 まず試したのが、YouTubeの2時間強の動画を、満充電の状態からバッテリーが尽きるまで再生し続けるというもの(2時間ごとに再生し直した)。環境や条件は以下のとおり。

  • 再生した場所は東京都江東区の屋内(6階)
  • 10月22日の午前9時57分に開始
  • au版とソフトバンク版iPhone 5どちらもLTE圏内
  • Wi-FiとGPSはオンにした
  • ディスプレイの明るさは中間に統一
  • メールはGmailのアカウントを登録し、プッシュは「オン」、フェッチは「手動」(初期状態のまま)
  • アプリはプリインストール分に加えてYouTubeアプリをインストールしたのみ
  • iPhone 4SのOSはauとソフトバンク版ともに「iOS 5.1.1」
  • iCloudは利用しない

 Gmailアカウントを登録してYouTubeアプリをインストールした以外は、限りなく初期状態に近い。なお、緊急速報はすべてオンにするつもりが、筆者のミスでソフトバンク版iPhone 4Sのみオフになっていたので(申し訳ないです)、本来はもう少しバッテリー消費が多かった可能性がある。なお、この日はauの3G網が不安定でYouTubeの再生がほとんどできなかったので、au版iPhone 4Sはテストを途中で中止した。

 さっそくテスト結果を見ていこう。連続再生時間はau版iPhone 5が308分(5時間8分)、ソフトバンク版iPhone 5が299分(4時間59分)、ソフトバンク版iPhone 4Sが396分(6時間36分)だった。iPhone 5の再生時間はau版の方が9分ほど長いが、誤差の範囲と言えるだろう。予想していたほどau優位な結果にはならなかった。auのLTEネットワークで工夫しているのは、3GエリアにいるときにLTE電波を無駄に探さない、待受時に無駄に通信をしないといったもので、常に通信をしている状態では差が出にくいのかもしれない。

 ちなみに、iPhone 5のYouTube連続再生時間が5時間前後という結果は、LTE端末としてはどうか。2012年夏モデルの比較記事で検証した際、連続再生時間が最長のLTE端末は、291分(4時間51分)の「GALAXY Note SC-05D」と「GALAXY S III SC-06D」で、iPhone 5の方がわずかに上回っている。しかも夏モデルのテスト時にはWi-FiとGPSはオフにしていたので、iPhone 5の方が条件は厳しい。Androidも含めた現行のLTE端末の中で見れば、iPhone 5のLTE通信時のバッテリー性能は優れていると言えるだろう。

YouTube再生時のバッテリー残量(%)※iPhone 5 LTEオン時
1時間後 2時間後 3時間後 4時間後 5時間後 6時間後 7時間後 連続再生時間
iPhone 5(au) 81 57 35 17 1(8分後に0) 308分
iPhone 5(ソフトバンク) 79 54 32 15(59分後に0) 299分
iPhone 4S(ソフトバンク) 83 74 52 35 26 9(36分後に0) 396分
※ソフトバンク版iPhone 4Sのみ緊急速報はオフのまま。

       1|2|3 次のページへ

Copyright© 2014 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

-PR-