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» 2014年01月24日 17時37分 UPDATE

はじめての格安SIM&SIMフリースマホ 第1回:格安SIMはなぜ安いのか? 契約期間はどうなっている?

通信事業者以外の会社が提供する「格安SIM」が注目を集めており、日常の中で「SIM」という単語を聞く機会も増えてきた。本連載では、格安SIMを初めて使う人に向けて、サービスや料金など運用のポイントから、SIMフリースマートフォン/タブレット、海外での活用方法までを解説する。

[石野純也,ITmedia]

 「格安SIM」というキーワードが、にわかに注目を集めるようになったのは2013年のことだ。データ通信の料金は、一般的な通信事業者だと月額5000〜6000円程度が相場だ。特にLTEスマートフォンの場合、3Gに比べてパケット定額サービスの料金が月額で1000円以上高くなる場合が多い。ところが、格安SIMを使えば、安いところだと月額1000円もかからないことがある。

photo 月額980円という低価格を武器にする格安SIM事業者が、今注目を集めている

 格安SIMに注目が集まった原因は複数あると考えられる。1つは、格安SIMを提供する事業者の料金競争により、1Gバイトあたり980円程度という“相場”ができたこと。価格的にインパクトがあり、テレビなどで大々的にCMを行う事業者も出てきた。

photo タレントを起用し、大々的に宣伝を行う事業者も登場。認知度が上がっている要因の1つだ。写真はマツコデラックスさんを起用した「OCNモバイルONE」のWebサイト

 通信事業者の打ち出す料金プランに「データ量」というキャップがついたことも、間接的に格安SIMの人気を後押ししている。多少の制限はあるが使い放題が一般的だった第3世代携帯電話とは異なり、3.9世代や第4世代といわれるLTEでは、こうした総容量制限が課されている。結果として、ユーザーは、データの通信量を意識するようになった。逆に、そこまでの通信量がいらない人にとっては、料金が割高に感じられてしまう。より少ないデータ通信量で構わないので、料金を節約したいという潜在的なニーズを掘り起こしてしまったと考えられる。

 もう1つの原因は、タブレットなどを中心に、どの会社のSIMカードでも挿せる「SIMフリー」が広がりつつあることだ。2013年は「Nexus 5」や「iPhone 5s」「iPhone 5c」といった端末もSIMフリーで発売され、少しずつ、この動きはスマートフォンにも広がりつつある。こうした端末を使う場合、通常のキャリアと契約してもいい。一方で通信事業者から端末を購入するのとは異なり、各種割引もつかないため、料金を比較すると、格安SIMにどうしても軍配が上がる。

photophoto 2013年は「Nexus 5」や「iPhone 5s」「5c」がSIMフリーで発売され、SIMフリーという仕組みに注目が集まった1年だった

 とはいえ、格安SIMは従来の通信事業者と契約するのとは異なり、リアルなショップがなくサポートも手薄だ。少ないデータ量で1カ月乗り切るためには、それなりの工夫も必要になってくる。本連載は、こうした格安SIMやSIMフリースマートフォンのトレンドを知り、おトクに楽しもうという趣旨のもの。注意点や設定方法といったテクニックも、随時紹介していく。

格安SIMは容量や速度の制限によって実現している

 では、格安SIMはなぜ低料金を打ち出すことができたのか。980円などの低料金でサービスを行うのは、ほぼすべてが「MVNO」と呼ばれる事業者だ。MVNOとは「Mobile Virtual Network Operator」の頭文字を取った略称で、日本語では「仮想移動体通信事業者」と呼ばれる。なぜ“仮想”なのかといえば、ドコモやKDDI、ソフトバンクなどの通信事業者と違い、基地局などの設備を持たないからだ。代わりに、MVNOはこうした設備を既存の通信事業者から借りて利用している。

photo 携帯電話網を提供するNTTドコモとMVNO各社の役割分担。MVNOが、端末の販売、保守、バックボーン運用、各種コンテンツなどをワンストップサービスとして提供する

 そのため、安いからといってエリアが狭いわけではない。むしろ、エリアに関しては回線を貸し出す事業者とまったく同じだ。「安かろう、悪かろう」ではないのが、MVNOの特徴といえるだろう。現時点で格安SIMを提供する事業者のほぼすべてが、ドコモから通信回線を借りている。加入者情報の識別や、通信量の集計をする設備を自前で持っているところもあるが、エリアに関してはドコモと同じと考えておけばよい。

 ドコモと同じエリアなのにドコモよりも料金が安いのはなぜかと思われるかもしれないが、低価格の仕組みは明快だ。1つは、サポートや営業などのコストが異なること。ショップなどがなく、事業規模が小さいぶん、低料金を打ち出しやすいというわけだ。

 もう1つの理由は、使えるデータ通信量や通信速度に制限をかけているからだ。例えば、月980円でサービスを行うNECビッグローブの「エントリープラン」は、1カ月に使えるデータ通信量が1Gバイトとなっている。ドコモ本体のLTEであれば、選択肢は3Gバイトか7Gバイトしかない。また、通信速度を絞って料金を安くするという方法もある。もともと980円の格安SIMはこの仕組みで誕生したもので、通信速度が128〜200Kbps程度に制限されていた。ただし今では、980円で1Gバイトまでフルスピードで使えるプランが登場しており、競争の結果、常時速度制限をかけた格安SIMは少なくなっている。

NTTドコモとNECビッグローブの料金
プラン名 料金 データ量
NTTドコモ Xiデータプラン フラット にねん 5985円 7Gバイト
Xiデータプラン ライト にねん 4935円 3Gバイト
NECビッグローブ エントリープラン 980円 1Gバイト

契約期間の縛りはそれほど厳しくない

 契約期間の縛りが緩く、状況に応じて最適な会社を選択できるのも格安SIMのメリットといえるだろう。ドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの大手3社は、原則として2年間の継続契約期間を設け、その分料金を下げる仕組みを採用している。契約更新月以外に解約すると、契約解除料がかかってしまうのが一般的だ。2年の継続契約を申し込まない手もあるが、料金が跳ね上がってしまい現実的な選択肢とはいえない。

 ところが、格安SIMは、そうした継続契約期間がないか、非常に短いことが多い。例えばIIJでは、最低利用期間を利用開始の翌月末までと定めている。日本通信も同様で、データ通信専用SIMには違約金を設定していない。音声通話対応の「スマホ電話SIM フリーData」も、最低利用期間は5カ月と大手キャリアよりも条件は緩い。

各社の継続契約期間
プラン名 継続契約期間
NTTドコモ Xiデータプラン フラット にねん 2年間
Xiデータプラン ライト にねん 2年間
IIJ IIJmio高速モバイル/Dサービス 利用開始日翌月末
日本通信 プランI/プランN 設定なし
スマホ電話SIM フリーData 5カ月

 契約形態はあらかじめ料金を支払うプリペイドと、後払いで毎月請求が立つポストペイドの2つがある。このあたりの事情は、一般的な通信事業者と同じだが、どちらかというとポストペイドの方が多い。とはいえ、上で紹介したように、解約はそこまで難しくない。縛りが緩いため、プリペイド感覚で気軽に使うことができるだろう。

 ここまでが、格安SIMの概要だ。次回は、主な格安SIM事業者の料金プランを紹介していきたい。

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