選択肢が広がる低価格ミニPC──「HP Pavilion Notebook PC dv2」の実力を試す元麻布春男のWatchTower(2/3 ページ)

» 2009年05月14日 11時45分 公開
[元麻布春男,ITmedia]

1280×800ドット表示対応の12.1型ワイド液晶ディスプレイを搭載

 さて、手元に届いたdv2の評価機だが、標準で6セルバッテリー(10.8ボルト 55ワットアワー)を採用することもあり、手に取るとちょっとズッシリとした感触だ。ボディカラーが黒であることに加え、デザイン上のアクセントとして使われているクロームも指紋が目立ちやすい。その一方、ボディにマグネシウム合金を使っていることもあり、質感は良好で、安っぽさは感じない。本体右側面にある電源スイッチの隣には、独立した無線オプション(無線LANおよびBluetooth)のオン/オフスイッチが用意されている。

 底面には3つの開口部があり、それぞれHDD(試用機にはウエスタンデジタル製が用いられていた)、メモリスロット(1スロット、2GバイトDIMMで使用済み)、無線LANモジュール(IEEE802.11a/b/g/n対応)がインストールされている。メインメモリは4GバイトDIMMに交換することで、最大4Gバイトまで拡張できるが、現時点ではBTOオプションとしての提供は行われていない。また、このメモリスロットに隣接してワイヤレスWANモジュールのスロットとSIMカードスロットも用意されているが、今のところ日本市場で、このスロットを用いたオプションが提供される予定はない。

12.1型ワイドの光沢液晶ディスプレイを採用する
液晶ディスプレイは約130度まで開く
2.5インチHDDは底面から簡単にアクセスできる

キーボードは主要キーで17.5ミリピッチを確保している。パームレストにある模様がZEN-design「kirameki」だ
85(横)×40(縦)ミリとワイドタイプのタッチパッドで、上部にタッチパッドのオン/オフボタンがある
アルプス電気製のドライバが導入済みで、いわゆるジェスチャー機能は非対応だ

 WXGA(1280×800ドット)の解像度を持つ12.1型ワイド液晶パネルはグレアタイプで、LEDバックライトを用いており明るさは十分だが、使用時は顔の映り込みなどが若干気になる。ベゼル上部にはVGA解像度のWebカメラが標準で装備されている。

 キーボードは、フルサイズの92%に相当する主要キーのキーピッチが17.5ミリのもの。キーピッチそのものはNetbookなどとそれほど変わらないが、キートップの大きさに余裕があり、主要なキーが均等ピッチであるため、カナ入力の人もそれほど不自由はないハズだ。キートップの形状は、HP Mini 1000などと同様に、フラットに近いながら中央が少しくぼんだ形状であるため、慣れを要するかもしれない。

 アルプス電気製のドライバが添付されたタッチパッドは、2つのボタンがパッドの下に並ぶ標準的なレイアウトを採用する。大きさも十分で操作性に不満はないが、やはり指紋が目立ちやすい。タッチパッドの上部には、オン/オフスイッチが用意されており、外部マウスを接続した際など、簡単にパッドを無効にすることができる。

前面下部にALTEC LANSING製のステレオスピーカーがあり、右側に状態表示ランプがある(写真=左)。背面はバッテリーのみだ(写真=右)

左側面に100BASE-TX対応の有線LAN、アナログRGB出力、HDMI、2基のUSB 2.0、排気口(写真=左)が、右側面に電源スイッチ、無線LANボタン、SDメモリーカード(SDHC対応)/メモリースティックPRO/xDピクチャーカード/MMC対応のメモリカードスロット、USB 2.0、ヘッドフォン、マイク端子が並ぶ(写真=右)

デバイスマネージャの画面

Netbookを明らかに上回るパフォーマンスを発揮

Windowsエクスペリエンスインデックス画面で、ボトルネックとされるのはCPU

 電源を投入して気づくのは、冷却ファンの回転音だ。動作中はずっとファンが回転しており、左側面の手前にある吹き出し口から排出されるエアーもかなり暖かい。本機のバッテリー駆動時間は、カタログ値で3時間15分と、6セルバッテリーにしては短いが、この冷却ファンの動作を見れば、納得できる。試しにBBench V1.01を実施(液晶ディスプレイの輝度を最高に、電源設定をHP推奨にし、60秒間隔のWeb巡回と10秒間隔のキーストローク出力をオン、Bluetoothの電源もオン)したところ、2時間44分でバッテリー残量がゼロになった。TDPの15ワットは、ノートPC用のCPUとして、ことさら消費電力が大きいわけではないが、平均消費電力はそれなりに高いのだろう。もちろん、外付けGPUの採用も、消費電力が増している要因だ。

 しかし、その分、性能も高いはず、ということで簡単なベンチマークテストを行ってみた。比較のために、筆者の手元にあったHP Mini 1000 Vivienne Tam Edition」(Atom N270ベースのNetbook、Windows XP Home Edition)と、以前に紹介した「ThinkPad X200「(Core 2 Duo P8400ベース、Windows Vista Business)のスコアも併記してある。HP Mini 1000はディスプレイ解像度(1024×576ドット)と搭載OS(Windows XP)の関係で、PCMark 05の一部とPCMark Vantageのテストを実行できない。また、HDDが1.8インチタイプであることも考慮する必要がある。

 測定結果は、下の表に示した通りだ。デュアルコアCPUを搭載したThinkPad X200に及ばないのはしょうがないとして、同じ動作クロックのAtomを採用するHP Mini 1000よりは確実に高い性能を示した。一般のノートPCとNetbookの間に位置する薄型・軽量ノート、というもくろみは実現されている。ただ、Netbookとの差は思っていたよりも小さく、Atom N270より圧倒的に高性能、というわけではないようだ。

PCMark05のテスト結果
CrystalMark 2004R3のテスト結果
PCMark Vantageのテスト結果

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