エレコムが仏LaCie製ストレージを2010年1月から国内独占販売――ストレージ事業のテコ入れを図る2010年1月から発売

» 2009年10月08日 10時10分 公開
[田中宏昌,ITmedia]

2010年1月から、エレコムがLaCie製品を国内で独占販売

エレコム代表取締役社長 葉田順治氏(左)と、LaCieのピエール氏(右)

 10月7日、エレコムがフランスに本社を置く周辺機器メーカーのLaCieとストレージ事業での協業に合意(10月1日付け)し、プレス向けに発表会を開催した。2010年1月より、エレコムはLaCieのストレージ製品を日本国内で独占販売する。

 その背景として、エレコムは2004年にロジテックを買収し黒字化を実現したものの、国内のストレージ事業はバッファローやアイ・オー・データ機器などに水をあけられていた。一方、LaCieはストレージ製品を中心に欧州や米国市場でシェアを獲得しているが、日本などアジア太平洋地域では伸び悩んでおり、コストの低減と効率の向上という両社の思惑が一致して協業に至った。

 具体的には、ラシージャパンが現在行っている日本国内での販売と製品サポート業務をエレコムグループが受託し、ロジテックがLaCie製品のローカライズ業務を担う。ロジテックが開発する製品は一部を除いてLaCie製品に切り替え、NAS製品を中心に業務を切り替えていく。これにより、エレコムのHDD事業はLaCieブランドが中心となる。なお、国内で取り扱うのはHDDやNAS製品に限定され、それ以外の製品については現在未定とのこと。

LaCie製品の地域別シェア。アジア太平洋地域が少ないのが分かる
相互の強みを生かした協業を目指す
両社の具体的な役割分担

協業の概要(写真=左)。LaCie製品のイメージを踏襲しつつも、今後は日本向けのローカライズを進めていくという(写真=右)

LaCie創立20周年記念モデルも発売予定

かつてエレコムが販売していたルナリス製品。本ブランドの復活プロジェクトが始動しているという

 発表会では、エレコム代表取締役社長 葉田順治氏が合意への道のりについて説明した。「エレコムはマウスやキーボードなどの分野では一定のシェアを獲得でき、欧州でednetを買収し、SCOPE NODEEGG MOUSEなどを展開してきたが、ロジテック買収後もストレージ分野では苦戦を強いられていた。ストレージ製品にはさらなる成長が必要だったが、2008年にLaCieより申し入れがあり、世界で通用するためには何が必要かを考えた結果、ストレージ製品はLaCieと組むのがベストと判断するに至り、今回の協業が成立した」と経緯を語った。今後は「エレコムが誇る国内の物流網やマーケティング力、サポート面を生かして販売し、LaCieのブランド力をもっと高めて、大手2社とは一線を画した販売を行っていく予定だ」と自信を示した。

 続いて、LaCieのDeputy General Managerであるピエール(Pierre van der Elst)氏が、同社の概要を解説した。「LaCieは2009年で創立20周年を迎えた。当初ヒットしたのはMacintosh用の外付けHDDであり、現在の会社の基礎を築いた。1995年には米Quantum(当時)からLaCie部門を買収し、同時に社名を改めた。その後、2000年からアジア太平洋地域でビジネスを展開し、2001年2月には日本法人のラシージャパンを設立している。現在、LaCieは全世界で3本指に入るストレージメーカーであり、3000万人を超えるユーザーを抱えている。欧州ではNo,1の地位を獲得しており、自社で製品開発を行っているのが強みだ」とアピール。「LaCieとエレコムは地理的には離れているが、企業精神に共通点が多い。創業者が今でも代表を務めていたり、製品デザインを重視していること、顧客満足度を追求していること、迅速な行動力を備えていることなどがまさにそれだ」と、エレコムとの親和性の高さを強調した。

 そして「LaCieはプロフェッショナルからコンシューマー向けまで多彩な製品を展開しているが、いずれも世界的に有名なデザイナーを起用して製品のデザインにこだわってきた」とし、ポルシェデザインとのコラボレーションや無印良品の製品を手がけたサム・ヘクト(Sam Hecht)氏などの具体例を挙げた。「創業20周年を記念して、フィリップ・スタルク(Philippe Starck)氏と再びコラボレーションを行い、デスクトップPC向けとモバイル向けの外付けHDDで新製品を投入する。日本でも2010年1月から販売する予定だ」と新製品の投入を告げた。

両社の共通点を示したもの
両社のデザインオリエンテッドな面を示したスライド
LaCieが取り扱う製品ジャンル

LaCieの歩み
LaCieのアドバンテージ
2010年1月に発売される新製品

20周年記念モデルのApolloシリーズ
モバイル向け製品では背面にUSBケーブルを収納できる
フィリップ・スタルク氏のマークが刻まれている

2010年1月から発売予定の製品。外付けHDDからRAID対応NAS製品などを、まずは35モデル(予定)を投入し、順次ラインアップを拡張していく計画とのこと

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