シリーズ最軽量のプレミアムモバイルPC「ThinkPad X200s」を手に入れる方法:元麻布春男のWatchTower(2/2 ページ)

» 2009年03月06日 11時55分 公開
[元麻布春男,ITmedia]
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ThinkPad X200sとX200、X200 Tabletとの違いは?

X200と同じ7段配列のキーボードを採用する。BTOで英語キーボードを選択することも可能だ

 さて、上記以外のPC部分を比べたところ、基本的な構成はX200 Tabletに類似している。低電圧版のCPUを採用するに際し、チップセットがIntel GS45 Expressに改められ、vPro(AMT)のサポートが行われている。ただし、X200 Tabletと異なり、X200sには超低電圧版CPUのCore 2 Duo SU9300(1.2GHz/FSB 800MHz)の設定はなくなり、6Mバイトの2次キャッシュを備えたFSB 1066MHzの低電圧版CPUであるCore 2 Duo SL9300(1.6GHz)および同SL9400(1.86GHz)のみとなる。標準構成はSL9300で、SL9400は5985円アップのオプション(本稿執筆時点)だ。

 液晶ディスプレイ、CPUとチップセットを除けば、X200sはX200とほぼ同等の構成となる。最大4GバイトのPC3-8500対応メモリを搭載可能なことはもちろん、各種インタフェースの構成とレイアウトも全く同一である。唯一、X200とX200sで異なるのは、本体左側面後部に設けられた冷却ファンだ。消費電力の低い低電圧版CPUに合わせ軽量・薄型のファン/ヒートシンク(X200と同様、ノイズの少ないフクロウ羽タイプ)が採用され、その厚みに合わせてボディも薄くなっている。カタログにある最厚部の厚みが、X200の32.6ミリからX200sで28.7ミリに減少しているのはこのためだ。

 つまり部分的であるとはいえ、X200sは一応金型の異なる筐体を使っているわけで、X61と全く同一だったX61sに比べ、最適化という点で進歩している。とはいえ、実際に取り扱う場合、スペック上のサイズに含まれないゴム足を含めた厚みが問題になると考えると、X200とX200sで目立った差はない。冷却ファンによるボディの膨らみの違いは、ゴム足の高さで吸収されてしまうからだ。それでも、採用するCPUに合わせてボディを設計してもらえたX200sのオーナーは、ちょっぴりうれしく感じることだろう。

前面右側にメモリカードスロットと開閉ラッチがあり(写真=左)、背面はバッテリーが占めているのはX200シリーズ共通の仕様だ(写真=右)

主なインタフェースは両側面にまとまっている。左側面に2基のUSB 2.0とギガビット対応の有線LAN、アナログRGB出力、ExpressCard(/54対応)スロット、無線LANの電源スイッチがある(写真=左)。右側面はHDDベイやUSB 2.0、FAXモデム、サウンド端子が並ぶ(写真=右)

最も優先すべきアップグレードオプションは?

筆者が購入したX200s(7465-CTO)のWindowsエクスペリエンスインデックス画面

 さて、このX200sについても、X200およびX200 Tabletと同じベンチマークテストを実施した。評価機(74652TJ)に関しては、これまで同様メモリを2Gバイトに増設し、OSを32ビット版Windows Vista Business(SP1)に変更している。参考までにカスタマイズモデルでも同じベンチマークテストを実施しているが、そもそもディスプレイ解像度が異なることもあり、メモリは4Gバイトのままにしてある(通常、メモリの2Gバイトと4Gバイトの差は、ほとんどベンチマークの差としては現れないが)。

 その結果だが、違いはほぼCPUのクロック差に準じており、特筆するようなことはない。ただ、両モデルの差(つまりはCPUの差)を、ベンチマークの数字ではなく、体感で分かるかといわれれば、大半のシチュエーションにおいてその答えは「ノー」だ。よほどCPUに負荷のかかる仕事をさせれば、あるいは差の分かる状況もあるかもしれないが、それはこのノートPCが主に受け持つ仕事ではないだろう。

 そういう意味も含めて、5985円でCPUをアップグレードするより、9870円でWXGA+液晶を選択するオプションのほうがずっと優先順位が高いはずだ。というより、WXGA+液晶を選択しないのであれば、ベースモデルで約2万円安価なうえに、CPUのクロックも高いX200を購入したほうが買い得感が高い。WXGA液晶を組み合わせたX200sとX200の重量差はごくわずかだし、低電圧版CPUを採用することによるバッテリー駆動時間の延長分は小さいからだ。

PCMark05のスコア
CrystalMark 2004R3のスコア
PCMark Vantageのスコア(OSがWindows Media Centerを搭載しないVista Businessのため、TV and Moviesでは一部テストのみ実施)

テスト機の構成
モデル X200s(74652TJ) X200s(7465-CTO)
CPU Core 2 Duo SL9300(1.6GHz) Core 2 Duo SL9400(1.86GHz)
チップセット Intel GS45 Express Intel GS45 Express
メモリ 2GB PC3-8500 4GB PC3-8500
HDD 160GB(Fujitsu MHZ2160BH) 250GB(Fujitsu MHZ2250BH)
グラフィックス Intel GMA 4500MHD Intel GMA 4500MHD
解像度 1280×800ドット 1440×900ドット
OS 32ビット版Windows Vista Business(SP1)

作り手のこだわりをエンドユーザーに伝えてほしい

 筆者はX200sのカスタマイズモデルと同時に、9セルの大容量リチウムイオンバッテリーも購入した。こちらの重量は486グラム(実測値)であった。カスタマイズモデルと合わせた総重量は1486グラムで、4セルバッテリーを組み合わせたX200(1401グラム)との重量差は85グラムしかない。6セル拡張バッテリーを搭載したX200なら、確実に重量は逆転するだろう。そう考えると、WXGA+液晶を採用したX200sに9セルバッテリーの組み合せは、軽量、長時間のバッテリー駆動、処理性能のバランスを重視したいユーザーにとって悪くない選択に思える。

 問題は、この組み合せが直販のBTOでしか入手できないことだ。つまり、WXGA+液晶を搭載したX200sを量販店の店頭で見ることも、重量の軽さを確認することも、もちろん購入することもできない。これでは売れる商品も売れないのではないかと思う。改善が望まれる部分だ。

 同様に改善を望みたいのが、Webページにおける情報開示のあり方だ。冒頭でも記したように、普通の人には何をどうすれば1.1キロの最軽量ThinkPadが買えるのか分からない。買う側、特に日本のユーザーが200グラムの重量差をとても気にかけるのに対し、売る側はあまり気にしていないようだ。日本以外のユーザーは、200グラムの重量差などあまり気にならないのだろうか。

 国内PCベンダーのモバイルノートPC担当の方と話をすると、彼らが設計、試作、製造の各段階において、重量削減のために実に細かな配慮をしていることに否応なく気付く。少し大げさにいえば、最終的な製品の重量を少しでも軽くするために、あそこで1グラム、ここで2グラムと、血眼になって重量を削っていく。今のレノボのWebページでは、苦労して軽量化したThinkPadをぜひ買ってほしいという思いが伝わってこない。BTOのオプション選択によって価格表示が変動するのであれば、目安となる重量の表示も変動してほしいと思うのは筆者だけだろうか。すぐにはそこまで行かなくても、最軽量となる構成の具体例くらいは示してほしいと思う。


 次回は3回にわたって取り上げたThinkPad X200シリーズを振り返り、なぜ筆者がX200sを購入したかについてまとめてみたい。

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