レビュー
» 2010年08月30日 20時00分 UPDATE

「T-01B」「IS02」レビュー(前編):“双子”モデル「T-01B」「IS02」のUI、文字入力、タッチパネルを徹底検証 (1/2)

ドコモとKDDIからほど同スペックのWindows Phoneとして発売されている「dynapocket T-01B」と「IS02」。この2機種では何ができるのか。レビューの前編では基本スペックと文字入力、ユーザーインタフェース、タッチパネルの使い勝手を中心に調べた。

[坪山博貴,ITmedia]

 東芝製のWindows Phoneとして、NTTドコモから「dynapocket T-01B」、KDDIから「IS02」が発売されている。2010年2月に製造元である東芝から海外向けとして発表された「K01」のローカライズバージョンで、国内向けとしては初めてWindowsMobile 6.5.3と静電容量式タッチパネルを採用した、いわゆるフルタッチ端末であり、なおかつスリムな筐体にスライド式のQWERTYキーも備える点が特徴だ。IS02はauから初めて個人向けに発売されたスマートフォンで、T-01Bはドコモが2009年に発売した「T-01A」の後継モデルに位置づけられる。

photophoto 左が「IS02」のブラック×ホワイト、右が「T-01B」のホワイト。「T-01B」はチタニウムブラックもある。一見すると、QWERTYキー搭載のスマートフォンとは思えないほど薄い(写真=左)。下がIS02、上がT-01B。キーボードを開いた状態でもカラー以外の差異はない。なお、T-01Bのチタニウムブラックはキーボード部がシルバーとなっており、同じツートンカラーでも「IS02」とはイメージが異なる(写真=右)
photo 裏面はほぼ全体が着脱可能なカバーになっているが、ロゴの配置が異なる。IS02は愛称の「dynapocket」が中央に大きく、T-01Bはキャリア名の「docomo」が配置されている。形状が同じなので、相互に装着することもできるた

基本スペックは何が違う?

 今回2台まとめてのレビューとなっているのは、2製品はいわば販売するキャリアが異なる双子モデルだからだ。キャリアに依存する3Gモジュールは異なるが、サイズは寸分変わらず重さも誤差レベルで異なる程度。東芝製端末ではT-01Aの双子モデルとも言える「X02T」もソフトバンクから発売されており、キャリア独自サービスがハードウェアと関連しにくいスマートフォンでは、T-01BとIS02のような関係は珍しくない。開発コストを抑えられることと、ユーザーがほぼ同一の端末でキャリアを選べるという点でメリットも大きい。

 共通となるハードウェアスペックを見ていこう。サイズは66(幅)×123(高さ)×12.9(厚さ)ミリ、ディスプレイは4.1インチ、480×800ピクセルのワイドVGA有機ELパネル、そしてスライド式のQWERTYキーを搭載している。重さはIS02が158グラム、T-01Bが約160グラムと公表されているが実質誤差の範囲だ。スライド式QWERTYキーボード搭載という点を考慮すると、その薄さは際立っているといえる。また、スライド式QWERTYキーボードを装備するスマートフォンとしては現時点で世界最薄でもある。

photophoto 左からiPhone4、IS02、T-01A。iPhone4よりは一回り大きいが、先代のT-01Aよりは高さは低くなった。さすがに厚さはIS02が一番あるが、それでも全体のバランスとしては十分スリムだ
photophotophoto キーボード部をスライドさせた状態。ディスプレイ側が非常に薄く軽いため、重量バランスも悪くない。またスライド機構は非常にしっかりした造りで剛性面の不安もない(写真=左)。左側面には電源スイッチのみ(写真=中)、右側面にカバー付きのmicroUSBコネクタ、音量調節キー、カメラキーを備える(写真=右)。電源スイッチは長押しでオン/オフ、単押しでスタンバイ(各種待受、音楽再生などは継続、Wi-Fiは切断)/復帰と分かりやすい動作だ。音量調整キーは上キーの長押しで画面縦横の切り替え、下キーの長押しでマナーモードの設定も可能

 CPUはモバイル機器向けで3Gを中心に各種通信機能やマルチメディア処理機能も内包するQualcomm SnapDragonを採用し、最大1GHzのクロックで動作する。OSやプログラム保存用フラッシュメモリを512Mバイト、ワークエリア(PCで言うメインメモリ)にSD-RAMを320Mバイト搭載している。ちなみに、T-01Aのワークエリアは256Mバイトだったので、T-01Bでは64Mバイト拡大されたことになる。microSDHCは16Gバイトまで対応。通信機能は802.11g対応無線LAN、Bluetooth Ver2.0+EDRに加え、GPSモジュールも内蔵している。

 3G通信機能は当然それぞれで異なる。IS02は3Gとして下り最大3.1Mbps/上り最大1.8MbpsのCDMA1x EV-DO Rev.Aに対応。800MHz、2GHzに加えて導入が進みつつある新800MHzにも対応し、2011年7月25日の現行800MHz停波後も問題なく利用できる。T-01Bは下り最大7.2Mbps/上り最大5.7MbpsのHSPAに対応。2GHz、1.7GHz、800MHzに対応し、UMTSのバンドVにも対応するので海外の800MHzでも利用できる。GSMエリアで利用できるのはT-01Bのみ。

 なお、両製品ともSIMを装着していない状態では起動時に警告画面が表示されるものの、SIMに関連する機能以外は問題なく動作し、Wi-Fiでのインターネットも利用できた。したがって、SIMを機種変更前の端末に装着して音声通話やキャリアメールを利用し、T-01BやIS02ではWi-Fi接続でインターネットを利用するといったことも可能になる。

ショートカットとしても優秀な「NX!UI」

 T-01BとIS02が従来のWindows Phoneと大きく異なるのが、静電容量式タッチパネルを採用していることだ。iPhoneやXperiaなどと同様に、画面に触れたものの微妙な電圧を感知するタイプで、スタイラスやつめ先などで操作する必要はなく、指先でのタッチ操作が可能。一方、感圧式タッチパネルを搭載したこれまでのWindows Phoneのように、精密に線を引くといった操作には向かない。

 Windows Mobileは6.0以降で任意のアイテムを選択して構成できるToday画面に加え、指タッチ操作を意識した「Windows標準」と呼ぶホーム画面も利用できる。T-01BとIS02ではこのWindows標準に加え、オリジナルのUI(ユーザーインタフェース)である「NX!UI」も利用できる。シェアウェアで定評あるSPBシェルのカスタマイズバージョンで、アドレス帳、カレンダー、メールなど各種機能を自由に配置できる。

photophotophotophoto T-01Bの初期状態のホーム画面(写真=左端、左中、右中)。初期状態では3画面が用意されており、左右にフリックすると画面が切り替わる。画面中央に位置するのは未読メール/未読SMS/未確認の不在着信数で、それぞれタップすれば一覧画面に切り替わる。IS02の初期状態のホーム画面(写真=右端)。プレインストールアプリの違いなどからアイコンの構成が少し異なる。左右の画面はT-01Bと同じ
photophoto ホーム画面のカレンダーをタップすると表示されるビュワー画面(写真=左)。4日分の天気も一覧に表示される。下部のカレンダーの日付をタップすると、その日付で始まる予定が画面上部に現れる。画面下部のカレンダーアイコンをタップすると、カレンダーの表示をオン/オフにできる。「NX!UI」画面の最下段左端のアイコンをタップすると専用のタスクマネージャーが起動し、起動中のプログラムへの切り替えや終了を指で容易に行える(写真=右)

 ホーム画面にはウィジェットやショートカットを自由に配置でき、左右にフリックすることで3画面または5画面を利用できる。ウィジェットもかなり豊富で、各通信機能のオン/オフやバックライトの調整などもホーム画面からさっと行える。メールや着信履歴など表示や、ホーム画面からTwitteなどに投稿ができるウィジェットも用意されている。よく利用するWebサイトやアプリなどの確認と起動ができる履歴機能も実用性がある。Windows Phoneといえば、Today画面のカスタマイズが使いこなしの醍醐味だが、NX!UIも同様といえる。

photophotophoto これは実際にカスタマイズして常用しているホーム画面。Windows Media Playerのウィジェットでは再生中の曲を確認する事もできる。従来はフリーソフト等の導入が必要であったバッテリー残量の%表示(ただし10%刻み)もウィジェットで可能だ(写真=左)。ウィジェットやショートカットを配置した例。ホーム画面のカスタマイズだけでもかなり楽しめる(写真=中)。これは「3D View」。どちらかといえばお遊び的要素も強いが、NX!UIの各情報画面の内容を確認しながらビュンビュン切り替えられる(写真=右)
photophoto 「よく見るWebサイト」と「よく使うアプリケーション」。自動学習するブックマーク、ランチャーと思えばよく、うまく使えばカスタマイズを最小限に抑えられる

 なお、ガジェットのショートメッセージサービスは、IS02が「Cメール」、T-01Bが「SMS」と異なるほか、T-01Bでは「事業者名」「留守番電話サービス」の2つのガジェットが追加されている。そのほかは基本的に共通だ。

 NX!UIの長所として動作が軽快である点にも注目したい。ビジュアル重視だが操作に対する追従性も良好で、メモリ消費量が気になるレベルではない。唯一3Dメッセージビュワーは動作が緩慢な印象だが、これは通常のメール一覧で代替できる。NX!UIを無効にするには「Spb Mobile Shell」自体を削除するしかないが、少なくとも動作速度が理由で削除する必要はないだろう。先にも触れたが、これまではToday画面のカスタマイズで実現していた機能の多くをウィジェットで実現しているので、機能面でも不満を感じることはないはずだ。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.