実は、大きな差を感じたのは、このベンチマークテスト以外にある。それはBlu-ray Discの再生だ。手元にあった外付けのBlu-ray ROMドライブをUSB接続したところ、Pavilion dv2は全く問題なくタイトルの再生が可能だった。インテルのチップセット内蔵グラフィックスを用いるThinkPad X200では、同じドライブを用いても、Blu-ray Discは再生できなくもない、というレベルなのに対して、明らかに優れる。HDMIポートに外部ディスプレイを接続してみたが、再生やHDMI経由での音声出力にも全く問題は感じなかった。
むしろ問題は、本機に標準添付される光学ドライブがDVDスーパーマルチドライブである、ということだろう。せっかく外付けGPUを搭載し、プロテクトコンテンツの出力が可能なHDMIポートを採用しているのに、ドライブが対応していないのでは、これらのパーツを採用した「顔」が立たない。付属の光学ドライブはケーブルもじかづけで、バスパワー駆動専用になっているなど、相当にコストを意識したものであるのは間違いないが、機能や重量(約450グラムとかなり重い)という点で、本機にマッチしていない。これならむしろドライブをなしにして、ユーザーの選択に任せ、その分価格を引き下げた方がよかったのではないかと思う。例えば、ドライブなしで6万9800円のほうがインパクトがあったのではないだろうか。実際、Netbookを購入するユーザーは、必要に応じて外部光学ドライブを購入している。

黒モデルにはUSB接続のDVDスーパーマルチドライブが付属する(写真=左)。ACアダプタのサイズは46(幅)×108(奥行き)×29(高さ)ミリで、重量は390グラムある(写真=右)。電源ケーブルが太くてかさばるので、携帯性はいまひとつだ現在、Netbookの主力価格帯は4万円台半ばから6万円前後だ。本機はそれより1〜3万円程度高いわけだが、物理的にも解像度的にも広いディスプレイと、高い処理性能を持つ。半面、重量やバッテリー駆動時間では、Netbookに及ばないところも見られる。結局、最後は使い方や用途の問題という月並みな結論になるのだが、毎日、モバイルPCとして携帯するというより、普段は家の中で使い、たまに外に持ち出すというユーザーに適しているのは確かだろう。ファンの音さえ気にならなければ、Netbookより一段と普通のノートPCに近い性能と機能を持つだけに、広範なユーザーに向く。
逆に一般のモバイルノートPC、例えばベンチマークテストの比較に持ち出したThinkPad X200の場合、性能、バッテリー駆動時間、重量のすべてにおいて勝るが、価格も高い。時折、10万円を切る価格で売られているモデルも見かけるが、そうしたモデルはOSがWindows Vista Home Basic(SP1)だったり、無線関係をはじめとするオプションが全くない“素のモデル”だったりするので、一通りのオプションを備えた本機と同列には比較できない。しかるべき価格差(4〜5万円)は厳然と存在する。そういう意味では、「Netbookと一般モバイルPCの間」という狙いをdv2は外していない。
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