仕事で使い倒せるCULVノートPCが欲しい!!──「HP ProBook 5310m/CT」のSSD/HDDモデルをテストした金属ボディのCULVノートPC(2/2 ページ)

» 2010年01月21日 11時11分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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Core 2 Duoモデルは通常電圧版ならではの高性能を実証

 ベンチマークテストでパフォーマンスを見てみよう。今回は、Core 2 Duo SP9300(2.26GHz)、128GバイトのSSDを搭載した高性能モデルと、Celeron SU2300(1.2GHz)、250GバイトのHDD(7200rpm)を搭載したモデル(現状のBTOメニューでは250Gバイトを選べない)と2種類の評価機を試すことができたので、両方のモデルでテストした。なお、メインメモリは2Gバイト(2Gバイト×1)、OSは両モデルとも、32ビット版Windows 7 Professionalだ。

 Windows 7エクスペリエンスインデックスのスコアは、下の画面の通り。どちらも基本スコは「3.3」だが、これはチップセット/グラフィックス機能が同じIntel GS45 Express内蔵のIntel GMA 4500MHDで、これがゲーム用グラフィックスのスコアで足を引っ張っているためだ。Core 2 DuoモデルではCPUスコアが「5.7」、HDDスコアが「6.8」と非常に優秀で、Celeronモデルもそれぞれ「3.8」「5.9」と、Windows 7/Aeroをストレスなく利用できる水準はクリアしている。

Core 2 Duo SP9300+SSDモデルのWindowsエクスペリエンスインデックス画面
Celeron SU2300+HDDモデルのWindowsエクスペリエンスインデックス画面
GPU-Z 0.3.8の画面。両モデルともチップセット内蔵のグラフィックス機能を利用する

 PCMark05を見ていくと、CeleronモデルはCeleronデュアルコア搭載のCULVノートとして典型的なスコアに落ち着いた。一方のCore 2 Duoモデルは、Celeronモデルと比べるとCPUで約2.1倍、HDDで約4.8倍、総合スコアでも約1.9倍と非常に優秀なスコアとなっている。特にSSDの効果でHDDスコアは圧倒的だ。

 HD動画の取り扱いを前提としたPC作業をシミュレートするPCMark Vantageではさらに差が広がっており、ほとんどの項目で2倍以上、HDDスコアでは5.8倍もCore 2 Duoモデルのほうが良好で、総合スコアでも約2.2倍もの値をマークしている。音楽や動画を再生するだけでなく、編集したりエンコードする用途にも対応できることを示している。

 3DMark06はどんぐりの背比べという印象で、どちらも本格的な3Dゲームには対応できないことが分かる。FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3ではCPUなりの差があり、Core 2 Duoモデルならまずまずプレイできるといったレベルだろうか。いずれにしてもグラフィックス機能にIntel GS45 Express内蔵のIntel GMA 4500MHDを利用している以上、高い3D描画性能は期待できない。

PCMark Vantage(1024×768ドット/写真=左)と、PCMark05(写真=右)のテスト結果

3DMark06(1366×768ドット/写真=左)とFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3(写真=右)のテスト結果

評価に利用したCore 2 Duoモデルのデバイスマネージャ画面

 なお、SSDとHDD性能の参考に、CrystalDiskMark 2.2も実行してみた。評価機に搭載されていたSSDはSamsungのMMCRE28G5MXP-0VBで、HDDはSeagateのST92504110ASである。結果は下の画面で掲載しているが、SSDは最近の製品としては特に速いというスコアではないが、HDDよりはランダムリードを中心に圧倒的に高速だ。ランダムライト4Kバイトも十分に速く、いわゆる「プチフリ」と呼ばれるレスポンス低下現象の心配があるような製品ではない。HDDのほうもSSDに比べると見劣るものの、7200rpmのドライブだけあって悪くないスコアだ。2台並べて比べない限りは特にモタつくような印象はない。

Core 2 Duo SP9300+SSDモデルのCrystalDiskMark 2.2画面(写真=左)。こちらはCeleron SU2300+HDDモデルの画面(写真=右)

低発熱で静音性にも優れるCeleronモデル

 バッテリーの駆動時間は海人氏のBBench 1.01で計測した。無線LANで常時接続し、BBenchの設定は「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」「10秒間隔でのキーストローク」としている。電源プランはデフォルトの「HP Optimized」(ディスプレイの輝度40%)をそのまま利用した。結果はCore 2 Duoモデルが4時間39分(バッテリーの残量は7%)、Celeronモデルが5時間46分(バッテリーの残量は4%)だった。公称値とは矛盾するが、単に測定条件の違いによるものだと思われる。常時接続環境を考えればどちらも悪くない駆動時間だろう。

 静音性や発熱についてはやはりTDPの低いCeleron搭載モデルのほうが有利だ。低負荷時はどちらもほぼ無音に近いといえるほどだが、負荷が高くなるにつれてCore 2 Duoモデルは徐々にファンの風切り音が上がっていく。それでもピーク時で40デシベル(暗騒音32デシベル、本体正面から5センチ離れた距離で測定)だからそれほどうるさいというほどではないが、35デシベルほどのCeleronモデルに比べると耳障りだった。

 発熱に関しても、負荷時でもほとんど問題ないといえるCeleronモデルに対し、Core 2 Duoは負荷時にパームレストやキーボードの左端付近からじんわり熱が伝わってくる。キーボードなどは小指しか触れない部分なのでそれほど熱いという感覚はないが、計測すると38度と、23度という室温にしては高い温度だった。底面はさらに熱く45度まで達し、暖かい季節にヒザの上で使うのは難しいと思われる。

ビジネス向けノートPCとしてソツのない仕上がり

 今回の評価機の構成は、Core 2 Duo+SSDモデルで15万150円、Celeronモデルで10万8150円となっている。CeleronモデルはいわゆるCULVノートとほぼ同じスペックだが、さすがに最安クラスのCULVノートPCと比べるとコストパフォーマンスでは分が悪い。それでもデザイン/スタイルのよさや静音性などは秀でたものがあるし、バッテリー駆動時間も十分だ。非光沢液晶や、DisplayPortなどビジネス向けモデルならではの装備に魅力を感じるなら、十分検討に値するだろう。また、このスリムなスタイルで高性能な標準電圧番のCore 2 Duo SP9300が選べるという点で、性能を重視したいユーザーにとっては貴重なモデルといえる。

 ちなみに原稿執筆時は、Celeronモデルの評価機からHDDを160Gバイトに、無線LANを省いた「HP ProBook 5310m/CT Notebook PC スタンダード・モデル 発売記念キャンペーン・モデル」が6万9300円で発売されていた。随時開催されているキャンペーンなどを活用して、お得に本機を手に入れてほしい。

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