O2では、PCに接続してデータ通信専用に使えるUSBデータアダプタも同じプランで利用できるが(もちろん、通話はできない)、今回は、スマートフォンを使ったTwitterによる「CeBIT 2010 ライブリポート」も実施する予定だったのでSIMカードを購入した。購入の手続きも簡単で、クレジットカードとパスポートをカウンターに提示し、渡された申込書に氏名と生年月日を記入、最後に署名を入れて提出する。身分証明とクレジットカードが有効であることが確認できたら、カウンターの引き出しからプレイベイドSIMカードのパッケージを取り出して渡してくれる。これで契約の手続きは完了だ。

「あなたがほしいのは、この青いプリペイドSIMカードね」と、ジュリアさんはほほ笑みながらパッケージをかざしてくれた(写真=左)。パスポートとクレジットカードを渡し、申込用紙に氏名と生年月日を記入すれば手続きは完了。契約内容を記したレジストシートが渡される(写真=右)ただ、できれば、そのまま開通処理まで説明を聞きながら行ったほうがいい。スタッフがSIMカードのパッケージのホルダーからSIMカードを取り出してくれるので、それを、自分が使うスマートフォンに挿入する。電源を入れるとPINコードを聞かれるので、ホルダーの裏面に記載されている番号を入力すればいい。スマートフォンが起動して、ホーム画面の携帯電話事業者に「O2-de」と表示されれば、O2の電波を認識していることになる。次に、スタッフが指定する電話番号にSMSを送信して返事が受信できれば無事開通だ。手続き開始からここまで20分程度で終わる。
なお、プリペイドSIMカードを使うには、SIMロックフリーの携帯電話である必要がある。今回、記者はWindows Mobile 6.1 Standardを導入して日本語化を施したSIMロックフリーのスマートフォンを使用している。

SIMロックフリーのWindows Mobile 6.1 Standard端末にO2のプリペイドSIMカードを挿入する(写真=左)。パッケージの裏面にあるPINコードを入力すれば、「O2-de」と表示されてめでたく開通する(写真=右)そのO2を使って、CeBIT会場からTwitterを使ったリアルリポートが行えたのは、PC USER公式Twitterで紹介したとおり(そのタイムラインはこちらからどうぞ)。ICEの車内からWebページを調べながら記事を執筆して、画像を多数含んだコンテンツをアップロードすることもできた。さらに、筆者が宿泊したハンブルクの駅裏にある安宿には、無料で使える無線LANが用意されていたが、セキュリティがかかっていないだけでなく、回線が細くて実用的ではない速度だったが、ここでも、O2の回線を使って快適にネットワークを利用できた。
その回線速度を、speed.rddtoday.comで測定すると、(同じ地点における測定結果のばらつきが大きいものの)CeBIT 2010会場のハノーバーメッセにあるプレスルームで「下り1Mbps超え、上り200Kbps前後」、ICE車内では、駅近くで「下り1Mbps超え、上り250Kbps超え」、駅から30分ほど離れた草原で「下り100Kbps、上り25Kbps前後」という結果になった。
ICE車内における駅近くと草原付近における回線速度に大きな差が出ているように、O2のエリアは場所によって電波強度が大きく変わるようだ。ドイツ国内では後発でシェアが第4位ということもあるが、電波を捕まえてアンテナも立っているけど継続したデータ通信を行うには強度が弱いという弱点が、ICEで郊外を走っているときやCeBITの会場でホールの奥に入っていったときなどにデータ通信が行えない、もしくは、著しく遅くなるという症状となったようだ。もちろん、ICEで駅付近を走っているときや窓のあるセッション会場、プレスセンターやホテルの客室では下り1Mbpsを超える速度でデータ通信が利用できている。

MSIのノートPC「Wind U200」とO2のSIMカードを差したWM 6.1デバイスをUSBケーブルで接続し、「インターネット共有」でネットワークにアクセスする。ICEの車内(写真=左)とCeBIT会場のプレスセンター(写真=右)からspeed.rddtoday.comにつないで回線の速度を測定した今回、O2という、ドイツではやや地味なポジションにある携帯電話事業者を選んだのは、プリペイドで唯一定額の料金プランが“紹介された”こともあるけれど、それ以上に、言葉の不自由な記者に根気強くていねいに説明してくれたショップスタッフの姿勢が記者にO2を選ばせた理由といってもいい。
もし、日本からハノーバーを訪れてプリペイドのSIMカード、または携帯電話の購入を考えているならば、試しに、ゲオルク通りとシラー通り、そしてカナル通りが交わる広場に面したO2の直営オフィスに足を運んでみるといいだろう。今回、記者のほかにも数人の日本人がここで同じプランを契約しているので、日本人の対応にも慣れている、はずだ。

なにも気兼ねすることなくGoogle Mapをぐりぐり使える幸せもプリペイドSIMカードとSIMロックフリーのスマートフォンのおかげ(写真=左)。ちなみに、トランジットで立ち寄ったオーストリアのウィーン国際空港でO2のSIMはローミングで使えるが(10Kバイトごとに0.07ユーロの従量制)、無料の無線LANが使えるのでそちらを利用するのもいいだろう(写真=右)
【特集】 CeBIT 2010
VAIO type Pとドイツを旅する
特集:次世代PCデータ通信特集
第1回 通信方式と周波数――購入前に確認しておきたい情報
月額525円でPIMカードを貸し出し──「ウィルコム海外レンタルサービス」
海外ケータイを、非居住者なのに「契約」する方法
海外でGPSケータイを使ってみた――ドコモ「F-01A」の場合
第11回 “西新中央商店街”を歩きながら、「VAIO P」のGPS機能を堪能する
第10回 “ナントカの向こう側……”へ行ってしまった「VAIO T」のUSBポート
第9回 天神地区でメイドさんと──「VAIO P」のメモ帳機能を実践
第8回 モンローも訪れた大濠公園で、「VAIO P」と休日の午後をぷち優雅っぽく
第7回 東京“ぷち現実逃避”のススメ──「VAIO X」と奥多摩で
第6回 博多駅でまったり過ごしつつ、「VAIO P」を“尻ポケットにIN”する
第5回 晩秋の“さっぽろテレビ搭”でガクブルした、「VAIO T」の画面と電池
第4回 「VAIO P」をお供に、“筑前の小京都”の紅葉で癒される
第3回 羽田空港の手荷物検査で“引っかかった”、「VAIO T」のボディサイズ
第2回 “都区内パス”で調べる、「VAIO X」軽量バッテリーの駆動時間
第1回 “福岡空港”ですぐ使う、Windows 7搭載「VAIO P」と通信環境Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.