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» 2013年09月15日 13時30分 UPDATE

石野純也のMobile Eye(9月2日〜13日):iPhone 5s/5cの“端末価格”がお得なキャリアは?/IFAで見えたソニーとSamsungの戦略 (1/3)

この2週間はソニーが「Xperia Z1」、Samsungが「GALAXY Note 3」、そしてAppleが「iPhone 5s」「iPhone 5c」を披露するなど、秋冬商戦で主役となりうる新製品の発表が相次いだ。今回はこれら新製品にまつわるトピックをお届けする。

[石野純也,ITmedia]

 9月2日から13日は、秋冬商戦に向けた新製品の発表が相次いだ。ドイツ・ベルリンでは6日(現地時間)から「IFA 2013」が開催され、4日にはソニーモバイルの「Xperia Z1」やSamsung電子の「GALAXY Note 3」が発表された。これらの端末は、日本でも発売される予定だ。

 9月10(現地時間)には、米国でAppleがiPhoneの最新機種となる「iPhone 5s」「iPhone 5c」を披露した。5sは指紋センサーや機能向上したカメラが、5cはカラフルなボディが特徴だ。しかし、それ以上に日本にとっての大きなニュースだったのが、NTTドコモがiPhoneの取り扱いを始めたことだろう。Appleとドコモの共同プレスリリースが出されるなど、待遇も異例と言って過言ではない。iPhone 5s、5cの発表を受け、13日にはiPhone 5cのみ、各社で予約も開始された。同時に(公開が遅れたキャリアもあったが)料金プランや端末価格も明らかになっている。今回の連載では、各キャリアが発表したiPhoneの各種条件をまとめるとともに、IFAで発表を行ったソニーモバイルやSamsung電子の戦略を解説していく。

大手3キャリアから出そろった新iPhone、端末価格や料金プランは?

 iPhoneシリーズの最新モデルは、かねてからウワサされていたように「iPhone 5s」と「iPhone 5c」の2つだった。5sは「iPhone 5」を正統進化させた後継機と呼べるモデル。ボディの形状はほぼそのままに、ホームボタンに指紋センサーを搭載し、カメラの性能も向上した。一方のiPhone 5cは、スペック的にはiPhone 5に近く、その分カラーバリエーションを充実させたポップなモデルだ。

photophoto 指紋センサー「Touch ID」を搭載し、カメラの画質を強化した「iPhone 5s」。新カラーのゴールドも加わった(写真=左)。5色展開と一気にカラーバリエーションを増やした「iPhone 5c」。スペックは5に近いが、LTEの対応周波数が拡大した(写真=右)

 日本での大きなトピックは、端末そのものより、むしろ、これまで同シリーズを扱ってこなかったドコモからiPhone 5s、5cが発売されることだろう。これまでドコモはiPhoneを「ラインアップの一部に加えるのはやぶさかではない」というスタンスをかたくなに貫いていた。そのドコモからiPhoneが発売されるということで、Appleが姿勢を軟化させた可能性もある。ただ、初のiPhone導入でドコモの受け入れ準備が十分でなかった様子もうかがえる。

 まず、spモードメールへの対応は10月以降になる。LINEを初めとするメッセージアプリの登場で、キャリアメールの重要性は相対的には低下しているが、そうは言っても発売日の20日から10日程度利用できないと困るユーザーもいるだろう。また、spモードメールはiPhoneの「メール」アプリで読み込む形となる。プッシュ配信への対応も、2014年まで行われない。新サービスの「ドコモメール」にも対応するが、こちらも同様にメールアプリで送受信を行うようにするという。ドコモメールは、一般的にPCなどで利用されるIMAPに近い独自形式と言われていたが、iPhone対応にあたってIMAPに準拠するようになるのかもしれない。KDDIやソフトバンクが対応しているMMSには非対応。iPhoneの「メッセージ」アプリでは、iPhone同士のiMessageかSMSしか送受信できないことになる。

 また、iPhoneの独自サービスであるビジュアルボイスメールやグループ通話への対応も、現時点では表明されていない。これらのサービスの有無がiPhoneを購入するうえで決定打になるわけではないが、KDDIやソフトバンクに比べると少々見劣りすることは確かだ。「ドコモ電話帳」にも対応しないため、アドレス帳の移行にも手間がかかりそうだ。

9月18日 20:40追記

ドコモによると、ビジュアルボイスメールやグループ通話には対応しないという。今後の予定も未定。ドコモでは「市場動向やお客様の声などを踏まえて、検討していく」という。


 一方で、端末価格については他社に先行した面がある。本体価格から毎月通信料に対して発生する月々サポートを引いた実質価格は、iPhone 5cは16Gバイト、32Gバイトともに0円。iPhone 5cの16Gバイトモデルは12カ月分、月々サポートがさらに525円増額され、実質価格はマイナス6300円と大盤振る舞いだ。

 これに対してKDDIはiPhone 5cは16Gバイトが実質0円、32Gバイトが実質4800円、ソフトバンクも「iPhone 5c購入サポート」を考慮に入れると5cの16Gバイトが実質マイナス1万円、32Gバイトが実質4800円となる(いずれも新規契約かMNPの場合)。ただし、KDDIは翌14日にiPhone 5cに対するキャッシュバック施策を発表。16Gバイト、32Gバイトともに1万円のキャッシュバックが受けられるため、これを考慮すればドコモより安くなるが、適用されるのは新規とMNPのみであわてて対抗施策を出した感が強い。

iPhone 5cの価格
本体価格 毎月の割引 実質価格(括弧内の−価格は、キャンペーン適用後)
ドコモ 16GB版 8万5680円 3570円 0円(-6300円)
ドコモ 32GB版 9万5760円 3990円 0円
au 16GB版 5万2920円 2205円(新規・MNP)/2070円(機種変更) 0円(-10000円)(新規・MNP)/3240円(機種変更)
au 32GB版 6万3000円 2425円(新規・MNP)/2035円(機種変更) 4800円(-5200円)(新規・MNP)/1万4160円(機種変更)
ソフトバンク 16GB版 5万2920円 2205円(新規・MNP)/2070円(機種変更) 0円(-10000円)(新規・MNP)/3240円(機種変更)
ソフトバンク 32GB版 6万3000円 2425円(新規・MNP)/2035円(機種変更) 4800円(新規・MNP)/1万4160円(機種変更)

 iPhone 5sの実質価格に関しては、ドコモは16Gバイトが0円、32Gバイトが1万80円、64Gバイトが2万160円。KDDIは16Gバイトが0円、32Gバイトが1万320円、64Gバイトが2万640円(いずれも新規契約かMNPの場合)と、ドコモより少々割高な設定だ。ソフトバンクも、これと同額になる。

iPhone 5sの価格
本体価格 毎月の割引 実質価格
ドコモ 16GB版 9万5760円 3990円 0円
ドコモ 32GB版 9万5760円 3570円 1万80円
ドコモ 64GB版 9万5760円 3150円 2万160円
au 16GB版 6万8040円 2835円(新規・MNP)/2245円(機種変更) 0円(新規・MNP)/1万4160円(機種変更)
au 32GB版 7万8120円 2825円(新規・MNP)/2235円(機種変更) 1万320円(新規・MNP)/2万4480円(機種変更)
au 64GB版 8万8200円 2815円(新規・MNP)/2230円(機種変更) 2万640円(新規・MNP)/3万4680円(機種変更)
ソフトバンク 16GB版 6万8040円 2835円(新規・MNP)/2245円(機種変更) 0円(新規・MNP)/1万4160円(機種変更)
ソフトバンク 32GB版 7万8120円 2825円(新規・MNP)/2235円(機種変更) 1万320円(新規・MNP)/2万4480円(機種変更)
ソフトバンク 64GB版 8万8200円 2815円(新規・MNP)/2230円(機種変更) 2万640円(新規・MNP)/3万4680円(機種変更)

 発売当初から実質価格をマイナスにするのは到底健全な競争とは言えないが、この価格設定からはドコモの意気込みが伝わってくる。また、ドコモでは機種変更時にも「iPhone買いかえ割」が適用され、新規やMNPと価格が同じになる。月々サポートで新規契約やMNPを優遇せず、既存顧客と平等に扱う点も評価できるところだ。

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