対決!「iPhone 5s」vs「Xperia Z1」――外観、持ちやすさ、基本スペックを比較する(2/2 ページ)

» 2013年11月26日 22時00分 公開
[田中聡ITmedia]
前のページへ 1|2       
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

デザインはどちらも美しい

photo

 デザインは2モデルとも個性的だ。Xperia Z1はフレームに金属、背面にガラスを用いており、金属の高級感とガラスの光沢感がうまくマッチしている。背面には蒸着処理も施されており、鏡のような仕上がりになっている。光の当たる角度によって色味が変わる偏光蒸着を用いていた前モデルの「Xperia Z」とは異なる印象だ。正面は画面を消灯しているときはテレビのように全体が黒くなり、重厚なたたずまいを見せる。それだけに、個人的にSO-01Fの「docomo Xi」ロゴは、正面ではなく背面に入れてもよかったのではないかと思う。iPhone 5sにキャリアロゴが一切ないのを見ると、なおさらそう思ってしまう。

 iPhone 5sは、5と同じく、側面と背面にアルマイト処理(酸化皮膜処理)を施したアルミボディが美しい。筆者は新色のゴールドを使っているが、派手すぎず、だからといって地味すぎず、洗練された美しいゴールドといった印象で、とても気に入っている。ステンレスを用いたTouch ID周囲のリングも、デザインのアクセントになっている。斜めにカットされたエッジの部分もキラキラしていて、思わずいろいろな角度から眺めてしまう。

photophoto 斜めにカットされたエッジ部分も美しいiPhone 5s(写真=左)。鏡面仕上げがまぶしいXperia Z1のガラスパネル(写真=右)

 このほか、外観上の特徴として、Xperia Z1はiPhone 5sにはないストラップホールを備えている。Xperia Z1にはマグネット式の小さな卓上ホルダも付属しており、手軽に充電できるのがありがたい。ただしMicro USB端子にはカバーが付けられており、ケーブルを使った充電は少々面倒。iPhone 5sのLightningコネクタは露出しており、またLightningケーブルのコネクタは表と裏のどちらでも接続できるので、卓上ホルダなしでもストレスは感じない。

photophoto Xperia Z1の右下の角にストラップホールを用意(写真=左)。Xperia Z1 SO-01F/SOL23には卓上ホルダが付属する(写真=右)

ディスプレイが見やすいのは?

 ディスプレイのサイズと解像度は、5インチでフルHDのXperia Z1の方が大きい。1インチあたりのピクセル数を示すppiも、iPhone 5sの326ppiに対してXperia Z1は441ppiと高密度だ。ただ、iPhone 5sも「Retinaディスプレイ」をうたっているだけあり、普段使いでiPhone 5sの方が解像度が劣っていると感じることはあまりどない。

 それでも、同じ写真をiPhone 5sとXperia Z1で表示させてよく見比べると、Xperia Z1の方が解像感が高く鮮明に表示されていると感じる(写真によって若干の差があり、iPhone 5sとXperia Z1で見栄えがほぼ変わらないと感じることもある)。静止画よりも差を感じたのが動画だ。YouTubeで同じ動画を再生したときに、Xperia Z1の方が鮮明だと感じることが多かった。これはXperia Z1の、失われた画素を復元する「X-Reality for mobile」の効果が大きいと思われる。

photophoto iPhone 5sのディスプレイ解像度と同じ640×1136ピクセルの画像を、最大輝度にして表示(写真=左)。フォントの見やすさは、2モデルで大差はない(写真=右)
photophoto 左がiPhone 5s、右がXperia Z1の拡大画面。わずかな差ではあるが、Xperia Z1の方が、果物に付いた滴などの細かい部分も鮮明に表示できている
photo
photophoto YouTubeでHDサイズの動画を再生。iPhoneの公式YouTubeアプリではHD動画を再生できないため、ブラウザ(Chrome)から再生している。Xperia Z1(右)の方が、iPhone 5s(左)よりも猫の毛並みがしっかりと描写されている

 一方、Xperia Z1はディスプレイの視野角が狭いのが気になる。iPhone 5sはIPS方式を採用している(といわれている)こともあり、ある程度斜めから見ても、くっきりと表示される。

photophoto 斜めから見ると、Xperia Z1の液晶は白飛びしたり、赤みがかったりして見にくくなってしまう

バッテリー、ストレージ、日本機能の対応をチェック

 スマートフォンを使う上で気になるのがバッテリーの持ち。今回はスペックを確認しておく。まずバッテリー容量はXperia Z1が3000mAhで、ここ最近のスマートフォンとしては大きい方だ。対するiPhone 5sのバッテリー容量は非公表だが、分解リポートなどを見ると、1560mAhのようだ。これが実際の数値なら、Xperia Z1は倍近い容量を持つことになる。連続待受時間はiPhone 5sが約250時間であるのに対し、SO-01FはLTEで約610時間、3Gで約740時間、SOL23はLTEで約700時間、3Gで約710時間と差をつけている。ただし実際の使用時間がどれほどかは別の話なので、後日検証したい。

 ストレージはXperia Z1は最大32Gバイトだが、iPhone 5sは最大64Gバイトのモデルを選べる。ただしiPhoneは従来から外部メモリに対応しておらず、Xperia Z1は最大64GバイトのmicroSDXCを利用できるので、内蔵ストレージと合わせれば、96Gバイトまで拡張できる。

 モバイル通信は、SO-01Fはドコモが東名阪で展開している1.7GHz帯にて、SOL23はKDDIが一部地域で展開している2.1GHz帯にて、下り最大150Mbpsの通信が可能で、下り最大100MbpsのiPhone 5sをリードしている。150Mbpsエリアは現状ではまだ少ないが、半年後、1年後とインフラが整備されていくにつれて、“+50Mbps”のインパクトが増えそうだ。

 カメラは画素数こそXperia Z1の方が、メインカメラとインカメラどちらも勝っているが、実際の写りはどうか。ひとまず、下記の荻窪圭氏のレビューを参考にしてほしい。

 防水、ワンセグ/フルセグ、おサイフケータイ、NFC、赤外線通信といった日本向け機能はXperia Z1の独壇場。世界で発売しながら、日本向けにきっちりローカライズしてくれるのは、うれしい限り。特に防水とおサイフケータイは日常生活に直結する部分でもあり、これらの機能がない時点で購入候補に入らないという人もいるだろう。

 iPhone 5sは、3GやLTEの対応バンドを除けば、ハードウェアは世界共通だ。であれば(であるからこそ)、国際的な規格であるNFCには対応してほしかった(5sはNFC対応といううわさが発表前にあった)。iPhone 5sにあってXperia Z1にない主な機能は指紋センサーくらいだ。「Qi」などのワイヤレス充電は2モデルともサポートしていない。


 今回はサイズ感やスペックを比較した。片手操作が大前提ならiPhone 5s、大画面で美しい写真や映像を楽しみたいならXperia Z1という選択になるだろう。機能の多さではXperia Z1が大きくリードしており、「スマートフォンでいろいろなことをしたい」人にはXperia Z1が向いている。次回はより突っ込んで、スマートフォンとしての性能を比較したい。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年