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» 2013年12月03日 11時51分 UPDATE

荻窪圭のiPhoneカメラ講座:第35回 「メシマズ写真」にならぬiPhoneテクニック

iPhoneで料理を撮る機会は多いと思う。しかし、ただ撮っただけではいわゆる「メシマズ写真」になりかねない。もちろん撮るコツもあるんだけど、一手間かけるだけで見違えるのだ。今日はそんなお話し。

[荻窪圭,ITmedia]

料理写真は一手間かけてから公開すべし

 何やら、iPhoneで撮影される写真の多くが料理とペットだそう。「他人が食べた料理の写真見せられても面白くもなんともないわ」という人も多いけれども、iPhone購入以来いろんな写真をアップしてきた身からすると、料理と猫と空(特に夕日)の写真に対する反応はいい。なぜなんでしょうねえ。

 食べ物やペットや空といった日常的なものの方が共感を得やすいのかもしれない。誰が何を食べてるかは全然興味なくても(というか、正直なところ、あまりない)、美味しそうな料理写真があったら食べてみたいし、どの店だろうと気になったりするものです。

 というくらいiPhoneと料理写真ってのはよくあるカップリングなんだけど、最近、残念な料理写真ってのが何度か話題になってて、要するに、当人は「おいしかったよ」といってるのに、その写真がとても美味しそうにはみえないって話。あまりに残念すぎるので「ちょっとまて、その写真をアップする前に一手間かけてあげよう」といいたくなったりするのだ。

撮ったあとで美味しそうにするコツ

 美味しそうな料理写真を撮るコツというのは確かにあるんだけど(今日から始めるデジカメ撮影術:第163回 イマドキのランチ撮影と基本とスマホの関係 )、iPhoneはあまり細かいセッティングはできないし、ランチを食べに行って「料理が美味しそうに撮れるライティングの席が空くのを待つ」とか普通はしないし(する人もいるそうです。料理を柔らかい逆光で撮るために窓際の席を狙うとか)、そもそも何分もかけてたら料理は冷めるし、ラーメンはのびるし、蕎麦はくっつく。

 料理を撮る時はとにかく手早く、手ブレとピンボケだけに気をつければよいかと思う。それこそ撮るのなら5秒くらいですませてさっさと食いたい。あと、フラッシュはオフにすること。これは大事。フラッシュが光ると光のあたりかたが不自然になって美味しくはみえないし、光らせないと撮れないような暗い店ではもう何をやっても無理なので諦めるのがよい。

 料理写真の公開なんて食べ終えてからゆっくりやればよい話でしょう。食べてみておいしかったら、公開すればよいのです。

 で、ここに先日、何の気なしに撮った写真がある。

photo 外光が入る席で軽くランチを、という感じ。

 これ、あまり美味しそうに見えない。まあもともと見た目で勝負するたぐいの料理じゃないかもしれないんだけれど、こいつをもうちょっと美味しそうにしてみる。

 まずは色。お皿を見ると分かるけれど、ちょっと青白い。料理って青白いと美味しそうにみえない。だから色を調節して、少し鮮やか目にする。今回使うアプリは「iPhoto」。他のアプリでも基本的に手順は同じようなものだ。色を調整するだけでかなり食べ物がおいしそうになる。

photo 少しホワイトバランスを調整し、赤みをちょっと加えて、彩度を少し上げてやる。

 色をなおしたら次は明るさ。

 料理は明るめに撮るべし。特にお皿が白いと全体に暗めに写りやすいので、明るく。背景やお皿の白が白飛びしても気にしない。むしろ飛ばそう。

photo 明るさを調節。全体に明るめにしてハイライト部は容赦なく飛ばす

 必要ならトリミングしたり角度を直したりする。で、仕上げにアートフィルタでぼかしをかけてやる。メインの料理以外をぼかすのだな。こんな感じで。

photo 背景をぼかす効果をかける

 で、完成したのがこちら。

photo

 分かりやすいように、元の写真と比較してみた。

photo 左が元の写真、右がiPhotoで処理した写真。この差はでかい

 撮った写真をその場で補正するというとめんどくさそうだけど、料理に限っていえば単純である。色をいじって明るさをいじって、角度を直したりトリミングしたりするだけでずいぶん変わる。

 色と明るさは特に大事。

 SNSにアップされた「高いけど不味そうにみえる」ディナーの典型的なパターンがある。暗くて色がくすんでるのだ。往々にして、その手の店は照明が暗くて白熱灯系の電球を多用するため、きれいに撮るのが難しいのである。特に夜ともなると、白い皿は少しくすんだ灰色になり、鮮やかな色の肉はどよんとした鈍い色に写っちゃう。おそろしや。

 高級店ではないけど、まあ夜のそれなりに店内の装いに凝ったとこだとこんな風に写る。

photo おいしい肉だったんだけど、おいしそうな色にはみえません

 でも、色と明るさをちょっといじってやるだけでこうなる。もともと室内が暗いので限界はあるけれども、やったことといえば、色を少し赤めにして彩度を上げ、明るさを調節して全体に明るくしただけだ。1分もかかってない。

photo ちょっと肉らしくなったかと思う

 同じようなパターンでもうひとつ。

photo 左が元の写真、右が明るさ(露出)と色をいじった写真。

 つまるところ、わずかな手間でこれだけ差が出るのだから、残念な料理写真といわれないためにも、覚えておくべし。そもそも、自分がおいしいと思って食べた料理は他の人に美味しそうと思って欲しいじゃない、自分がおいしいと感じた料理はおいしそうな写真で残したいじゃない。そういうことですよ。

料理専用SNS「miil」

 自分で作ったりお店で食べた料理をネットに公開する人があまりに多いせいか、とうとう料理写真専用SNSまで登場。いくつかあるけれども、わたしが使っているのは「miil」(ミイル)というサービスとアプリ。

 まあ、Instagramの料理専用版みたいな感じで、料理写真をお店の名前や情報、コメントとともにアップすると、フォロワーさんたちが見てくれて、気に入ったら「いいね」ではなく「食べたい!」をタップしてくれる。

 このアプリが面白いのは、撮った写真をおいしく見えるように補正してからアップできること。さっき書いたように、ちょっと明るくして少し赤みを加えて美味しそうに見えるよう効果をかけてくれるのだ。

photo 写真を選んだら「効果」画面になる。いくつかあるけどPiPict、RedHot、Bokehのどれかから選ぶのがお勧め。で明るさや色合いの微調整もできる。
photo 左が元の写真。右がmiilで加工した写真。bokeh効果を使ってみた。色が全然違うのがわかるかと思う

 で、コメントを書いて、お店やジャンルなどを書いて投稿。

photo お店/場所は撮影した位置情報を元に(だから位置情報をオンにして撮影すること)、近くの店をリストアップしてくれるのでそこから選べる。レシピは自作料理用。そしてコメントを付けてアップ
photo 投稿した写真はこんな風に表示される。このシュークリームには「食べたい!」が7つつきました

 miilが面白いのは写真からそのお店の情報を見たり、そのお店で他の人が撮った写真も見られること。「近所」をタップすれば「この辺でおいしいお店はないかな」と思ったとき探すこともできる。

 食べ歩きが好きな人はぜひ。

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