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» 2011年03月14日 15時00分 公開

イチから分かる確定申告:65万円の控除を青色申告で得る“超”具体的な方法(e-Tax編) (5/5)

[奥川浩彦,Business Media 誠]
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 「国税庁の確定申告書作成コーナー」はいかがであろう。筆者は決算書の画面が出たところでアウトだ。簿記の知識なしで最初からこのサイトで確定申告ができる人は皆無だと思われる。市販ソフトかフリーソフトを利用して決算書を作成して、このサイトに転記するというのが正しい使い方だと思われる。

 市販ソフトはそのまま印刷すれば済むので、書面提出する人はここに転記する必要はない。前半で紹介した「加藤かんたん会計」のように出力機能がないフリーソフトを使った場合は、印刷代行手段として使用する価値はあるだろう。

 ちなみに「やよいの青色申告11」のデータをe-Taxを使用して送信する場合はプルダウンメニューから書き出しを行うことができる。前準備も大変なe-Taxらしく、書き出したデータを送るときもひと山越えなければならないらしい。

 個人事業主にとって確定申告は避けられない大きな山だ。どんな手段をとっても1000枚を越す領収書の入力など作業量はかなりのものとなる。今回、市販ソフト、フリーソフト、国税庁の確定申告書作成コーナーを使用してみた筆者の感想は、手段によって難易度が異なり、山の高さに差があるということだ。

 市販ソフトは低い山、フリーソフトはそこそこ高い山、確定申告書作成コーナーはかなり険しい山となる。経験を重ねて技量(簿記の知識)が伴えば高い山も越えられるが、初心者には不可能に近いレベルだと思われる。筆者はこの原稿が終わったら、自分の確定申告を始めるが、もし初めての確定申告をこれから始めるという無謀な方がいたら、間違いなく市販ソフトを利用することをお勧めしたい。数日間、作業に没頭すれば大きくても低い山が越えられるだろう。

 確定申告は大きな山だが、e-Taxはその前に立ちはだかる小さくても険しい山のようだ。初心者の方は書面提出という迂回路をとって後ろの大きな山が越えられるようになってから、来年以降に手前の断崖絶壁にチャレンジするか否かを考えた方がいいだろう。皆さんの健闘を祈る。

コラム:税務署ごとにe-Taxの利用率を競わされている?

 原稿の執筆を通じて、e-Taxの普及に並々ならぬ姿勢で取り組む国税局の話を耳にする機会があった。各税務署はe-Taxの利用率を競わされていて、各税務署は外部団体である青色申告会にかなりのプレッシャーを掛けているとか。

 実態は知るよしもないが、社長の肝いりで開発した不出来な新製品を売るために、全国の営業所は厳しいノルマが課せられ、代理店は売れそうにない製品を無理やり押し込まれて苦しむように思えてならない。22年間サラリーマンを経験しフリーターになった筆者には「税務署の人も大変だなあ」と感じさせるe-Taxの噂話だった。


インフレ時代の確定申告
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