富士通の「FMV ESPRIMO FH550/3AM」で2D→3Dのリアルタイム変換を満喫した:けいおん!にウルトラマン80も飛び出す、だと!?(1/2 ページ)

» 2010年09月03日 17時30分 公開
[坪山博貴(撮影:矢野渉),ITmedia]

富士通のデスクトップPCで主力となる液晶一体型「FMV ESPRIMO FH」シリーズ

3D立体視に対応した「FMV ESPRIMO FH550/3AM」

 富士通の2010年夏モデルとして投入された「FMV ESPRIMO FH550/3AM」は、同社の液晶一体型PC「FMV ESPRIMO FH」シリーズにおいて、「3D」にフォーカスした意欲的な製品だ。現時点では、薄型テレビとBDレコーダーの主に上位製品の組み合わせでのみ実現可能なBlue-ray 3Dの「3D再生」に比較的リーズナブルに対応するのはもちろん、PCならではの「3D」にこだわった点が特徴になっている。

 本体カラーのバリエーションを除くと、23型ワイドの液晶ディスプレイを搭載した上位モデルと、20型ワイド液晶を搭載した下位モデルの全5製品が投入されたFMV ESPRIMO FHシリーズの中で、本機はちょうど中間に位置し、20型ワイド液晶のモデルで最も多機能な製品に当たる。20型ワイド液晶搭載モデルでは唯一、上位機と同様にBlu-ray Discドライブと2番組同時録画が可能な地上デジタルテレビチューナー(デジタル3波ではない)を備えており、3D対応であるとともにパーソナルユース向けにほどよいボディサイズの多機能AV PCという位置付けでもある。ちなみに、ボディサイズは497(幅)×198(奥行き)×391(高さ)ミリ、重量は約10.4キロだ。スピン加工を施した金属製の円形フットプレートは面積がA4ノートPCよりも小さく、スイベルにも対応しているので省スペース性は高い。

 なお、電源はACアダプタで供給される。サイズは56(幅)×148(奥行き)×38(厚さ)ミリとやや大柄だが、いったん設置してしまえば気になるものではなく、ケーブルも長いので融通が利く。

左側面にB-CASカードスロットや2基のUSB 2.0、メモリカードスロットが並ぶ
20型ワイドの光沢液晶ディスプレイを採用する。前面下部にタッチセンサーの電源スイッチや輝度調整スイッチがある
チルト/スイベルに対応し、表示位置は柔軟に調整できる。台座の奥行きは20センチを切っている


3D立体視は円偏向方式を採用

 本機のスペックを確認しておくと、基本コンポーネントはノートPC向けのパーツを採用しており、CPUはデュアルコアでHyper-Threadingをサポートした論理4コア動作のCore i3-350M(最大2.26MHz/Turbo Boost非対応)、チップセットにIntel HM55 Express、メモリに4GバイトのDDR3 SDRAM(PC3-8500対応SO-DIMM/2Gバイト×2)を搭載し、グラフィックス機能はCPUに統合されたIntel HD Graphicsを利用する。

 Blue-ray Discドライブは最大6倍速でBD-R/最大4倍速でBD-R DLメディアに書き込みが可能なノートPC向けのスリムドライブを右側面に配置する。HDDは速度面、コスト面で有利な3.5インチの容量1Tバイトを搭載しており、評価機には日立グローバルストレージテクノロジーズ製のHDT721010SLA360(7200rpm)を内蔵していた。これに2系統の地上デジタル対応テレビチューナー(Windows Media Centerを利用)が加わる。

 3Dの立体視に関連するハードウェアは、ディスプレイが1ラインおきに左右の目用の象を表示可能な円偏光フィルターを備え、これに対応する偏光メガネが付属する。つまり1ライン置きに左右の象を表示すると偏光メガネを通して右目には右目用、左目には左目用の像だけが届き、立体的に見える仕組みだ。3D表示では縦解像度が半分になる弱点はあるものの、NVIDIAの3D Vision搭載モデルと比較して、機械的動作が不要でローコストかつメガネが軽量でバッテリーレスである点、輝度が落ちない点が特徴だ。

 液晶ディスプレイは表面に特殊なフィルターを装備していることになるが、裸眼で利用する場合の輝度や視野角にほとんど影響はなく、発色にも違和感はない。今時の映像視聴も意識した高輝度タイプの一般的なTN液晶のクオリティーと考えて構わないだろう。

3Dメガネは重量が約20グラムと軽く、通常のメガネをかけながらでも使用可能だ。専用ケースも付属する
ワイヤレスのキーボードと、チルトホイールに対応したレーザーマウスが添付される
Windows Media Centerボタン付き赤外線リモコンもセットになっている。全長は21センチだ

専用コンテンツがなくても楽しめる2D→3Dのリアルタイム変換機能

 本機は標準でBlue-ray 3Dの再生に対応しており、今後販売が予定されているBlu-ray 3Dタイトルを楽しめる。現時点でBSやCS放送で3D放送も始まっているが、試験的な意味合いが強く、ジャンルもスポーツ中継や環境映像などがほとんどで、好きなジャンルの映像を選んで見るといった状況にはなっていない。つまり、リアルな3D立体視を満喫するには、コンテンツが圧倒的に不足しているわけだ。

 そこで、まずPCならではの機能として本機が備えるのが、一般的な2D映像を3D映像にリアルタイムで変換して再生する機能だ。「Fujitsu PowerDVD9 3D Player」でDVD-Videoと動画ファイルの再生に対応し、コーデックとしてはMPEG-1/2、WMV、MPEG-4/AVC(H.264)に対応するほか、筆者の手持ちのDivXファイルも問題なく再生できた。メーカーのサポート範囲はDVD-Videoメディア(ファイルでの再生は非サポート)の再生のみだが、実際には一般にPCで利用されている動画ファイルの大半は再生できると思っていだろう。

 2D映像から3D映像へのリアルタイム変換は簡単で、Fujitsu PowerDVD9 3D Playerの画面右下にある「3D」の文字をクリックすると「3Dディスプレイの設定」が現れる。ここで「動画ファイルおよびDVDに3Dを適用する」を有効にする(デフォルトでオンになっている)と、後は通常の手順でDVD-Videoや動画ファイルを再生するだけだ。筆者は近年、専門チャンネルで放送された古いアニメや特撮などは片っ端から録画して動画ファイルとして保存しているので、市販のDVD-Videoに加えて、これらも視聴してみた。

 ちなみに、本機で3D表示を最適に利用できる範囲は、液晶ディスプレイの垂直方向から6〜14度で、画面から55〜70センチの距離が推奨とされている。本機はTN液晶を採用しており、上下の視野角は広くないが、普段正対して使う範囲なら3D映像を十分に楽しめると考えていいだろう。

Blu-ray 3Dの再生と2D→3Dのリアルタイム変換再生時に利用する「Fujitsu PowerDVD9 3D Player」
3D表示用の設定画面。細かな調整はここで行う。BD LIVEにも対応する
2D映像をリアルタイムに3Dへ変換しているところ。Blue-ray 3D以外の3D映像はサイドバイサイド、トップ&ボトムのどちらもサポートする

 次のページでは、リアルタイム3D変換に適したジャンルの映像はあるのかどうか、さまざまなパターンを試してみた。

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