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» 2010年12月07日 18時55分 UPDATE

新しいビジネスモデルを作る:好きな人を3Dで撮ってほしい――「シャープ スマートフォン3Dコンテスト」

SH-03Cや003SHなどで撮影、編集した静止画や動画を応募できる「シャープ スマートフォン3Dコンテスト」が12月3日から実施されている。同社はコンテストを契機に3Dコンテンツの普及を目指し、新しいコンテンツビジネスの創出を狙う。

[田中聡,ITmedia]

 シャープは2010年12月3日から2011年2月28日まで「シャープ スマートフォン3Dコンテスト」を実施する。同コンテストでは、シャープ製のスマートフォン「LYNX 3D SH-03C」と「GALAPAGOS 003SH」、富士フイルム製の3Dデジタルカメラ「FinePix REAL 3D W3」「FinePix REAL 3D W1」などで撮影または編集した3D静止画と動画を募集。優秀作品を毎月24人、計72人選出する。

photophoto 優秀作品にはBlu-ray Disc内蔵46V型AQUOSクアトロン3D、3D対応Blu-ray Discレコーダーなどが贈られる(写真=左)。コンテストのWebサイト(http://www.sh3dcontest.jp/)(写真=右)

3D市場が新しいビジネスモデルを創出する

photo シャープ 執行役員 情報通信事業統轄 兼通信システム事業本部長 大畠昌巳氏

 今回のコンテストに伴う告知イベントが開催された。シャープ 執行役員 情報通信事業統轄 兼通信システム事業本部長の大畠昌巳氏は「シャープの3D液晶搭載のスマートフォンでは、メガネをかけずに映画、動画、静止画を3Dで体験できるので、3Dコンテンツを24時間楽しめる。3D機器はコンテンツの充実が重要。コンテストを開催したのも新しい3Dの世界を広げため」と狙いを説明した。今回は静止画と動画の募集に限るが、今後はゲームやほかのエンタメ系コンテストも企画しているという。

 シャープは2002年〜2003年にも3D液晶を搭載したケータイ「SH251iS」「SH505i」を投入したが、「当時は時期尚早で、なかなか広がらなかった」と大畠氏は振り返る。現在は3Dコンテンツ市場の下地が整ったとの判断から、より高精細で高輝度な新しい3D液晶を搭載したスマートフォンを投入。「3D市場が広がっていく兆しを見せているので、シャープが引っ張っていきたい」と大畠氏氏も意気込む。

 3Dを市場に普及させるためにはどれだけコンテンツがそろうかも重要だ。SH-03Cや003SHにプリセットしたコンテンツに加え、シャープのスマートフォン向けポータルサイト「GALAPAGOS SQUARE」の3Dギャラリーでは、現在約30タイトルの3D動画を無料で配信しており、今後も順次追加していく。なお、コンテストの優秀作品(計72作品)は3Dギャラリーで配信する予定。ユーザーが3Dコンテンツを自由に投稿できるCGMサイトなどの登場も期待できる。会場の説明員は「将来的には3D版YouTubeのようなサービスを作っていきたい」と話していた。

photophotophoto 「GALAPAGOS 003SH」に内蔵している3D動画(写真=左)。「GALAPAGOS SQUARE」の「イチオシ」に3Dギャラリーを用意している(写真=中、右)
photophotophoto 昆虫や自然、アニメ、映画の予告編、レースクイーンなど幅広いジャンルの3D動画を配信中

 GALAPAGOS SQUAREで配信中のコンテンツは、現在はすべて無料だが、有料コンテンツの配信も検討しているという。プロモーションビデオを3Dでも撮影しているエイベックスのように、3Dコンテンツを所有しているコンテンツプロバイダーは多い。大畠氏も「音楽はキラーコンテンツになるのでは」とみている。3Dコンテンツが新しいビジネスのプラットフォームになる大きな可能性を持っているといえる。

 対応機種について、現在はスマートフォンのみが3D液晶を搭載しているが、一般のケータイについても「ボーダーはない」(大畠氏)とのことで、さらなる拡大が期待される。ほかのケータイメーカーにシャープの3D液晶を供給する可能性については明言を避けたが、「シャープは部品メーカーでもあるので、垂直統合で製品を作れる。他社よりも早く投入できるのは大きなメリット」とした。

好きな人を3Dで撮ってほしい

 イベントには、コンテストの審査員を務める映画監督の守屋健太郎さんと番組プロデューサーのおちまさとさんが登場し、3Dコンテンツの感想や撮影のコツなどを話した。楽屋で初めてSH-03Cの3Dコンテンツを見たというおちさんは、「最初は甘くみていたけど、かなり立体的だった」と驚いた様子だった。守屋さんは「3Dコンテンツは15年くらい前から仕事で触れているが、(シャープのスマートフォンは)裸眼で見られるのがすごい。液晶はモノクロ、カラーと進化してきたが、3Dで3回目の進化を遂げるのでは。どういう表現ができるか楽しみ」と期待を寄せた。

photophoto 守屋健太郎さん(写真=左)とおちまさとさん(写真=右)

 モバイル機器と3Dコンテンツの相性や可能性について聞かれると、おちさんは「ブログ、Twitterとモバイルは切っても切り離せないのでうまく連携できそう。3Dで好きなアイドルを見たいという人もいるだろうし、本当にコンテンツが大事になる」と話す。守屋さんは「ケータイは持ち歩くものなので、3Dコンテンツを人に見せられる」と、ケータイならではの魅力に言及した。「映画館は画面の世界に入り込むので“1対画面”だけどケータイは違う。新たなコミュニケーションが生まれる」(守屋さん)

 SH-03Cと003SHのカメラでは、端末を持ちながら横に動かすと3Dの静止画を撮影できる。守屋さんは3D撮影のコツについて、「手前に人物がいて後ろに背景がある場所だと、全体にピントが合っている方が立体感が出る。撮影環境は光が強い場所や、晴れた日の屋外がいい」と説明する。おちさんは「被写体を撮りたいという気持ちがあれば、演出を考えたり、いろいろ工夫する」と話し、もしコンテストに参加したら、娘さんを3Dで撮りたいと意気込んでいた。守屋さんは「奥から手前に迫ってくる映像が効果的なので、巨大なブランコが手前に来るといった動画を撮りたい」と話した。

photophoto 撮影ボタンを押してからカメラを右にずらすと3D画像を撮影できる

 コンテストではどんな作品に期待しているかとの質問に、おちさんは「男の映像ばかりが続くと、早送りしちゃう空気がなくもない」と話し、笑いを誘った。守屋さんは「立体感や臨場感のある撮影ができないかをいつも研究しているが、逆に一般の方に教えてもらいたいとも思う。プロには思いつかないような新しい3Dの表現法を見たい」と話した。

 SH-03CのCMにも出演しているタレントの福田沙紀さんも登場し、守屋さんとおちさんが福田さんを3D撮影するデモを実施。福田さんに花を持ってもらいながら撮影し、実際にうまく撮れたようだ。「手前に物を出してもらうのも効果的」(守屋さん)。SH-03CのCMにも使われている福田さんの新曲「Snow Rain」のプロモーションビデオも3Dで撮影しており、GALAPAGOS SQUAREの3Dギャラリーで無料配信されている。福田さんは「今までのケータイで写真を見るのと感覚が違うし、撮影も簡単。たくさんの人に応募してほしい」と呼びかけた。

photophotophoto 福田沙紀さん
photophotophoto 守屋さんとおちさんが福田さんを3Dで撮影

 「3Dで撮れば、その人の魅力がより伝わってくる。おちさんも話していたとおり、好きな人を撮るのが一番」と守屋さん。おちさんは「3Dで撮ったものを一番見たいのは自分。そのテンションのまま撮った方が感動が伝わる」とメッセージを送った。


 多くのメーカーがスマートフォンを投入する中、シャープの3D液晶はどこまで差別化のポイントとなるのか。そして今後はコンテンツと対応機種の拡大が重要になる中で、今回の“ユーザー参加型”コンテストが3Dの普及をどこまで後押しするか、注目したい。

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