第25回 スマホで使える定額制音楽配信サービスまとめ今すぐ使えるスマホレシピ(1/3 ページ)

» 2013年07月03日 20時00分 公開
[今西絢美,ITmedia]

 スウェーデン発の「Spotify」やアメリカ発の「Pandra」など、無料の音楽ストリーミングサービスが世界中で注目されている。先日のWWDCではAppleも「iTunes Radio」でこの業界に参入することを発表した。しかし、残念ながらこれらのサービスは日本にはまだ上陸しておらず、がっかりしている国内の音楽ファンもいるだろう。

 とはいうものの、ケータイ時代の“着うたフル”のように1曲ごとに課金する制度ではなく、月額1000円以下の料金を支払うだけで楽曲が聴き放題になる定額サービスも増えつつある。舶来モノのサービスや国内発の定額制音楽配信サービスが混在するいま、どのサービスを使えばいいのか頭を悩ませている人も多いのではないだろうか。

 そこで今回は、スマホで利用できる主要な定額制音楽配信サービスの特徴をまとめてみた。自身の音楽の趣味に合ったサービスを選ぶことで、“No Music,No Life”なライフスタイルが加速するに違いない!

コンテンツ数はナンバー1!――「Music Unlimited」

 ほかのサービスに先駆けて2012年7月にスタートした、ソニーの運営する定額制音楽配信サービス「Music Unlimited」。月額980円で1300万曲以上の楽曲を利用でき、このコンテンツ数はほかのサービスよりも圧倒的に多い。特に洋楽のラインアップが充実しており、人気アーティストの新譜をはじめ、海外のインディーロックなどもヒットするのがうれしい。その反面、邦楽のラインアップはやや弱い印象がある。

photophoto ログイン後のトップ画面。新しくリリースされた作品やマイリストに登録したコンテンツなどが表示される。iPhoneの場合、右上のメニューアイコンをタップするとメニューが表示される(写真=左)。Androidは画面を右にフリックするとメニューが表示される(写真=右)
photophotophoto 楽曲の再生画面。曲のスキップはできるが、早送りはできない(写真=左)。「+」をタップすると、マイライブラリーやプレイリストに曲を追加できる(写真=中)。聴いているアーティストのディスコグラフィーや関連するアーティストのアルバムなども分かるので便利(写真=右)

 マルチデバイス対応であることも強みだ。iPhoneとAndroidはもちろん、PCやAndroid搭載Walkman、Play Station Vita、BRAVIAなど、対応機種の多さで右に出るものはいない。出先ではスマホから、自宅ではPCやテレビでといったように、あらゆるシーンで快適に利用できる。また、PCでの利用に関していえば、わざわざ専用ソフトをインストールする必要がなく、ブラウザから利用できるのも個人的には気に入っている。

photo https://music.sonyentertainmentnetwork.com/ にアクセスし、スマホと同じアカウントでログインする。利用できる項目はモバイルと同じだ

 独自機能として目立つのは「チャンネル」機能だろう。季節やジャンル、時間帯、年代など、50種類以上のチャンネルがそろうので、いろいろな音楽との出会いを楽しめる。また、「マイチャンネル」では好きなアーティストを軸に、関連するアーティストの楽曲だけを集めたプレイリストを作成してくれる。

photophoto マイチャンネルなら、これまで知らなかった楽曲と出会いやすい(写真=左)。チャンネル内の「ムード」タブでは、時間帯やリラックスなど、シチュエーンに合わせた楽曲を流してくれる(写真=右)

 筆者が唯一このアプリで残念だと感じたのは、iPhoneでキャッシュ機能に対応していないことである。Android版はオフライン再生機能に対応しているのだが、iPhone版にはその機能がない。また、高音質モードもAndroid版のみの機能だ。

photophoto オフラインで利用するには、「設定」内の「オフライン再生機能」を有効にし(写真=左)、新規プレイリストの作成時に「オフラインで利用」にチェックを付ける(写真=右)

 30日間の無料体験期間があり、支払いはクレジットカードのみ。SNSとの連携機能には対応しておらず、“音楽を聴く”ことに特化したサービスといえるだろう。

J-POPメインで利用する人向き――「レコチョクBest」

 着うたで名を馳せたレコチョクが運営する「レコチョクBest」は、月額980円(Apple決済の場合は1000円)で利用できる音楽配信サービスだ。コンテンツ数は約100万曲で、ラインアップはJ-POPが中心。最新ヒット曲だけでなく「こんな曲まで!」と思うような往年のアイドルソングなども配信されており、懐メロ好きも満足できるだろう。また、ド定番な海外のバンドや若い世代に人気の洋楽なども配信されている。しかし、コアな洋楽にはやや弱い。

photophoto ログイン後のトップ画面。左上のメニューアイコンをタップすると(写真=左)、各種メニューが表示される(写真=右)
photophoto 新譜の発売とともに配信が始まるという感じでもなさそうだが、懐メロの充実度は目を見張るものがある(写真=左)。アーティスト名を索引から探せるのは珍しい(写真=右)

 アプリの操作性が分かりやすく、初めての人でも直感的に利用しやすい。歌詞の表示にも対応し、アーティスト情報や関連アーティストといったデータベースも充実している。端末内の楽曲データもアプリ内で一緒に聴けるので、音楽プレーヤーとしても利用できる。

photophoto 楽曲の再生中に歌詞を表示可能。曲の早送り/巻き戻しも行える(写真=左)。「My Best」タブから端末内の楽曲を再生できる(写真=右)

 一番の魅力はiPhoneとAndroidのデバイスを問わず、キャッシュ機能に対応している点だろう。キャッシュの上限は8Gバイトで、容量を任意で設定できる。Wi-Fi接続時のみ利用できる高音質モード(320Kbps)にも対応する。

 特定アーティストの人気曲が分かる「アーティストBest」や、再生回数ランキングやシチュエーションに合わせたプレイリスト「テーマ別Best」などのオリジナルコンテンツを用意し、「とりあえず音楽を流し聴きしたいとき」などにも使いやすい。

photophotophoto キャッシュの容量は任意で設定でき、上限を超えた場合は古いものから削除される(写真=左)。各アーティストの配信楽曲の中で、人気の10曲をチェックできる。曲の冒頭だけを連続再生できる「ダイジェスト機能」も搭載(写真=中)。「関連アーティスト」のひも付け具合は秀逸!(写真=右)

 初回登録時は2週間無料で利用でき、お試し期間中にspモード決済・auかんたん決済・クレジットカード決済で登録すれば、入会月を含む最大1か月無料になる。Twitter、Facebook、mixiとのソーシャル連携にも対応する。

 唯一の弱点を挙げるとすれば、現状はスマホでのみしか利用できないことだ。リリース時にはPC向けサービスを今夏をめどに開始するとのことだったが、今後の展開に期待したい。

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