GALAXYともOMNIAとも違う――「941SC」で重視した“バランス感覚”:開発陣に聞く「941SC」「AQUA STYLE 840SC」(1/2 ページ)

» 2010年08月05日 09時00分 公開
[2106bpm(K-MAX),ITmedia]

 Samsung電子がソフトバンクモバイル向けに供給した「941SC」はOMNIAシリーズを継承したフルタッチケータイの最新モデル。「AQUA STYLE 840SC」は日本市場向けとしては初めて防水に対応したエントリーモデル。これら2機種のこだわりと今後の展開について、サムスンテレコムジャパンの端末営業部 阿部崇氏、趙昌孝(チョウ・チャンヒョ)氏、大久保弥央氏に聞いた。

photophoto 「941SC」
photophoto 「AQUA STYLE 840SC」

AMOLED Plus=スーパー有機EL?

photo サムスンテレコムジャパンの趙昌孝(チョウ・チャンヒョ)氏

―― 941SCの特徴を教えてください。

趙氏 941SCの開発コンセプトとしては「映像が驚くほど美しい進化した有機ELタッチフォン」です。コンセプトは“映像美”ですが、今回は進化した有機EL「AMOLED Plus(アモレッド プラス)」を搭載したことで、高精細で発色がよく、有機ELの特徴でもある広視野角は最大180度実現しています。

―― 液晶ではなく有機ELを採用していますが、太陽光の下での視認性はどうですか?

趙氏 これまでの有機ELに比べて発色もよく、明るいので屋外でも非常に見やすくなっています。液晶と比較しても遜色なく、場合によっては液晶よりキレイに見えるでしょう。

―― その見やすさを実現した有機ELのディスプレイは、具体的にどんな仕組みなのでしょうか。

趙氏 ガラスパネルと基板パネルの間が薄くなっています。本体を見ても分かると思いますが、これまでの機種より画面が前にあるように感じられると思います。パネル自体の発光度は従来と同じですが、透過率が10%向上しています。前モデルの「OMNIA VISION 940SC」と同様に、シアタースタンドも搭載しています。有機ELは視野角が広いので、シアタースタイルで複数人が横から見ても、色の残像感がほとんどなく、美しい映像を楽しめます。

―― 海外で発売されている「GALAXY」で使われている「スーパー有機EL」と同じものが使われているのでしょうか。

趙氏 1GHzのプロセッサを搭載し、HD動画などリッチコンテンツを利用できる機種に搭載したAMOLED Plusの有機ELディスプレイを「スーパー有機EL」と呼んでいるので、厳密には違います。

OMNIA VISION 940SCからの進化点

―― OMNIA VISION 940SCとの違いを教えてください。

趙氏 基本的には940SCで対応していたものはすべて入れています。ただ1つ対応していないものがありまして、940SCではステレオスピーカーを搭載していましたが、941SCはサイズとデザインを優先してモノラルスピーカーを搭載しています。逆に進化した点として、サービス面では「ケータイWi-Fi」や「楽デコ」に対応し、機能面ではカメラ機能の強化などがあります。

―― カメラ機能は具体的にどこを強化したのでしょうか。

趙氏 941SCだけでなく、弊社の端末にはカメラで撮影した画像を楽しめる機能をいくつか用意しています。941SCでは撮影した人物の顔に表情をつけられる「3Dモーションフォト」を加えました。

photophotophoto 「フォトライブラリー」から「3Dモーションフォト」を選択し、保存した写真のほか、新規で撮影した写真に立体的な動きをつけられる。あらかじめ設定されている輪郭部分と撮影した画像の目と口を認識し静止画に動きをつける。さらに髪型、ヒゲ、メガネなどのパーツを加えたり、動かせ方を選択したりできる。認識させる場所は手動で変更可能。3Dモーションフォトで作成したデータは本体内に保存できるが、メールでの送受信はできない
photo 「コミュニティーズ」に登録されているSNSは「mixi」「Facebook」「Flickr」「Photobucket」「YouTube」「Picasa」「MySpace」「Friendster」の8種類。画像系のコミュニティサイトが中心で、任意のサイトを追加登録することはできない。なお、「Picasa」へのアップロードはWi-Fi経由のみとなる

趙氏 もう1つ、写真を楽しむ機能として「コミュニティーズ」を搭載しています。3Dモーションフォトと同じくフォトライブラリーから起動でき、あらかじめ登録されている8種類のコミュニティサイトへ一括で画像をアップロードできます。

趙氏 そのほか、カメラ周りではインカメラでの動画撮影にも対応し、“自分撮りで動画”も可能になっています。

―― インカメラで動画撮影ができるのは珍しいですね。

趙氏 そうですね。使い方としては、例えばサイクリング中に自分の表情を確認したり、記録として残したり……ライブ中継的な使い方もできるのかなと思います。

「OMNIA」を付けなかった理由

photo サムソンテレコムジャパンの阿部崇氏

―― ソフトバンク向けのSamsung電子のハイエンド端末には、これまで「OMNIA」の名称が付いていましたが、今回これを付けなかったのは何か理由があるのでしょうか。

趙氏 タッチパネルが既存の感圧式から静電式に変わり、あえてOMNIAというブランドネームは外しました。感圧式を好まれるお客さんにはOMNIA VISION 940SCを、静電式を好まれるお客様は941SCを手に取っていただければと思います。

―― 今後はOMNIAの名称は使わないのでしょうか。

阿部氏 幅広いお客様のニーズに応えられるよう感圧式と静電式の両方に対応したモデルを提供しています。キャリアさんと話を進める中で、次もまた静電式を採用する場合は、OMNIAの名称は使わないと思います。

―― iPhoneのようなマルチタッチには対応していますか?

阿部氏 今回は対応していません。例えばブラウザ表示の場合、バー表示を操作してスクロールや拡大/縮小を行います。従来の操作で慣れているお客様も多いので、そういった部分はそのまま使えるようにしております。

―― ユーザーインタフェース(UI)は変わらず、タッチ感が変わったということですね。

阿部氏 そうですね。UIは大きくは変えていません。

―― デザイン面での特徴などありますか?

趙氏 本体色に合わせて裏面のバッテリーカバーのデザインがそれぞれ違います。シアタースタンドは取り外せるので、スタンドを立てた状態で本体に変な圧力がかかっても、スタンドが外れて折れにくいという効果もあります。

photophoto ワンセグなどの視聴に便利なスタンドが裏面に収納されている

阿部氏 ワンセグ用のアンテナトップやロッド部分の色も本体色に合わせて変えています。実はこういった要望は非常に多いんです。また、裏面のバッテリーカバーにあるFeliCaマークは、一見すると分からないようデザインされています。FeliCaネットワークスのレギュレーションは通過しているのですが、どこにFeliCaマークがあるか探してみてください。

photo 裏面のバッテリーカバーは各色でデザインが異なる。カメラ部分の下にうっすらとFeliCaのマークがあり、バッテリーカバーのデザインを損なわないようになっている

日本市場の手応え

―― これまでにOMNIAシリーズは日本で3機種が発売されていますが、日本市場での手応えはどう感じていますか?

阿部氏 フルタッチ端末を早期から投入してきたので、市場の開拓に寄与できたかなと感じています。また、iPhoneも含めフルタッチ端末が増えてきているので、そうした市場の流れに沿うことで、いい環境を作れるとも感じています。感圧式や静電式も含めたディスプレイやチップもすべて自社で作れるのもSamsungの強みです。

―― 正直、これまでの製品は「大ヒット」までには至っていないと思うのですが、そういう意味で、今回の941SCは静電式に方向転換したのでしょうか。

阿部氏 もちろん、ユーザーのニーズを考慮した上で静電式を採用しましたが、ソフトバンクさん自体がiPhoneを販売していることもあります。全体のラインアップとのバランスを考えたということです。

―― 941SCはユーザーの前評判は高いようです。

阿部氏 確かに今回の941SCはバランスのいい端末に仕上がったと感じています。サイズやカラーバリエーション、機能面において男女問わず持っていただける端末だと思います。

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