Celeron SU2300を搭載し低価格化とスリム化を実現したハイエンドモバイルPC──「FMV-BIBLO R」2009年PC秋冬モデル

» 2009年10月13日 11時00分 公開
[ITmedia]

ボディデザインを一新しスリム化を実現

 富士通のモバイルPCでハイエンドに位置する「FMV-BIBLO LOOX R」が、2009年冬モデルで「FMV-BIBLO R」にモデル名を短縮し、大幅な低価格化が施された。FMV-BIBLOシリーズのなかにおいて、軽量で最もバッテリー駆動時間が長かったFMV-BIBLO LOOX Rシリーズだが、店頭向けの上位モデルで実売25万円前後(発売時)と価格が高めだった。そのため、Netbook以降の価格低下を受けて、“仕事もプライベートも1台で兼用できるモバイルPC”という基本コンセプトを堅持しつつ、ボディのスリム化と20万円を切る価格を実現したのがポイントだ。

 店頭モデルは従来と同じ2モデルで構成されるが、夏モデルの上位機「LOOX R/D70」がなくなり、下位機「LOOX R/D50」のスペックを継承する「R/E70」と、新たに廉価版のデュアルコアCPUを搭載した「R/E50」が加わった。同時にボディのスリム化も果たし、厚さ29.9ミリのフルフラットボディに生まれ変わったのも見逃せない。

Core 2 Duo SU9400(1.4GHz)を搭載した上位モデル「FMV-BIBLO R/E70」(写真=左)と、Celeron SU2300(1.2GHz)を採用した下位モデル「R/E50」(写真=右)

 CPUやメモリ容量、指紋センサーの有無を除けば、ハードウェアのスペックは上下2モデルで共通だ。具体的には、R/E70に超低電圧版Core 2 Duo SU9400(1.4GHz/2次キャッシュ3Mバイト)、R/E50に超低電圧版のデュアルコアCPUであるCeleron SU2300(1.2GHz/2次キャッシュ1Mバイト)を採用する。メモリはR/E70が4Gバイト(2Gバイト×2)、R/E50が2Gバイト(2Gバイト×1)のDDR3 SDRAM(PC3-6400)を搭載し、指紋センサーはR/E70のみが標準で装備する。

 そのほかの仕様は2モデルで違いはなく、チップセットにグラフィックス機能を統合したIntel GS45 Express、1280×800ドット表示対応の12.1型ワイド光沢液晶ディスプレイ(高輝度・低反射スーパーファイン液晶)や、320GバイトのHDD(5400rpm)、DVD±R DL対応のDVDスーパーマルチドライブ、ジェスチャー機能付きのタッチパッドを備える。通信機能はギガビット対応の有線LAN、IEEE802.11b/g/n準拠の無線LANとBluetooth 2.1+EDRを標準で内蔵する。インタフェースはPCカードスロットが廃止され、ExpressCardスロット(/34と/54対応)とHDMI端子が追加されたほか、3基のUSB 2.0、アナログRGB出力、SDHC対応SDメモリーカードスロットを用意する。

光沢タイプの12.1型ワイド液晶ディスプレイを搭載する
キーボードは18ミリピッチ/2ミリストロークと従来機を維持。またワンタッチボタンが5つに増えた
右側面にDVDスーパーマルチドライブを内蔵する。着脱はできない

新たにパームレスト面に格子状の模様が施された(写真=左)。ざらついた手触りだが、指紋や手の脂はつきにくい。ACアダプタはLOOX Cと共通で、重量は約280グラム、サイズは46(幅)×109(奥行き)×30(厚さ)ミリとやや大柄だ(写真=右)。標準装備の内蔵バッテリパックLは容量が10.8ボルト 5800mAhだ

 ボディサイズは282(幅)×215(奥行き)と、前モデルに比べて底面積は若干増えたが、27.3〜37.4ミリあった厚さが29.9ミリのフラットになった。重量も増加しているが、それでも標準装備の「内蔵バッテリパックL」搭載時で約1.37キロと2スピンドルPCとしては軽量だ。また、別売の「内蔵バッテリパック」に換装すれば、重量を約1.25キロまで下げることができる。バッテリー駆動時間はR/E70が約12時間、R/E50で約12.5時間(オプションの「内蔵バッテリパック」装着時はR/E70が約5.5時間、R/E50で約5.8時間に減る)だ。

 搭載するOSは、R/E70が32ビット版Windows 7 Professional、R/E50が32ビット版Windows 7 Home Premiumで、R/E70にはWindows XP Professional(SP3)のリカバリメディアが付属する。発売は10月22日の予定で、価格はR/E70が実売19万円前後、R/E50は実売15万円前後と、従来のR/D70が実売25万円前後、R/D50が実売22万円前後でスタートしたことを考えると、大幅にプライスダウンしているのが分かる。

前面中央部分に状態表示用のLEDランプがある(写真=左)。背面はバッテリーが占める(写真=右)

主なインタフェースは両側面にまとまっている。左側面にはアナログRGB出力とHDMI、排気口、2基のUSB 2.0、ExpressCardスロット、サウンド端子、無線LANの電源スイッチが並ぶ(写真=左)。右側面にはDVDスーパーマルチドライブ、SDHC対応のSDメモリーカードスロット、1基のUSB 2.0、ギガビット対応の有線LAN端子がある(写真=右)

Web販売モデルはSSDやスティック型ACアダプタ、WWANが選択可能

直販限定のモバイルWiMAX内蔵モデル

 富士通の直販サイト「WEB MART」では、店頭モデルの仕様をベースに非光沢液晶ディスプレイの選択や、ストレージに256Gバイト/128GバイトのSSDおよび500Gバイト/160GバイトのHDDを選ぶことが可能だ。ほかにも、スティック型の軽量ACアダプタが選べたり、モバイルWiMAX内蔵モデルやFOMA HIGH-SPEED対応モデルといったワイヤレスWANモジュール内蔵製品を購入することができる。

 なお、夏モデルにあった液晶ディスプレイ天板のカラーバリエーションは、本モデルでは用意されない。

FMV-BIBLOシリーズ店頭モデルの概要(その1)
シリーズ名 モデル名 タイプ 従来比較 CPU メモリ HDD OS 実売
FMV-BIBLO R R/E70 2スピンドル 新デザイン Core 2 Duo SU9400(1.4GHz) 4096MB(DDR3) 320GB 32ビット版Profesional 19万円前後
R/E50 2スピンドル 新デザイン Celeron SU2300(1.2GHz) 2048MB(DDR3) 320GB 32ビット版Home Premium 15万円前後
FMV-BIBLOシリーズ店頭モデルの概要(その2)
シリーズ名 モデル名 液晶 解像度 チップセット 光学ドライブ GPU TV機能 重量
FMV-BIBLO R R/E70 12.1型ワイド 1280×800 Intel GS45 2層対応DVDスーパーマルチ チップセット内蔵 約1.37キロ
R/E50 12.1型ワイド 1280×800 Intel GS45 2層対応DVDスーパーマルチ チップセット内蔵 約1.37キロ

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