Research in Motion(RIM)が展開するスマートフォン「BlackBerry」シリーズは、法人ユーザーやビジネスマンを中心に根強い支持を集めている。そのフラグシップを担う「BlackBery Bold」の最新モデルが、今回紹介する「BlackBerry Bold 9900」だ。最新の「BlackBerry OS 7.1」、1.2GHzのCPU(シングルコアのSnapdragon S2)、Boldシリーズでは初搭載となるタッチパネルなどが相まって、今までよりも大幅に操作性が向上している。
そんなBlackBerry Bold 9900に、新色「Pure White(ピュアホワイト)」が追加され、「ブラックなのにホワイト」な同機の実機を使う機会を得た。写真を交えて、その特徴や機能に迫っていきたい。
本機の魅力は、いろいろ挙げられると思うが、まずもって“白い”ことは筆者的には最大の注目点だ。BlackBerryシリーズはその名通りに“黒い”筐体の印象が強いが、初代の「BlackBerry Bold」では、台数限定でホワイトが販売されている。今回は、それ以来のホワイト投入となるが、特に限定台数は設定されていない。色味としては、バッテリードア(裏ぶた)部分以外はツヤが入っているが、指紋が付きにくい加工になっている。触り心地は、なかなか良好だ。店頭に並んでいるモックアップ(模型)とも違い、なかなか良質だ。不用意に滑って地面に落とす、といったことはほとんどないと思われる。質感は、文字や画像にするのは難しいので、ぜひ店頭などで実機を触ってほしい。
バッテリードアはツヤなし仕様だ。NFCのアンテナが付いていることからか、しっかりはまる作りになっている。SIMカードスロットとmicroSDスロットは、バッテリードアとバッテリーを外して利用するようになっているが、窪みに爪を挟んでもなかなか外れず、このドア外しは意外と手こずるかもしれない。
付属する「BlackBerry Pocket」(ケース)も、本体のカラーに合わせてホワイトとなっている。
フルタッチ型で大柄のボディが多いスマートフォンの中で、BlackBerry Bold 9900のコンパクトなボディには目を見張るものがある。サイズは66(幅)×115(高さ)× 10.5(厚さ)ミリで、手にもすっぽり収まる。640×480ピクセルのVGA液晶は約1677万画素のフルカラー表示ができ、写真や動画もよりきれいに表示できる。筐体下部には、BlackBerryシリーズの代名詞ともいえるQWERTYキーボードが並んでいる。以前のシリーズのものと比べると、形状に工夫が加えられ、押しやすくなった。タッチパネルでは入力感がなくて違和感が……という方は、ぜひ試してほしい。
裏面のカメラは、約500万画素のCMOSセンサーを採用している。機械的なオートフォーカス(AF)機能を備えていないシンプルなカメラだが、被写界深度を高めてあるため、いわゆる“ピンぼけ”が起こりにくくなっている(※ドコモはオートフォーカス対応としている)。結果、焦点を合わせる時間もなく、パシャパシャ撮れる。動画は、最大で1280×700ピクセル・30フレーム/秒の720pのものを撮影できる。こちらは、カメラの画素数だけでなく、CPU性能向上の恩恵でもある。
BlackBerry Bold 9900では、OSの進化と同時に、WebKitベースのHTML5対応ブラウザーを搭載し、Webサイトの再現性が向上している。描画面も「Liquid Graphics」という技術を採用したことでよってなめらかになっている。マルチタッチ液晶でピンチイン/アウト操作をすることもできて、Webサイト閲覧も快適になった印象だ。
BlackBerryといえば、メッセージングサービスの使いやすさが広い支持を集める要素の1つであるが、ソーシャルメディア関連の機能が充実しているのも見逃せない。Google Talk、Windows Liveメッセンジャー、Twitter、Facebookといった主要SNS・メッセンジャーに対応したアプリをプリインストールしているほか、最近はBlackBerryのアプリマーケットである「BlackBerry App World」を通して、「LINE」も提供されるようになった。さらに、ドコモが提供する「エリアメール」にもBlackBerryとして初めて対応し、緊急地震速報、災害避難情報・津波警報いずれも受信できる。メッセージングやソーシャルメディアをますます便利に使える選択肢といえるだろう。
よくBlackBerryは「ユーザーを選ぶ」と言われているが、今回試した限りでは、AndroidスマートフォンやiPhone、Windows Phoneと比べてそのような感じは全くしなかった。物理的なキーで文字入力をしたい、というユーザー、特にスマートフォンのバッテリー持ちが心配だ、というユーザーにはお勧めできる。ぜひ、通信できる実機が用意されているショップなどで手にとって試してもらいたい。
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