「Windows 10」にインストールされている「Grooveミュージック」は、PC内に保存された音楽の再生や、プレイリストの作成などに対応する新アプリだ。
もともと「Xbox Music」という名称で提供されていたアプリがリニューアルしたもので、楽曲を購入できるMicrosoftストアへのリンクを備えていたり、Microsoftが提供する定額制音楽配信サービスを利用したりすることができる(残念ながら後者は日本国内サービス対象外)。
Windowsではおなじみの「Windows Media Player」は音楽から動画までさまざまなファイルの再生に対応するのに対し、Grooveミュージックは動画再生には対応せず、音楽再生に特化したアプリとなっている。
アプリを起動すると、左のカラムに「アルバム」「アーティスト」「曲」「再生リスト」といった項目が並ぶシンプルなユーザーインタフェースが現れる。初期設定ではマイドキュメント内のミュージックフォルダに保存された音楽ファイルが表示されるはずだ。左下にある歯車のアイコンから設定を開き、「音楽を探す場所を選択」から任意の保存先を選択することもできる。
保存された楽曲を認識すると、楽曲のタグ情報に沿って一覧表示される。楽曲が保存されたフォルダごとに表示するといった機能は備えていない。
楽曲を右クリックすると、楽曲の削除やタグ情報を編集、スタートにピン留めといった操作ができる。楽曲を複数選択してタグ編集できないなど、細かい使い勝手を見ていくとまだまだ改善の余地はあるが、あらかたの機能は備えている。
Grooveミュージックアプリは再生中に音量ボタンを押すとプレーヤー操作のコントローラーが表示されたりとWindows 10との親和性が高く設計されている。動作も軽快で、作業のお供に軽く音楽を再生するといった用途に最適だ。
ここまでの機能を振り返ってみると、従来のWindows Media Playerとの違いはそれほど大きくなく、あえてこちらで音楽を再生するメリットは少ないと感じるだろう。実は、Grooveミュージックの目玉機能として備わっている、ある機能が日本国内では未対応となっているのだ。それはMicrosoftのクラウドストレージサービス「OneDrive」に保存した楽曲をストリーミング再生できるというもの。
この機能に対応していれば、さまざまなデバイスから自分のOneDrive上に保存した楽曲にMicrosoftアカウントを使ってアクセスすることができ、PCではGrooveミュージックアプリから再生できる……ということなのだが、残念ながら現時点で国内で利用することはできないようだ。
というわけで、現状はシンプルな音楽再生アプリという位置付けになっているものの、今後の対応次第では便利なクラウド音楽再生プレーヤーに化ける可能性を秘めたアプリといったところ。期待して待ちたいところだ。
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