第11回 渡航前に必要な準備は? パケット料金はどうなる?―――スマホを海外で快適に使う今すぐ使えるスマホレシピ(1/3 ページ)

» 2012年12月05日 22時07分 公開
[今西絢美(ゴーズ),ITmedia]

 年末年始を海外で過ごすという読者も多いのではないだろうか。旅行中くらい日常を忘れてスマホは使わないでおこうと考えるかもしれないが、緊急の連絡先を受けられるようにするのはもちろん、渡航先からTwitterやFacebookに投稿すれば、よりリアルな空気感を伝えられるのも事実。そこで、今回はスマホを海外で快適に使う方法をキャリア別に紹介する。渡航前、渡航中に注意したいポイントをしっかり把握しておこう。

 今回はNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルが提供している海外向けパケット定額サービスも紹介する。いずれも1日最大2980円で国際ローミングを利用できるのが特長だ。本記事では海外到着後に「データローミング」の設定をオンにする、という流れで説明している。これは、データローミングを常時オンにしていると、海外で不意に通信してしまう可能性が高いため。出発前にオフになっているか確認しておきたい。なお、日本で契約した携帯電話は、海外ローミングによるLTE通信は現在サポートしておらず、3Gか2Gでの通信となる。


ドコモの場合

渡航前に「WORLD WING」の申し込みが必須

 まずは海外で使うために必要な国際ローミングサービス「WORLD WING」に対応している国かどうかを調べよう。詳細はドコモのWebサイト(外部リンク)に紹介されている。国によって通話料、1通あたりのSMS送信料、データ通信料、テレビ電話などの料金が異なる。

ドコモの国際ローミング料金例
韓国 台湾 ハワイ フランス
発信(1分あたり)→滞在国内 50円 75円 125円 80円
発信(1分あたり)→日本向け 125円 175円 140円 180円
着信(1分あたり) 70円 145円 175円 110円
SMS送信(1通あたり) 100円 100円 100円 100円
データ通信(1万〜12万パケットまで) 2000円(※) 2000円(※) 2000円(※) 2000円(※)
※:特定事業者を利用した場合。

 ドコモの場合は渡航前に必ず「WORLD WING」に申し込まなければならない。月額使用料は無料で、申し込みはPCのMy docomo、spモード、ドコモ インフォメーションセンターへの電話、ドコモショップ店頭、ドコモワールドカウンターで行える。

WORLD WINGの申し込み方法
詳細 受付時間
パソコン(My docomo) My docomoの「各種お申込・お手続き」から 24時間
spモード 「dメニュー」→「お客様サポート」→「各種お申込・お手続き」から 24時間
電話 ドコモの携帯電話からは「151」(無料)
一般電話からは0120-800-000
9時〜20時
ドコモショップ店頭 店頭にて申し込む 各店舗の営業時間
ドコモワールドカウンター 成田空港、羽田国際空港、関西国際空港、中部国際空港、ハワイの専用窓口にて申し込む 各店舗の営業時間

 PCやspモードの場合は24時間申し込めるので便利。また、ハワイに限っていえば、万が一手続きを忘れていた場合にワールドカウンターに駆け込めるのでありがたい。

「海外パケ・ホーダイ」に加入すれば日額最大2980円

 渡航時にも国内同様、「海外パケ・ホーダイ」というパケット定額サービスが用意されている。適用条件は国内の「パケット定額サービス」「Xiデータ通信専用プラン」、「FOMA定額データプラン」のいずれかを利用していることで、多くのスマホユーザーは問題なく利用できるだろう。ドコモの場合、モバイルWi-Fiルーターやテザリングなどのデータ通信も海外パケ・ホーダイの対象だ。

 現在85カ国が海外パケ・ホーダイの対象国となっており、対応国の全通信事業者に適用される。かつては契約外の通信事業者に接続してしまったために高額のパケット料を請求されるというケースがあったが、現地でのスマホ利用時に通信事業者を気にする必要がなくなった。

 料金の仕組みは下記のとおりで、日額最大2980円。ここでの“1日”は渡航先の現地時間ではなく、日本時間を基準とした0時から23時59分59秒までを指す(他の事業者も同様)。

「海外パケ・ホーダイ」料金
パケット通信量 1日の上限額
20万パケットまで 1980円
20万パケット以降 2980円

photo 機種によってはアプリがあらかじめダウンロードされている

 渡航先でも国内と同じように自分のスマホでインターネットを使いたいユーザーは申し込もう。

 ドコモの場合、渡航先でのスマホ利用をサポートするためのアプリ「ドコモ海外利用」をダウンロードしておくと便利だ。このアプリでは海外パケ・ホーダイの適用状態が確認できる。さらに、後ほど紹介する「WORLD WING Wi-FI」というWi-Fiサービスへのログイン・ログアウトや接続状態の確認も可能。海外到着前にダウンロードしておいて損はない。


現地に到着したらデータローミングをオンにする

photo Android 4.0の場合、spモードアプリを起動し、「メール設定」→「受信」→「海外メール自動受信」にチェック→「海外受信確認ダイアログ」のチェックを外す

 海外に到着すると、ドコモからSMSが届く。このお知らせは無料で、契約状態や渡航先が海外パケ・ホーダイの対象国かが分かる。次に、データローミングを設定しよう。設定方法は機種により多少異なるが、Android 4.0の場合は「設定」→「モバイルネットワーク」→「通信事業者」→「ネットワークを検索」し、通信事業者を選ぶ。次に、1つ前の画面に戻って「データローミング」にチェックをつければ接続完了だ。

 spモードメールを受信するにはさらに設定が必要で、渡航先に到着後、「海外メール自動受信」を設定しよう。

 電話をかける場合にもいくつかの決まりがある。詳細は下記を参照してほしい。このとき、「+」を表示するにはダイヤルボタンの「0」を長押しする。これは他社のスマホとも共通している。

海外からの電話のかけ方
日本へ 「+」「81(日本の国番号)」「市外局番の0を除いた相手の電話番号」
滞在国内 そのままダイヤル
他国へ 「+」「相手国番号」「市外局番の0を除いた相手の電話番号」

 日本から自分のスマホにかけてもらう場合は、いつもの電話番号にかけてもらうだけでOKだ。

渡航時に便利なサービスは?

 海外パケ・ホーダイを利用している場合、国内と同じくWi-Fiスポットを利用できる。利用できるのは韓国、中国、香港、イギリス、タイ、フランスなど計18か国。Webサイトで利用可能なエリアが紹介されているので、確認してみよう。対応国の場合は、先ほど紹介したドコモ海外利用アプリでログインできる。

 また、海外でも「ドコモプレミアムクラブ」で会員優待サービスが受けられたり、dメニュー内の「海外周辺ガイド」や「海外周辺ガイドアプリ」が使えたり、当然「マップ」アプリが使えたりもする。「しゃべってコンシェル」も海外の主要都市においては、現地の天気やレストランなどの情報を調べるのに使える。そんな中、最近登場したサービスのなかで注目すべきは、「はなして翻訳」アプリではないだろうか。電話で使うことを念頭に置かれた通訳サービスではあるものの、対面でも利用できる。

photophoto ちょっとした単語をど忘れしてしまったときなどは、このアプリの力を借りるのもいいかもしれない(写真=左)。再翻訳は少し変だが、おおよその意味は伝わるはず。三角形のアイコンをタップすると、音声が再生される(写真=右)

 日本への帰国後は、データローミングの設定をオフにするのを忘れないようにしよう。

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