どれだけのアプリがそろうのかも気になるところ。田中社長によると、Windows Phone向けMarketplaceに配信されているアプリは現在2万4000ほどで、1日平均100アプリほどが増えているという。最新アプリも順次Marketplaceで配信される予定。今後は電子書籍ストア「BookLive!Reader」、飲食店検索アプリ「ホットペッパーグルメ」、映画館の座席予約ができる「ムビチケ」、ナビアプリ「いつもNAVI(地図)」、求人検索ができる「リクナビ」、約100万楽曲を定額で聴ける「music.jp」、宿泊施設を予約できる「じゃらん」、不動産検索アプリ「SUUMO」、非公開型日記アプリ「瞬間日記」などが登場する予定。詳細は日本マイクロソフトのリリース(外部リンク)を参照してほしい。
IS12TにはテレビやPCとDLNA連携して写真や動画を共有できる「リンクキャビネット」、QRコードを作成できる「プロフィール」、ナビアプリ「NAVITIME」、「GREE」、各種ニュースを閲覧できる「MSNトピック」、飲食店を検索できる「ぐるなび」、SNSを一元管理できる「jibe」がプリインストールされている。なお、10月上旬に対応予定のEメールはアプリとして提供される予定。
NAVITIMEはパノラマUI用に作り込まれており、「現在地」「地点検索」「乗換」「路線図」「ナビ」などの項目がタイル状で表示される。au one ナビウォークと異なり、地図画面をピンチイン/アウトで縮小/拡大することもできる。ドア to ドアのトータルナビを利用するには有料登録が必要で、月額315円が発生する。KDDIが提供している「EZナビウォーク」「au one ナビウォーク」とは別個のサービスとなり、ナビウォークユーザーは登録し直す必要がある。Windows Phoneならではの機能として、「My地点」や検索した地点を表示し、現在地からのルートを案内してくれる「Quick Go」機能を実装した。NAVITIMEではおなじみ、PC版で調べたルート履歴からのナビも可能だ。電子コンパスはIS12T側は対応しているが、アプリ側は未対応となる。
au one系やLISMO系など、au独自のアプリには現時点では対応しておらず、KDDIが審査したアプリを配信する「au one Market」もWindows Phone向けには提供されていない。ただ、「Android マーケットでauタブを設置しているように、Windows Marketplaceでも同様の取り組みを行うことを検討している」(説明員)という。KDDIの音声回線を使ってSkypeを利用できる「Skype au」も提供されないが、「インターネット回線を使ったSkypeアプリは配信される見通し」(説明員)。
無線LAN、Bluetooth、DLNA連携、FMラジオ、グローバルパスポートCDMA+GSMなど、スマートフォンとしては必要十分な機能を備えている一方で、ワンセグ、赤外線通信、おサイフケータイなど日本向けの機能は搭載していない。チップセットはQualcommのSnapdragon「MSM8655」を備え、通信速度は下り最大9.2Mbps、上り最大5.5MbpsのWIN HIGH SPEEDに対応している。
IS12Tの発売は9月以降で、価格は「毎月割」の適用で3万円台半ばほどになる見通し。料金プランは「ISフラット」など、これまでのISシリーズと同じものを適用できる。
IS12Tを1カ月前から試用しているというKDDIの田中社長は「最初の1日から1日半は取っつきにくい印象だったが、それを過ぎるとだんだん気持ちよくなる」と発表会で話していた。筆者もWindows Phone 7に触れたのはわずかで、Windows Phone 7.5は初体験。iPhoneやAndroidに慣れている身としては、この新しいUIは明らかに異質なものだったが、発表会で数十分操作したところ、「もっと触ってみたい」という思いに駆られた。それはUIの生命線ともいえる操作感の良さが大きい。レスポンスの速さに加え、IS12T(Windows Phone 7.5)では画面が切り替わる際にページがめくれるような効果がかかる。こうした効果は操作感を損なうケースが多いが、その効果付きでもストレスを感じなかった。この“速く魅せる”グラフィックはiPhoneやAndroidにはない魅力であり、田中社長の「じわじわ気持ちよくなる」という言葉にもうなづける。まったく新しいUIとなって生まれ変わったWindows Phone 7.5、そしてIS12Tがどこまで日本で支持されるか、注目したい。
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