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» 2011年12月31日 15時54分 UPDATE

ITmediaスタッフが選ぶ、2011年の“注目ケータイ&トピック”(編集部田中編):スマホ戦国時代に光った「Xperia arc」のデザインと「GALAXY S II」のバランス (1/2)

スマートフォンが本格的に普及した2011年は、デザイン、カラー、形状、対応機能などからバリエーションが広がった。一方で海外メーカーは日本向けの機能をどん欲に取り込むなどさらに躍進し、群雄割拠の様相を呈してきた。

[田中聡,ITmedia]

 2011年はついに1度もケータイ(従来型の携帯電話/フィーチャーフォン)に触れなかった――と言っても過言ではないほど筆者の携帯ライフはスマートフォン一色で、携帯業界を見てもスマートフォン戦国時代に突入したと言える。実際、2011年に各社が販売したモデルの半数以上がスマートフォン。ケータイを比較的多く投入しているNTTドコモも、PRIME/STYLE/SMART/PROの4つあったケータイ向けシリーズをSTYLEのみに統合し、スマートフォン向けに「NEXT」「with」というシリーズを新設した。

 スマートフォンのバリエーションも広がった。デザインとカラーで大きなインパクトを与えた「INFOBAR A01」、初のG'zOneスマホ「G'zOne IS11CA」、極薄の防水端末「MEDIAS WP N-06C」、QWERTYキーボード付きの「GALAPAGOS 005SH」「REGZA Phone IS11T」、ゲーム機能に特化した「Xperia PLAY SO-01D」、小型で持ちやすい「Xperia ray SO-03C」「Sony Ericsson mini(S51SE)」、女性を意識した「P-07C」「MEDIAS BR IS11N」なども登場した。特に、スマートフォン初心者や女性が安心して使えることを狙ったモデルが増えたと思う。ドコモはこんなCM(外部リンク)も打っていた。「AQUOS PHONE THE HYBRID 007SH」「AQUOS PHONE IS11SH」「AQUOS PHONE slider SH-02D」など、ダイヤルキーを搭載したスマートフォンも印象的で、ケータイとスマートフォンはいずれ融合するのでは……と感じさせられた。

 端末だけでなく、コンテンツ面でもケータイからスマートフォンへの移行が進んでいる。ドコモはスマホ版iモードとも言える「dメニュー」を、KDDIはau oneポータルサイトでスマートフォン向けEZwebコンテンツを提供開始した(ソフトバンクモバイルはどうするのだろう)。キャリアメールや緊急地震速報はもちろん、一部機種はおサイフケータイ(モバイルSuicaやnanacoのスマホ対応も完了した)や赤外線通信など、ケータイでなじみのあるサービスや機能もサポートし、「スマートフォンだから○○ができない」というデメリットは着実に減っている。バッテリーが持ちにくいという課題はまだ残っているが、「MEDIAS PP N-01D」「GS02」など大容量バッテリーを搭載したモデルや、パナソニック モバイルの「エコナビ」やシャープの「エコ技」など、消費電力を極力抑える独自機能も登場し、少しずつ改善されている。

 以上を踏まえ、筆者にとって特に印象深かったモデルを挙げていきたい。

デザインの壁を打ち破った「Xperia arc SO-01C」

 筆者が2011年に最も印象に残ったモデルは、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製の「Xperia arc SO-01C」だ。まず、デザインに一目惚れしてしまった。スマートフォン、いやケータイ全般を振り返ってみても、裏面が反り返っている端末は非常に珍しい。フルタッチパネル型が大半のスマートフォンではデザインの差別化が図りにくいが、Xperia arcはその壁を打ち破ったと言える。それでいて、前モデル「Xperia SO-01B」よりも最薄部が4.4ミリ薄くて軽い(最薄部約8.7ミリ、約118グラム)。側面裏側のラウンドも絶妙で、持ち心地が良い。ソニー・エリクソンが掲げているデザインコンセプト「Human Curvature(ヒューマンカーバチャー:人間的な曲線)」と「Precision by Tension(プレシジョンバイテンション:緊張感による精密さ)」は、初めて聞いたときは正直ピンと来なかったが、Xperia arcに触れて理解した。

 本体色はシルバー、ブラック、ホワイトが多かった当時のスマートフォンでは(文字どおり)異色だったピンクを投入したことも話題を集め、ドコモはこの「Sakura Pink」をプロモーションカラーとして展開している(外部リンク参照)。このSakura Pinkは日本向けXperia arcオリジナルのカラーだったが、海外で発売されたXperia arcのマイナーバージョンアップモデル「Xperia arc S」ではSakura Pinkがラインアップされており、海外でもこの色を求める声が多かったことがうかがえる。「女子っぽくないピンクが好き」な筆者は、迷わずSakura Pinkを購入した。「Cyber-shotケータイ W61S」のときにも感じたが、ソニー・エリクソンは男性でも持てるピンクの作り方が上手いと思う。ソニー製の裏面照射型CMOSセンサーを備えたカメラの性能も良く、日常から旅行までデジカメ代わりに活躍した。

photophoto 「Xperia arc SO-01C」。反り返ったデザインとSakura Pinkのカラーに惚れ込んだ

 実際の人気や評価はおサイフ/ワンセグ/赤外線に対応した「Xperia acro」の方が高いが、Xperia acroは裏面がフラットになって厚さが増してしまったのが残念。「感性に訴えるデザイン」という意味では、Xperia arcの方が秀でていると思う。

 arcに限ったことではないが、機能追加のアップデートを頻繁に実施してくれることも、Xperiaシリーズで評価したいポイントだ。Xperia arcについては7月のアップデートで日本語入力システムがPOBox Touchが4.1に進化し、Facebook Inside機能も追加された。11月のアップデートではエリアメール、テザリング、スクリーンショット機能に対応、POBox Touchが4.3に進化するなど、arc以降に発売されたacro/ray/PLAYの機能をキャッチアップしてくれたのは嬉しい。12月には、初代プレイステーションのゲームを遊べる「PlayStation Certified」にも対応した。これらはOSのメジャーアップデートに匹敵するほどの内容だったと思う。さらに、2011年に発売されたXperiaシリーズはAndroid 4.0(Ice Cream Sandwich)にアップデートする計画があることもSony Ericssonが表明しており、SO-01Cについては最終的にドコモの判断になるだろうが、この点も非常に楽しみだ。

 バージョンアップに関連して、グーグルのジョン・ラーゲリン氏が、1機種あたりの寿命は「できれば18カ月にしたい」と話していたのが印象的だった。過去にはRAMやCPUなどの問題でアップデートが見送られた機種も見られたが、スペックが向上した現行モデルならその懸念はほとんどないはず。「2年間使って実質○○円」という販売方法が主流の日本市場では、18〜24カ月は満足して使えるよう配慮してほしいと思う。

 話をXperia arcに戻すと、このモデルを使っていて唯一不満だったのが、本体メモリの少なさだ。ROMは1Gバイトだが、実際に使えるのは300Mバイトほど。これではたちまちメモリ残量がいっぱいになってしまい、アプリを消しては入れ、の繰り返しだった。次期モデルではぜひ改善してほしい。

本来の三種の神器を備えた「GALAXY S II SC-02C」

photo 性能のバランスが取れていた「GALAXY S II SC-02C」

 「ワンセグ」「赤外線通信」「おサイフケータイ」のスマートフォン対応が増えてから、これらの機能が“三種の神器”と呼ばれているのをよく耳にするが、個人的にスマートフォンの三種の神器は「スピード」「メモリ」「バッテリー」だと思う。スピードは本体の動作速度と通信速度、メモリはRAMとROM、バッテリーは連続使用時間の長さだ。このスピード、メモリ、バッテリーのバランスが最も良かったのがSamsung電子製の「GALAXY S II SC-02C」だったと思う。夏モデルでいち早くデュアルコアCPUを備え、実際の操作感も非常にスムースだった。バッテリー容量も当時のモデルでは最大クラスの1650mAhで、RAMは1Gバイト、本体メモリも11.41Gバイト+1.87Gバイトと必要十分。この意味では、後述するiPhone 4Sも三種の神器を満たしていると言える。通信速度は後継モデルの「GALAXY S II LTE SC-03D」に譲るが、こちらはバッテリーの持ちにやや不安が残る。また、ワンセグを搭載するのはGALAXY S IIのみ。

 デザインについてはもう一工夫欲しい感があるが、最薄部が約8.9ミリ、重さが約120グラムという薄型軽量ボディも魅力だ。「スマートフォンを買いたいけどどれがいい?」と聞かれることが多いが、赤外線通信とおサイフケータイに対応していないことを除けば、GALAXY S IIは人に勧めやすい機種の1つだった。

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