対決!「iPhone 5s」vs「Xperia Z1」――バッテリー、カメラ、音楽機能を比較する(1/3 ページ)

» 2013年12月05日 14時20分 公開
[田中聡ITmedia]

 今冬の売れ筋スマートフォン「iPhone 5s」と「Xperia Z1」(au版ドコモ版)を比較するレビューの前編では、外観、持ちやすさ、スペックなどを比較した。後編では、バッテリー、ベンチマークテスト、カメラ、音楽機能の4つに焦点を当て、スマートフォンとしての性能を比較していく。

photo iPhone 5sとXperia Z1

バッテリーの持ちを比較

photo 5時間強のYouTube動画を再生し続けた

 スマートフォンを使う上で気になるのがバッテリーの持ち。バッテリー容量はiPhone 5sが1560mAh(公称値ではない)、Xperia Z1が3000mAh。そして続待受時間はiPhone 5sが約250時間、「Xperia Z1 SO-01F」が約610時間(LTE)/約740時間(3G)、「Xperia Z1 SOL23」が約700時間(LTE)/約710時間(3G)。バッテリー容量は約2倍、連続待受時間は2〜3倍近くの差でXperia Z1の方が数値が高い。では実際の持ちはどれほどなのか。YouTubeの連続再生時間と、約2日間放置した際のバッテリー残量を調べてみた。テストにはau向けiPhone 5sとXperia Z1(SOL23)を使用した。

 まずはYouTubeの連続再生時間から。テスト条件は以下のとおり。

  • 12月3日16時9分から、ITmedia Mobile編集部(東京都港区)にて実施
  • 満充電の状態で計測開始
  • ピクトアイコンに表示させたバッテリー残量を確認
  • モバイルデータ通信(LTE)でストリーミング
  • iPhone 5sは「メール」アプリにGmailを設定し、データの取得をプッシュにした
  • Xperia Z1のGoogleアカウントの同期はオンにした
  • Wi-FiとGPSはオン、Bluetoothはオフにした
  • ディスプレイの明るさは中間程度に統一した
  • YouTube動画は横向きに再生した
  • スピーカーの音量はオフにした

 iPhone 5sは1時間に20%前後のバッテリーがコンスタントに減っていき、テスト開始からちょうど5時間後の21時9分にバッテリーが尽きた。Xperia Z1は、22時9分〜23時9分のみ、これまでの低画質から誤って高画質にしてしまい、17%とやや減りが激しかったが、それ以外は1時間に12〜14%ほどの減り。ただ、低画質に戻した23時9分からも、30分で8%減と前半より激しかったので、誤差の範囲といえそうだ。iPhoneのYouTubeアプリは3GやLTEだと高画質を選択できず、低画質のまま再生した。

 今回の連続再生時間はiPhone 5sが5時間、Xperia Z1が7時間30分で、Xperia Z1の方が1.5倍バッテリーが持った。やはり長時間負荷の大きい動作を続けるのなら、バッテリー容量の大きい方が有利だといえる。

YouTube再生時のバッテリー残量
iPhone 5s Xperia Z1
1時間後 84% 88%
2時間後 63% 76%
3時間後 41% 64%
4時間後 20% 52%
5時間後 0% 39%
6時間後 25%
7時間後 8%(30分後に0%)

 待受状態のスタミナはどうか。11月30日の20時11分から12月2日の18時11分までの46時間、満充電の状態から放置した。12月2日の12時30分ごろまでは自宅に放置し、12時30分から自宅を出て、12時30分〜13時30分は地下鉄で移動+昼食、会社(ITmedia Mobile編集部)に到着した13時30分からは、そのまま放置した。自宅と会社の通信状況(LTE)は、どちらも良好だ。細かい条件はYouTube再生テストのときと同じだが、今回はTwitterとFacebookアプリにログインした。36時間後の残量は、iPhone 5sが78%、Xperia Z1が79%で、ほぼ互角だった。メーカーの公称値ではiPhone 5sの方が不利だったが、実際には大きな差がないことが分かった。

 なお、iPhone 5sはiMessageを4通ほど受信したので、その直後だけ画面が点灯している。Xperia Z1は常時Gmailの通知ランプが点滅していた。というわけで、2機種ともまったく同じ条件ではなかったことをご了承いただきたい。また、バッテリーの持ちは、周囲の通信状況にも左右されるので、今回のテスト結果は一例として参考にしてほしい。

待受状態のバッテリー残量
iPhone 5s Xperia Z1
11/30 20:11開始 100% 100%
12/1 10:04 99% 95%
22:24 91% 88%
12/2 9:15 84% 84%
18:11終了 78% 79%

結論

  • YouTubeはXperia Z1の方が長く連続再生できる
  • 待受状態のスタミナは互角

ベンチマークテストや起動速度を比較

 iPhone 5sは「A7」、Xperia Z1は「Snapdragon 800 MSM8974」をプロセッサーに採用しており、いずれも先代のチップからCPUとGPUの性能が大きく向上している。そこで、これらの性能を手っ取り早く測れるベンチマークテストを実施した。今回試したのは、iOSとAndroid両方に対応している「3DMark」と「Basemark X 1.0」。3DMarkはCPUとGPUの性能をテストする「Ice Storm Unlimited」を行い、ゲーム操作時のグラフィック性能をテストするBasemark X 1.0では、端末のディスプレイ解像度に合わせてテスト用のグラフィックが動作する「On-Screen」、フルHD(1080×1920ピクセル)の解像度で動作する「Off-Screen」を確認した。

photophotophoto 左が「3DMark」、中央が「Basemark X 1.0」のOn-Screen、右がOff-Screen

 端末の状態はYouTube再生テスト時とほぼ同じで、プリインストール以外のアプリは追加していない。こちらもau向けiPhone 5sとXperia Z1(SOL23)を使用した。

 結果は以下のとおり。3D MarkはXperia Z1、Basemark X 1.0はiPhone 5sの方が高得点を出した。

「3D Mark(Ice Storm Unlimited)」のテスト結果
iPhone 5s Xperia Z1
1回目 13952 17503
2回目 13914 17461
3回目 13874 17440
4回目 13859 17454
5回目 13876 17366
平均 13895 17444.8

「Basemark X 1.0」テスト結果
On-Screen Off-Screen
iPhone 5s Xperia Z1 iPhone 5s Xperia Z1
1回目 28.101fps 17.2fps 16.179fps 14.253fps
2回目 28.378fps 17.372fps 15.986fps 14.353fps
3回目 28.26fps 17.28fps 16.091fps 14.157fps
4回目 27.913fps 17.318fps 15.966fps 14.121fps
5回目 27.669fps 17.156fps 15.933fps 14.225fps
平均 28.0642fps 17.2652fps 16.031fps 14.2218fps

 端末の起動速度(電源キーを押してからロック画面が表示されるまでの時間)も測ってみた。3回計測して平均値を出したところ、iPhone 5sが約21.78秒、Xperia Z1が約35.95秒だった。Xperia Z1は防水の注意事項が数秒表示されており、ここで時間が取られてしまう。

結論

  • 3D MarkはXperia Z1の方が高得点
  • Basemark X 1.0はiPhone 5sの方が高得点
  • 電源オンからの起動はiPhone 5sの方が高速
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