これぞNetbookの真打ちか!?――「HP Mini 2140」の高解像度版でVistaを動かしたVistaならどうだ!?(2/2 ページ)

» 2009年05月19日 11時01分 公開
[田中宏昌(撮影:矢野渉),ITmedia]
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ベンチマークテストの結果はWindows XPがおおむね有利

 まず、OSの起動時間をはじめ、スリープや休止状態への移行/復帰については、いずれもXPより遅くなった。特に起動(電源オンからタスクトレイの読み出しが完了するまで)は68秒(XPは39秒)になり、休止状態への移行も39秒(同9.5秒)、復帰には35秒(同24秒)と時間がかかっている。Windowsエクスペリエンスインデックスでは、ゲーム用グラフィックスが2.7、CPUが2.9にとどまったが、プライマリハードディスクが最高の5.9をマークした。また、PCMark05、3DMark06、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3といった定番のベンチマークテストでは、全般的に低下傾向にあるが、3DMark06は逆に15%ほどスコアがあがっている。なお、参考までにPCMark05とFF XIについては、Windows Vista Businessを搭載したHP 2133 Mini-Note PCのハイパフォーマンスモデル(VIA C7-M ULV 1.6GHz/HDD 160Gバイト)の結果も掲載した。

 さすがにCPUがAtomのため、Windows XPに比べてVistaは少々荷が重いが、もっさり感はなく、思いのほか使える印象だ。一部の低価格PCで採用されているAtom Z系のCPUとIntel System Controller Hub(SCH)チップセットの組み合わせに比べれば、パフォーマンスは良好で、これはストレージがSSDであることも寄与しているだろう。実際に使っていると、むしろOSの違いより、縦方向の解像度が768ドットと広く、横方向も1366ドットとゆとりがあるデスクトップ画面が何よりありがたい。

OSの起動時間などのテスト結果(写真=左)と、Windowsエクスペリエンスインデックスの画面(写真=右)

PCMark05のテスト結果
3DMark06のテスト結果
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のテスト結果

 バッテリー駆動時間は海人氏作のBBench V1.01を使って計測した。標準で付属する3セルバッテリー(10.8ボルト 28ワットアワー)の公称値は約5時間だが、BBenchで液晶ディスプレイの輝度を最高に、電源設定をポータブル/ラップトップに設定し、Web巡回(60秒間隔)とキーストローク出力(10秒間隔)をオン(Bluetoothの電源もオン)にしたところ、2時間24分でバッテリー残量がゼロになった。前回のXPに比べ、10分間延びているが誤差ともいえる範囲内だ。別売の6セルバッテリー(10.8ボルト 55ワットアワー)ならば、重量が約160グラム増加し、底面にバッテリーが2センチほど出っ張る代わりに、駆動時間は公称値で10時間と標準バッテリーの倍になる。

手前が標準の3セルバッテリーで、奥がオプションの6セルバッテリー
従来のHP 2133のバッテリーも流用可能だ。別売の6セルバッテリーを取り付けるとバッテリーが底面に約2センチ出っ張る
キーボードユニットを取り外したところ。直販のDirectplusでもUSキーボードは選択できない

 本機は厳密な定義ではNetbookとは異なるとはいえ、低価格ミニノートPCの中では主要キーが17.5ミリピッチとゆとりあるキーボードや、傷が付きにくいアルマイト(陽極酸化)処理とヘアライン加工を施した金属ボディなど、妥協を強いられる点が少なく、魅力的な要素が多い。いわゆるコンシューマー的な要素が少ないビジネス向けモデルではあるが、むしろ簡素で質実剛健なモデルとして、現時点で一番お勧めしやすい低価格ミニノートPCといえるだろう。

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