というわけで、中国本土に到着。中国本土での利用開始は、現地で「*127*31#」に発信する。「海外ローミングを利用した1日データ定額」ができるようにする手続きだ。ほどなく開始したよという旨のSMSが送られてくるだろう。
続いて、スマートフォンの無線とネットワーク→モバイルネットワーク→携帯電話事業者から、今回における中国でデータ定額利用する「中国聯通/China Unicom」を選択する。異なる事業者(例えばChina Mobileなど)が表示された場合は、手動でChina Unicomに切り替えよう。
改めて「##107#」で残高を確認すると、1日の利用額である98香港ドル分が引かれているはず。日本の海外ローミングを利用したデータ定額とは異なり、1バイトでもデータ通信を使うと1日分の98香港ドルが引かれる仕組みだ。同サービスの「1日分」は香港時間の00:00から23:59(中国も時差はないので同時刻)。利用開始時間から24時間でないので、夜のごく短時間だけで1日分が引かれてしまわないよう注意してほしい。特にスマートフォンはバックグラウンドでデータ通信を行うので、気になる人は「使わないならデータ通信を手動でオフ」にする対策が必要だ。
ちなみにこのSIMカード、香港では28香港ドル/日(約290円)と安価に定額3Gデータ通信を利用できる。定額利用の設定は不要なので、中国の行き帰りに香港に立ち寄るなら、そのまま香港でもお得に利用できるたりもする。参考までに「中国での海外ローミングを利用した1日データ定額」の停止は、「#127*31#」への発信で行える。
最後に、残高の追加はオンラインでのクレジットカード払いも可能だが、残念ながら残高が追加されるまで1〜2日かかることがある。クレジットカードを使うなら、日数に余裕を持って利用してほしい。
いつもよりちょっと複雑なので、手順をもう1度まとめよう。
中国本土ではプリペイドSIMカードを思うように購入できないのが不便。さらにアクセス規制もある。
というわけで今回は若干マニアックな利用方法を紹介したが、香港で入手するプリペイドSIMカードは意外とよい手段であることがお分かりいただけただろう。香港経由で中国へ行くならぜひ活用してもらいたい。
山根康宏 :香港在住の携帯電話研究家。一企業の香港駐在員時代に海外携帯電話に興味を持ち、2003年に独立。アジアを中心とした海外の携帯電話市場の状況や海外から見た日本の携帯電話市場についてなど、海外の視点からコラムや記事を日本のメディアに執筆するほか、コンサルティング活動も行う。携帯/SIMカードコレクターとしても知られ、所有する海外端末数は1000台に達した(2012年3月時点)。
中国渡航時のデータ通信手段確保は、国内のレンタルルータ事業者を利用するのも手段の1つだ。
海外渡航者向けの海外対応データ通信機器をレンタルできるサービス「グローバルデータ」では、タブレットやスマートフォンなどでも便利に使えるポータブルルータ型は680円/日から、PC/Macで利用できるUSBモデム型は480円/日よりレンタルできるカントリータイプ「中国 定額プランChina Unicom/7.2Mbps」(対象国A)を用意する。ちなみに、香港渡航時も中国と同じ対象国Aのため料金は同じだ。
レンタル申し込みは同社Webサイトで行える。機器の受け取りは、宅配か空港受取りにて。出発日2日前17時までの申し込み(成田、羽田は申し込み日が平日の場合、前日17時)で、出発当日に成田、羽田、関西国際、中部国際の各空港で受けとることも可能となっている。
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