5分で分かる、先週のモバイル事情――8月22日〜8月28日

» 2009年09月01日 07時00分 公開
[ITmedia]

NEC、日立、カシオが携帯事業を統合か

 8月28日、NEC、日立製作所、カシオ計算機の3社が、携帯電話事業を統合することで交渉を進めていると産経新聞が報じた。報道を受けて3社は「報道された内容は決定していない」とコメントしている。

 日立製作所とカシオ計算機は2004年に合弁会社「カシオ日立モバイルコミュニケーションズ」を設立して携帯事業に取り組んでおり、NECはカシオ計算機ブランドの端末の一部をODM供給するなど、3社の関係は深い。統合が実現すれば、首位のシャープに続く国内第2位の携帯電話メーカーが誕生することになる。

 携帯キャリアが端末の新販売方式を導入して以来、2年間の継続利用を選ぶユーザーが増えたことや端末価格が上昇したことから、携帯電話の出荷台数は減少し続けている。その一方で端末の高機能化は変わらず進んでおり、多額の開発コストが端末メーカーの大きな負担になっている。

 こうした市場動向を受けて、2008年には三洋電機が携帯電話事業を京セラに売却したほか、三菱電機が携帯事業から撤退するなど、メーカーが携帯電話事業を見直す傾向が高まっており、今後も出荷台数の低迷が続けば、その動きが活性化する可能性もある。

日本通信、050番号のIP電話サービス提供へ

 日本通信は、総務省から050電話番号のIP電話サービスを提供するための電気通信番号指定証を受領したと発表した。

 同社はIP電話用の電気通信番号として「506100GHJK(050-6100-XXXX)」の指定を受け、この番号を利用したIP電話サービスをパートナーMVNOに提供するためのシステム構築を急ぐ。

 日本通信は、通信キャリアからモバイル通信網を借り受けてサービスを提供するMVNO事業を提供しており、2009年後半からは、調達した3G網を他のMVNOに卸すとともに事業運営をサポートするMVNE事業に注力している。

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Nokia、ミニノートPCとLinuxスマートフォンを投入

 携帯端末メーカー大手のNokiaが、ミニノートPC市場に参入することを明らかにした。第1弾として、3Gネットワーク接続機能を備えたNetbook(ミニノートPC)「Nokia Booklet 3G」を投入する。市場に参入する理由についてNokiaはは「PC並の処理能力と携帯性を求めるユーザーが増えている。当社は人々をつなげるビジネスを展開しており、Nokia Booklet 3Gは当社にとって自然な進化だ」と発表文で述べている。

 Booklet 3GはIntelのAtomプロセッサ、Windows、10インチディスプレイを搭載し、バッテリー駆動時間は最高で12時間。筐体はアルミニウムで、重さ1.25キロ、厚さ2センチ弱と薄型軽量になっている。無線接続技術は3G規格のHSPA、Wi-Fi、Bluetoothを備える。

Photo Nokia Booklet 3G(左)とLinux搭載スマートフォン「N900」(右)

 Nokiaは8月28日、PC並みの性能を実現するというLinux搭載スマートフォン「N900」を発表した。

 N900はOSにモバイル向けLinuxの「Maemo 5」、ARM Cortex-A8プロセッサ、最大1Gバイトのメモリ、グラフィックスアクセラレーション技術OpenGL ES 2.0を採用し、同時に十数のアプリケーションウィンドウを開いて実行できるという。3.5インチのWVGAタッチスクリーン、スライド式QWERTYキーボード、32Gバイトのストレージ、500万画素カメラ、Mozillaベースのブラウザを備え、Adobe Flash 9.4を完全サポート。ワイヤレス通信はWi-Fi、HSPAに対応する。

 Nokiaはスマートフォン用OSとして主にSymbianを採用しているが、「小型端末でコンピュータ級の性能を実現するよう設計されたMaemoは、Symbianなどほかのプラットフォームを補完する」と説明している。

 なお、Nokiaは携帯電話向け決済サービス「Nokia Money」も発表。モバイル決済サービスを提供する米Obopayとの提携により同社のプラットフォームを利用するサービスで、すでに携帯キャリア、金融機関、小売企業と提携。今後はこのエコシステムを拡大していく計画だ。

 ユーザーは携帯電話の番号を使って、個人への送金、小売業者へのサービスや製品の代金の支払い、公共料金の支払いなどをいつでも行えるという。プリペイドSIMカードにチャージすることもでき、銀行口座を持っていなくても利用可能だ。キャリアを問わず、どんな携帯からでも利用できるようになるとしている。

録画した映像をケータイに転送する機能、au 2009年秋冬モデルから採用

 KDDIは8月26日、Blu-ray Disc(BD)レコーダーなどで録画したデジタル放送の映像を、au携帯電話に簡単に転送して視聴できる連係機能を2009年秋冬モデルから順次搭載すると発表した。機器メーカーに依存することなく、au携帯電話の標準的な機能として、広く採用していく方針。対応するBDレコーダーや携帯電話は、2009年秋冬モデルの一部から順次拡大していくという。

 データの転送は、BDレコーダーと携帯電話をUSBケーブルで接続して行う。連係機能をサポートするBDレコーダーの第1弾は、ソニー製のおでかけ転送に対応した「BDZ-EX200」「BDZ-RX100」「BDZ-RX50」(9月以降に発売予定)など。これらの機種では、転送先としてau携帯電話が指定できるようになる。

 将来的には、多くのデジタル家電とau携帯電話で、機種やメーカーに依存することなく接続およびデータの転送ができるようにしていきたい考え。

ドコモ、ゼンリンと提携強化、東大とは医療分野の共同研究

 NTTドコモと地図サービスのゼンリンデータコムは8月24日、業務・資本提携の強化に合意した。

 両社は2007年6月に業務・資本提携し、携帯電話向けの地図情報アプリの提供や、端末で取得した位置情報との連動サービスなどに取り組んできた。提携を強化することで、こうした携帯向け地図情報サービスの取り組みをさらに加速させ、「多様化するニーズに合わせた地図サービスの普及・拡大」を目指す考え。両社の技術とサービスを融合し、地図コンテンツの充実や、3D技術などを応用したナビゲーションといった、新たな行動支援サービスの提供を検討していくとしている。

 NTTドコモと東京大学医学部附属病院は8月26日、医療分野でモバイル機器を活用するための環境作りについて共同研究すると発表。9月1日から4年間、東大病院22世紀医療センター内に社会連携講座「健康空間情報学」を開設して研究を進める。

 共同研究は、個人がモバイル情報機器を活用して健康を管理したり、個人がより自分にあった医療を受けられるようにするための環境整備を目的とするもの。受診する病院ごとに分散している個人の医療情報を統合化して利用するなどといった、医療分野の課題の解決を目指す。

日立、厚さ3ミリの指静脈認証モジュール開発

 日立製作所は2009年8月26日、ATMや入退室管理などで実用化されている「指静脈認証モジュール」の薄型化に成功したと発表。新たに開発したモジュールは厚さわずか3ミリ(同社従来比約7分の1サイズ)ながら従来モジュールと同等の認証精度を保持し、これまでスペースの制約で難しいとされていた携帯電話などモバイル機器への搭載を可能にしたという。

 モバイル機器搭載に向けた技術ポイントは2つ。1つは近赤外光に高い感度を持ち、指静脈パターンを非接触撮影できるフラットセンサを新たに開発し、薄型化に適したモジュール構造に変更したこと。2つ目は太陽光(2万ルクス)などの外光がセンサに当たっても、指静脈パターンの観察への影響を軽減する信号処理技術を取り入れたことだ。

 同社ではモバイル用途への適応を目的としていたため、屋外での使用時に起こりうる外光(太陽光)の影響を考慮した撮影技術にも取り組んだという。

第1回 国際自動車通信技術展、基調講演プログラムが確定

 国際自動車通信技術展実行委員会は8月27日、10月20日から22日の3日間、幕張メッセで開催する国際自動車通信技術展の出展者説明会を改めて開催し、基調講演やカンファレンスの詳細などを説明した。

 国際自動車通信技術展は、大容量化が進む「自動車内のデータ通信」と、LTE(Long Term Evolution)や広帯域無線アクセス(BWA)など、ブロードバンド化が進む「車外のワイヤレス通信」を中心に、自動車業界と通信業界にかかわる多くのプレーヤーを集め、新しいビジネスを創出するような、幅広い関係者の交流の場とする展示会。カンファレンスやプレゼンテーションを重視し、会議室で行う専門的なカンファレンスと、オープン型のプレゼンテーションスペースを用意する。

 今回の説明会では、登壇者がほぼ確定したカンファレンスの詳細についても明らかにされた。10月20日は、通信業界から、NTTドコモ 取締役常務執行役員 研究開発センター所長の小森光修氏、KDDI 取締役執行役員常務/UQコミュニケーションズ 代表取締役社長の田中孝司氏、ソフトバンクモバイル 取締役専務執行役員 兼 CTOの宮川潤一氏らが登壇し、自動車業界と通信業界の融合を見据えた基調講演を行う。

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