さて、携帯電話事業者は自社の店舗をメルボルン市内各地に多数構えているのに対し、WiMAX事業者のVivid Wirelessは実店舗がなく、IT量販店での取り扱いのみとなっている。
メルボルンではDick Smith、Harvey Norman、メルボルン大学の書店などで販売されている。このうち店舗が一番多いのはDick Smithで、繁華街を中心に数店舗がある。
Dick SmithはIT系製品を扱う量販店なので、実はこちらでもTelstraなど携帯各事業者のプリペイド製品を購入することも可能だ。そしてVivid Wirelessの正規代理店でもあるため、店内の携帯電話コーナーには比較的大きめにWiMAX商品が並べられている。
今回はAUD 99(約8700円)のWiMAXルータを購入しようと思ったが、残念なことに訪れた2つの店舗いずれも品切れ中。仕方なくAUD 49(約4300円)USBモデムでがまんすることにする。ともあれ、TelstraやOptusのUSBモデムの半額以下なのはうれしい。初期の利用可能データ量は2Gバイトだ。
製品はHuawei「BM358」だ。WiMAXサービスはSIMカードを使用しないので、機器をPCに差せば“ゼロインストール”でドライバ類がインストールされる。なお、開通作業前からWiMAXの電波を拾い(認証サイトなど、限られたサイトのみ)インターネットに接続される仕組みなので、別にインターネット接続環境がなくてもWiMAXエリアであればその場でオンライン登録が行える(このあたりは日本のWiMAXサービスと同じ仕組みだ)。

購入したWiMAXモデム。Wi-Fiルータは残念ながら今回は品切れであった。Vivid Wirelessは取り扱い店舗が少ないのが残念だ。ノートPCに装着してドライバ類がインストールされれば、このままWiMAX回線に接続してユーザー登録ができる接続まで済み、ブラウザを起動すると登録ページ(captive.vividwireless.com.au/activation)へリダイレクトされる。あとはページに表示される必要項目を埋めていく。今回は新規登録なので「Creative a NEW VIVIDWIRELESS Account」を選択し、メールアドレスとパスワードを入力、次の画面では2つの選択肢があるが、上の「mont-to-month」は月額契約。今回はこれではなく「2.0GB bonus data」を選択する。こちらはプリペイド契約で、USBモデムを購入すると2Gバイト分のデータがボーナスでもらえるのである。
次の画面では氏名などの個人情報を入力していく。ただし携帯番号である「Mobile phone number」欄は海外キャリアの番号ではNGで、オーストラリアキャリアの番号が必要なようだ。オーストラリアの携帯電話番号を持っている人はまれだろうから、Dick SmithでWiMAX端末を買うときにほかの携帯事業者のプリペイドSIMカードを登録用に(あとは、おみやげ的な感覚で)買っておくとよい。AUD 2(約180円)くらいである。すべての登録が終われば「10〜15分で開通する」との表示が出て、利用できるようになる。

WiMAXモデムの接続ソフト。インストール後すぐにネットワークに接続される(画像=左) ブラウザでアクティベーション画面を開く。「Creative a NEW VIVIDWIRELESS Accont」を選択(画像=右)
month to monthは毎月契約。プリペイド利用は下の「2.0GB Bonus Bandle」を選ぶ(画像=左) ユーザー登録画面、携帯電話番号はオーストラリア事業者のもののみを受け付けるようで、そこだけ注意願いたい残高の追加は、管理Webページから自分のアカウントに登録したメールアドレスと自分で設定したパスワードでログインし、画面に表示される中から「Add new voucher」をクリックする。次の画面で、
のプランが表示される。どちらかでよければこのまま進んでもいいが、実はVivid Wirelessにはほかにも多彩なプランがある。
それらを選ぶには、自分のアカウント画面から「My Plan & Usage」→「Add new voucher」と進む。すると、利用可能なデータ量に応じた6つのプラン、
も選択できる。5日以上滞在するなら容量プランにしてもオトクな場合も出てくるだろう。
なお、料金を選択した後の画面には注意が必要。「Auto top Up」(自動残高追加)をチェックしてしまうと、利用残高/有効期限が切れると登録したクレジットカードから自動的に同じプランが継続されてしまう。海外渡航でのプリペイド利用においては自動残高追加は不要と思うので、十分に気を付けてほしい。
ちなみにプリペイドのWi-Fiルータ購入時は無料のデータ利用分は付属してこないようだ。そのためユーザー登録画面では2Gバイトのボーナス表示はされないと思われる。

My Accountページからメールアドレスとパスワードでログイン。画面下の「Add new voucher」をクリックすると次の画面となる(画像=左) 短期滞在に便利な1日定額、7日定額の料金が選択できる。しかし他にも料金プランがあるのだ(画像=右)

いったん「My Plan & Usage」へ移動。画面右に「Add new voucher」が見える(画像=左) ここよりデータ利用量に応じた細かいプランが選択できる(画像=中央) 「Auto top up」はクレジットカードで自動継続される設定。短期の海外旅行・渡航ではおそらく不要なので選択しないようにしようLTEもWiMAXもかなり自由にプリペイドで購入できるメルボルン。日本ではすでにLTE/WiMAXサービスを利用する人は多いと思うが、海外ローミングではまだ現地の4G回線は利用できないこともあり、メルボルンへ訪れるなら、このプリペイド手段をぜひ活用してみてほしい。
山根康宏 :香港在住の携帯電話研究家。一企業の香港駐在員時代に海外携帯電話に興味を持ち、2003年に独立。アジアを中心とした海外の携帯電話市場の状況や海外から見た日本の携帯電話市場についてなど、海外の視点からコラムや記事を日本のメディアに執筆するほか、コンサルティング活動も行う。携帯/SIMカードコレクターとしても知られ、所有する海外端末数は1000台に達した(2012年3月時点)。
オーストラリア渡航時のデータ通信手段確保は、国内のレンタルルータ事業者を利用するのも手軽で便利な手段だ。
海外渡航者向けの海外対応データ通信機器をレンタルできるサービス「グローバルデータ」では、タブレットやスマートフォンなどでも便利に使えるWi-Fiルータ型を980円/日から、Windows/Macで利用できるUSBモデム型を780円/日よりレンタルできる「オーストラリア 定額プラン」(対象国B)を用意する。
レンタル申し込みは同社Webサイトで行える。機器の受け取りは、宅配か空港受取りにて。出発日2日前17時までの申し込み(成田、羽田は申し込み日が平日の場合、前日17時)で、出発当日に成田、羽田、関西国際、中部国際の各空港で受けとることも可能となっている。
次世代PCデータ通信特集
特集:海外旅行出発前に要チェック──「1日数百円から」の海外データ通信、国・地域別の価格一覧
海外プリペイドSIM+無線LANルータ導入マニュアル──「台湾」編
auケータイ向け海外パケット定額、3月にスタート 1日最大2980円で使い放題
ドコモ、「海外パケ・ホーダイ」を9月1日に開始――3月末まで日額最大1480円
1日最大1480円で海外パケット通信が使い放題――ソフトバンクの「海外パケットし放題」
イー・アクセス、1日最大2880円で利用できる「海外データ1日定額」を開始
ソフトバンク、iPhone向けの「海外パケットし放題」アプリを公開
KDDI、8月1日から「海外ダブル定額」対応エリアを拡大 利用可能エリアが114地域に
KDDIの「4G LTE」、ローミング時の「海外ダブル定額」に対応
ドコモ、海外のWi-Fiスポットを利用できる「WORLD WING Wi-Fi」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.