今度のiPodファミリー、何が変わった?A4+iOS 4.1+FaceTime

» 2010年09月02日 09時58分 公開
[ITmedia]

iPodファミリーを一新し、iOS 4.1もリリース

生まれ変わったiPodファミリー

 9月1日、アップルがiPodファミリーをフルモデルチェンジした。最上位モデルとなる「iPod touch」はA4プロセッサに高精細の「Retinaディスプレイ」、2基のカメラを内蔵し「FaceTime」をサポート、iOS 4対応と、iPhone 4に迫る機能やスペックを備えた。また、6代目となるiPod nanoは正方ボディでマルチタッチ操作が可能になり、iPod shuffleはコントロールパッドが復活したりと、同社のスティーブ・ジョブズCEOが「iPod史上、最大のモデルチェンジ」と述べるほど、多彩な内容になっている。

 なお、既存のiPod touchなどソーシャルゲームプラットフォームの「Game Center」を含むiOS 4.1アップデートは来週、iPad/iPhone/iPod touch(一部)向けのiOS 4.2アップデートは11月に配信予定だ(詳細はiOS 4.1アップデートは“来週”配信 iOS 4.2は11月を参照)。

iPhone 4に迫るスペックを獲得した新型iPod touch

 それでは、今回発表された各製品を見ていこう。

 まずiPod touchは、3.5型で960×640ドット表示のRetinaディスプレイにA4プロセッサ、3軸のジャイロセンサー(加速度/環境光センサーも内蔵)に2基のカメラを新たに搭載。内蔵スピーカーやマイクを備え、OSもiOS 4.1に引き上げられるなど、現行のiPhone 4から電話機能とGPS機能を省いた格好だ。ボディは従来モデルからスリムかつ小型、そして軽量化した。具体的なサイズは、従来の61.8(幅)×111(奥行き)×8.5(厚さ)ミリで重量約111グラムから、58.9(幅)×111(奥行き)×7.2(厚さ)ミリで重量約101グラムと、幅が約2.9ミリ、厚さが約1.3ミリ薄くなり、約14グラム軽くなった。スペック面では、無線LANがIEEE802.11b/gからb/g/n対応(nは2.4GHzのみ)になり、再生時間も音楽が30時間から40時間、ビデオが6時間から7時間に延びている。

 ラインアップは8G/32G/64Gバイトの3モデルで、容量以外の仕様は共通化された。価格は8Gバイトのみ値上がりして2万900円(前モデルは1万9800円)、32Gバイトは2万7800円(前モデル2万9800円)、64Gバイトは3万6800円(前モデルは3万9800円)に値下がりした。Apple Storeの出荷予定は2〜3週間となっている。

より薄く、軽くなった新型iPod touch(写真=左)。新iPodファミリーのパッケージ(写真=右)

「iPod touch」をApple Storeで購入する
価格は、8Gバイトが2万900円、32Gバイトが2万900円、64Gバイトが3万6800円。


ビデオカメラとクリックホイールを省いてマルチタッチ操作に対応したiPod nano

 iPod nanoは従来の縦長ボディから、サイズが40.9(幅)×37.5(奥行き)×8.78(厚さ)ミリと正方形に近く、重量も約36.4グラムから約21.1グラムに軽くなった。また、iPod shuffleと同様、背面にクリップを装備した。液晶ディスプレイは2.2型で240×376ドットから1.54型で240×240ドットになり、クリックホイールを省いて新たにマルチタッチ操作が可能になった。ボディはアルミ製で、画面の回転やズーム機能もサポートする。内蔵カメラを省略する一方で加速度センサーとFMラジオ機能を内蔵し、バッテリー駆動時間は24時間の音楽再生を維持している。

 カラーバリエーションは、これまでの7色+Apple Store限定2色から、パープルとイエローがなくなって6色+(PRODUCT)REDという構成になった。ラインアップは8Gバイトと16Gバイトを継承し、価格は8Gバイトが1万3800円(前モデルは1万4800円)、16Gバイトが1万6800円(前モデルは1万7800円)に下がっている。Apple Storeの出荷予定は、7〜10営業日だ。

タッチ操作に対応した新型iPod nano。アプリの追加はできない
正方形ボディでマルチタッチ操作をサポートしたのが特徴だ
カラバリは、App Store限定を含めて全7色となっている

「iPod nano」をApple Storeで購入する
価格は8Gバイトが1万3800円、16Gバイトが1万6800円。


コントロールパッドが復活したiPod shuffle

 シンプルな機能が身上のiPod shuffleは、第2世代iPod shuffleで搭載していたコントロールパッドが復活し、形状も新型iPod nanoのような正方形ボディになった。アルミニウム削りだしボディは健在で、サイズは31.6(幅)×29(奥行き)×8.7(厚さ)ミリ、重量は前モデルの約10.7グラムから約12.5グラムに増加した。

 カラーバリエーションは従来と同じ5色だが、ブラックが省かれてイエローが追加されたほか、App Store限定の光沢スチール仕上げは省かれた。また、バッテリー駆動時間はこれまでの10時間から15時間に延びている。細かいところでは、音量調節が本体で操作できるようになったので、イヤフォンがリモコン付きの「Apple Earphones with Remote」からシンプルな「Apple Earphones」に変更された。

 容量は2Gバイトのみで、価格は4800円(前モデルは5800円)と安くなった。なお、Apple Storeの出荷予定は、5〜7営業日だ。

コントロールパッドが復活して“先祖返り”したiPod shuffle
イヤフォンもシンプルな「Apple Earphones」に変更された
カラーバリエーションは全5色。背面にクリップが用意される

iTunes 10が登場しiPod classicは値下げ、Apple TVは……

iOS 4.2についても言及された

 上記の新型iPodファミリーに合わせて、iTunesも新バージョンの「iTunes 10」が登場した。アイコンがCDのイラストを省いた新タイプになったのに加え、SNS機能の「Ping」をiTunesに内蔵したのがポイントだ。Pingはアーティストやユーザーのページをワンクリックでフォローでき、コメントや写真の投稿やオリジナルのランキングを表示したりできるという。従来「AirTunes」と呼ばれていた機能の拡張版である「AirPlay」にも対応しており、AirPlayをサポートしたスピーカーDockやアンプ、iTunes 10を導入したMacやPCに、無線LANやEthernet経由で音楽、映像、写真をストリーミング配信できる。

 なお、iTunes 10はWindows/Mac版ともに本日中に公開予定だが、原稿執筆時は「iTunes 10。まもなく登場。」のままでダウンロードができなかった。

 そのほかのモデルでは、iPod classic(160Gバイト)が2万4800円から2万2800円に値下げされ、新型Apple TVも投入された。

 新型Apple TVは、ストレージを省いてストリーミング専用のボックスに生まれ変わり、価格も99ドルとグッと手ごろになった。CPUがA4プロセッサに改められ、背面にHDMIや光デジタルの音声出力、Micro USB端子を備えたブラックボディが印象的だ。HD画質のテレビ番組や映画のレンタルもサポートするが、9月出荷予定のうち、日本は対応地域に入っておらず、原稿執筆時はアップル国内のWebページに情報がなく、旧モデルのページにもアクセスできなくなっていた(iPodのページに移動)。

iTunes 10で新たに実装されたPing機能(写真=左)。大幅に小型化したApple TV(写真=右)。日本での展開は、現時点で未定だ

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