第6回 バッテリーが持つスマホは?――26機種のYouTube連続再生/待受テストを実施最新スマートフォン徹底比較(2012年秋冬モデル編)(2/2 ページ)

» 2013年02月05日 17時37分 公開
[田中聡,ITmedia]
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待受テストで24時間放置後の残量をチェック

 続いて、26機種の電源を入れたまま24時間放置した後のバッテリー残量も調べた。こちらは2012年12月下旬12時〜、2日11時46分と21時35分〜、2月1日13時26分〜、2月4日9時15分〜の5回に分けて実施した。通信環境はもちろん、待受時間はバックグラウンドで通信するアプリによっても左右されるので、こちらも一例として参考にしてほしい。

 こちらの条件は以下のとおり。

  • 測定場所は東京都江東区の屋内(YouTubeテストと同じ)。
  • 満充電の状態で計測開始。
  • Androidは「Battery Mix」アプリを使って残量を確認。
  • 端末に保存されているアプリ数はBattery Mixを除き初期状態のまま。
  • Googleアカウントの同期はオンに。
  • GPS、Bluetoothはオフに。
  • Wi-Fiはオンに(自宅にはWi-Fiルーターを設置しており電波が飛んでいるが、テストではアクセスポイントには接続していない)。
  • 基本的にディスプレイは消灯させ、残量確認時のみ点灯させた。
  • auの4G LTEとソフトバンクのSoftBank 4Gはオンにしている(Xiはオフにできないのでオンのまま)。

 YouTubeの再生テストは、いわば水道の蛇口を常に出しっぱなしにして水が尽きるまでの時間を計るようなものだが、待受時の消費電力を調べる今回のテストは、蛇口の水漏れがどれだけあるかを調べるようなものなので、異なる結果になった。

 最も消費電力が少なかったのはau版iPhone 5とPANTONE 6で、24時間でわずか5%しか減らなかった。iPhoneは、Androidよりもバックグラウンドの通信が少ないとされているので、au版iPhone 5の結果は妥当と言えるが、それに並んだPANTONE 6も優秀だろう。しかもBattery Mixアプリを入れている分、条件はiPhone 5よりも不利なはずだ。7%減のOptimus G LGL21、8%減のGALAXY Note IIとXperia AX、10%減の「Optimus LIFE L-02E」も好結果と言える。

 全体では14〜17%ほどの減少を見せた機種が多かったが、「VEGA PTL21」(23%減)、HTC J butterfly(25%減)、ARROWS V(27%減)はやや消費電力の多い結果となった。ARROWS Vが搭載する「Tegra 3」は、負荷の少ない処理を低消費電力で実行する5つ目の“コンパニオンコア”を特長とするが、今回のテストではその実力が発揮されなかったようだ。YouTube再生では1位だったMOTOROLA RAZR Mは15%減と平均的な結果だった。HTC J butterflyは2月1日にテストしたので、月初でバックグラウンドでの通信が増えて消費電力が増したのかと思い、翌2日の16時35分からもテストしたが、24時間後の残量は51%(49%減)でさらに減ってしまった。また、GALAXY Note IIは1月1日21時17分〜のテストでは(24時間後の)残量が85%(15%減)だったが、2月4日21時15分〜のテストでは残量が92%(8%減)だった。2回テストする機会のあったGALAXY Note IIとHTC J butterflyについては、好結果だった数字を表とグラフに入れているが、測定日によって結果が変わりやすいことは留意しておきたい。

photophoto 左が2月1日13時26分〜、右が2月2日16時35分〜に実施したHTC J butterflyのテスト結果。端末の設定は一切変えていないが、なぜか後者の方がバッテリーの減りが激しくなっている

 キャリア違いの兄弟機は、Optimus GはL-01E、XperiaはXperia AXの方がYouTubeテストに引き続き好結果だったが、GALAXY S III兄弟はYouTubeテストとは反対にα(15%減)がProgre(17%減)を上回った。予想以上に差が開いてしまったのがiPhone 5で、au版の5%に対し、ソフトバンク版は41%も減少した。SoftBank 4G LTEの環境は極めて良好なのだが、原因は不明だ。こちらのテスト記事でも触れているが、テストを行った筆者宅(今回も同じ)以外では、auとソフトバンク版で大差ない消費電力なので、筆者宅でソフトバンク版iPhone 5が不必要に通信をしてしまう要因があるのかもしれない。

photo 今回テストした24時間放置後のバッテリー減量の少ない順にグラフにまとめた

待受テストの結果
12時間後 24時間後 バッテリー消費量
ARROWS Kiss F-03E 95% 86% 14%
ARROWS V F-04E 87% 73% 27%
Ascend HW-01E 93% 81% 19%
Optimus G L-01E 94% 86% 14%
Optimus LIFE L-02E 98% 90% 10%
MEDIAS U N-02E 100% 85% 15%
Disney Mobile on docomo N-03E 92% 82% 18%
GALAXY Note II SC-02E 95% 85% 15%
GALAXY S III α SC-03E 92% 85% 15%
AQUOS PHONE si SH-01E 95% 85% 15%
AQUOS PHONE ZETA SH-02E 93% 86% 14%
Xperia AX SO-01E 98% 92% 8%
G'zOne TYPE-L CAL21 95% 85% 15%
ARROWS ef FJL21 94% 87% 13%
HTC J butterfly HTL21 94% 75% 25%
DIGNO S KYL21 95% 88% 12%
Optimus G LGL21 99% 93% 7%
VEGA PTL21 89% 77% 23%
GALAXY S III Progre SCL21 91% 83% 17%
AQUOS PHONE SERIE SHL21 85% 82% 18%
Xperia VL SOL21 94% 84% 16%
iPhone 5(au版) 99% 95% 5%
STREAM 201HW 94% 87% 13%
MOTOROLA RAZR M 201M 92% 85% 15%
PANTONE 6 200SH 98% 95% 5%
iPhone 5(ソフトバンク版) 82% 59% 41%


 2つのテストを通じて、どちらも好成績を収めたのがPANTONE 6(YouTubeテストが3位、待受テストが1位)だ。同じシャープ製ならIGZOを搭載したAQUOS PHONE ZETAの方がバッテリーが持ちそうなイメージがあるが、今回のテストではPANTONE 6が上回る結果となった。もちろんテスト環境や内容によって結果が変わる可能性は大いにあるが、1つの参考になれば幸いだ。

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