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» 2009年10月01日 17時17分 公開

Windows 7にNetbook、PCの今後はどうなる!?座談会 前編(3/3 ページ)

[ITmedia]
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VAIO Wは年齢を問わないNetbook!?

VAIOシリーズ“初”のNetbook「VAIO W」

田中 Netbookを実際使ってみると、やっぱり画面の広さは1366×768ドットは欲しいなと感じるんですよね。最近では、日本ヒューレット・パッカードのHP Mini 21405101、ソニーのVAIO Wなどがそれに該当していて、持ってもいいなぁという製品が出てきた。

元麻布 僕は8型ワイドで1600×768ドット表示に対応したVAIO type Pより、10.1型ワイドで1366×768ドット表示のVAIO Wを選ぶ。type P選ぶ人の気持ちも分かるけれど、僕はこっちを選ぶな。

長濱 type Pは閉じてる時はすごく欲しいPCなんです。閉じていてカバンに入れてる時はとてもいいPCなんですけど、開いた途端につらいPCになっちゃうんですよ。乗り物で打ってる時もどんどん気持ち悪くなってきちゃって。

田中 年齢を選ぶというか、解像度を低くして表示を大きくしないと気軽に使えないんですよね。

長濱 文字を大きくしてもタスクバーの細さとか変わらないんですよ。結局、文字が小さすぎるうえにポインターを指定するときに気持ち悪くなってきちゃって。ところがVAIO Wだとそれがなかった。

元麻布 普通にできるんですよ。

長濱 数字だけ突き詰めた製品は人を選ぶなぁ、というのが分かりましたね。

田中 ソニーがVAIO Wを出したのは、やっぱりNetbookという市場の中にソニー製品がなかった。VAIOシリーズがなかったわけです。それが1番大きかったと思うんですよね。

イー・モバイルがNetbookのシェア獲得に貢献した!?

Netbookとイー・モバイルのセット販売がシェア上昇に大きく貢献した(画面はソフマップドットコム)

磯貝 僕はNetbookを1台買うか、メガネを新調するかでメガネを選んだ人間ですが、Netbookは爆発的に広がっているのですか?

元麻布 1年でノートPCのシェアの30%を獲得したというのは爆発的です。ここ10年、なかった出来事だと思います。

田中 台数的には革命的に多いですよね。

松尾 その30%のシェアを、うまく利用したアプリケーションなり、サービスなりが出てきてないのが問題かなぁと思うんですが。

田中 市販されるソフトウェアのメディアが、USBに一気に変わったってのが、1つありますけどね。今まで光学メディアだったのが、多少値段が高くてもUSBで。Netbookがなければそこまで一気にシフトしなかったと思います。

 もう1つは、データ通信カードに火がついたのはNetbookからですよ、間違いなく。そういう意味では経済的にいろんなところに影響を与えたという意味では、興味深い製品ですね。

磯貝 データ通信カードが主で副がNetbook? Netbookとデータ通信、どちらが手段なんですか?

田中:Netbookは主です。ネットにつながってて、持ち歩けるものは前から需要あったんですけれど、ネットにつながってるっていう重要性に気づかせてくれたというか、どこでもインターネットできる便利さが手軽な価格で実現できるようになったとか、そういう部分ですごく恩恵があったのかな。5万円でパソコンが買えるのに、データ通信カードに1万5000円とかかけて、通信料が月に何万円もするってのはおかしいじゃないですか。というところから、イー・モバイルが月5000円とか6000円でできるようになって、みんな飛びついたというのがあるのでは。単に分割払いなんですけど、ユーザーから見ると100円でPCが買えるというのが大きかった。

磯貝 製品とか機能とかよりも、マーケティングってことになりますか?

元麻布 でも、そのマーケティングできるような端末がPCの中にこれまではなかったんです。

長濱 日本は少し特殊な事情で市場が広まった、というのはあるのかもしれませんね。100円っていうアピールと、キャリアとも一緒になったプロモーションで。

CULV搭載PCとNetbookの競合はどうなるのか?

長濱 CULVを搭載したPCと、Netbookの競合ってどうなんでしょうね。

元麻布 価格でしょう。

長濱 勝つのはやっぱりNetbookですかね。

元麻布 現時点では分からないですね。

長濱 パフォーマンスで訴求できないとなると、CULVですら勝てなくなっちゃうんですよね。

元麻布 そこにどのくらいの価値を見いだせるかでしょ? そうすると、2台目の人は分かるけど、1台目の人は分からないかもしれないですよね。

田中 CPUにCore 2 Soloを搭載したPCが出てきちゃってますもんね。

元麻布 Core 2 Soloだと微妙になってきますけどね。

田中 Core 2 SoloではCore 2 Duoに比べて2万安いんですけど、いくらかはまだ高い。

元麻布 後はCULVを載せたPCのチップセット、新しいからグラフィックス回りはいいですよね。Intel GM945 Expressチップセットならば、Blu-ray Discも再生できるし、HDMI端子とかも標準でサポートするし。その辺も初めて買う人はHDMIとか何のことか分からないだろうか……。

田中 そうですね。それはだいぶ違いますね。

長濱 ただ、PCベンダーに話を聞くと、新しいチップセットにせよ、Blu-ray Discの再生が可能なBD-ROMドライブにせよ、価格に跳ね返ってしまうというんですよ。エンドユーザーにやらせたいことがあるんだけど、価格がネックになっちゃって、隠しておかなきゃいけない。製品には組み込めないっていうのがあるんです。ほんとに訴求できなくて、もったいないのですが。

元麻布 その辺はアップルはうまいですよね。

田中 こういう人はこのモデルを買えって決まってますから。

元麻布 その辺の持っていきかたも上手だし、理論武装の仕方もうまいし、アップルそれはとても上手。だけど、PCメーカーって、どうもその辺はうまくない気がする。現実と理想のせめぎあいで、現実に負けることが多い気がする。価格っていうのは一番大きな現実なんで。

MSIのCULV搭載スリムノートPC「X-Slim X400」(写真=左)。AMDのYukonプラットフォームを採用した低価格ノートPC「HP Pavilion Notebook PC dv2」(写真=右)。全モデルで外付けGPUを内蔵しているが、BD-ROMドライブは別売だ

田中 ただ、ここにきてNetbookの勢いも小休止というか、さすがにかげりが見えてきましたよね。

長濱 そうなってくると、Netbookは今までは安くセットで、大量のプロモーションができた商材はあったんですけど、それがなくなっちゃうんですよ、これから。そういった場合に、どういった売り方をしてくるか。少なくとも見た目で100円ってのが売れなくなってきてるのかもしれないし。そういう意味では2009年の後半で、Netbookってどういう風に変わってくるのかなぁって、非常に注意して見ていきたいですね。

元麻布 Windows 7がらみだろうな、きっと。7でそういう弱点だとか問題点を一時的にであれ、覆い隠しちゃうだろうし。新しいOSなんて何年かに1回しか来ない“台風”なんで、実際の問題は先延ばしされちゃうかもしれませんね。

田中 逆にそこで、もうNetbook旋風は止まるって見解を出す人もいます。

長濱 OSと同じなんですけど、XPがなくなっちゃうのと同じで、Netbookを買いたいんだけど、Atomを載ってるノートPCがないからCULVのノートPCを買うかとか。

元麻布 そもそもAtomが欲しいっていうシチュエーションがあるの?

田中 値段とかバッテリーの駆動時間だけでしょうかね。

長濱 パッとしないけれど、7万円台のしかないよなー、とか。

元麻布 積極的にAtomを買いたいというモチベーションはないんだけどな。

長濱 やっぱり5万円切るとか、そういったところですよね。

田中 冷静に考えれば、Netbookに比べてサイズが大きくて重くはなるけれど、現状でもCeleron搭載PCならば4万円くらいで購入できるノートPCがあるわけで。今後はCULVやAMDの低価格ミニノートPCプラットフォームを採用した製品が続々と出てきますし。10万円以下のこのジャンルは、しばらく目が離せそうにないですね。PC USERでも、精力的にウォッチしていきたいと考えています。

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