ベンチマークテストで振り返る2012年のCPUとGPUイマドキのイタモノ(3/3 ページ)

» 2012年12月31日 12時31分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]
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誰もが使える簡易水冷の時代と、コンパクトな自作PCというトレンド

 2012年のイマイタレビューでは、簡易水冷キットやコンパクトな自作PCなども取り上げた。AMDがFXシリーズで、インテルがLGA2011対応モデルで、ともにオプションという形ながら水冷キットを純正クーラーユニットとして取り扱いを2011年から始めている。イマイタレビューでは、水冷メーカーとして経験が長いサーマルテイクの「Water 2.0 Extreme」をピックアップした。240ミリ径サイズで、それも厚みのあるタイプのラジエータに120ミリ径ファンを2基、あるいは4基搭載できる強力モデルだ。ベンチマークテストでは、リテールクーラーユニットと比べて20度近く冷え、同時に、高負荷時に限ればリテールクーラーユニットより静音化できることも確認できた。

 ただし、簡易水冷キットは大型空冷クーラーユニットほどの冷却性能があるわけではない。むしろ、CPUソケット周辺スペースを占有しないことがメリットとなる。LGA2011対応のCPUでは、CPUソケットの左右にメモリがあるため、幅の広い空冷ユニットは干渉する場合がある。一方、簡易水冷キットならポンプ一体型ヘッドを装着するだけで、メモリや拡張スロットとの干渉はまず起きない。ラジエータをどこに装着するか、という問題はあるものの、PCケース側ではすでに簡易水冷キットの装着を考慮したものが登場してきている。

 また、簡易水冷キットのコンパクトさを最大限生かして、Shuttleのキューブベアボーンへの組み込みも検証してみた。キューブベアボーンは、ボディがコンパクトで中身もぎっしりと詰まっているだけに、冷却は難しい。Shuttleのキューブベアボーンも、それ以前では専用クーラーユニットを想定して設計していたが、「SZ77R5」ではATXマザーボードと同じリテンションホールを採用し、市販クーラーが装着できるようになった。ただ、キューブベアボーンの内部に大きな空冷ユニットは組み込むことができないため、試してみたのがサイズの9センチ系ラジエータの「APSALUS2-90」だった。検証では、CPUにCore i7-3770K、合わせてGeForce GTX 680も組み込み、ゲームPCと呼べるスペックのキューブPCに仕上げ、内部温度や動作音に関しても安全、納得できる範囲に留めることに成功した。

中身がぎっしり詰まったShuttleの「SZ77R5」に水冷キット「APSALUS2-90」と9センチ径ファンのGELID 「Silent PWM」を組み込んで、内部の温度変化を空冷ユニットと比べてみた


 自作PC市場は、縮小傾向にあるといわれる。しかし、誰もが組み込める簡易水冷キットのように組み立てやすさ、そしてコンパクトなPCがデザイン性を高めることで、新たな潮流ができれば、ここで自作PCにチャレンジしてみようという新たなユーザーも生まれるはずだ。大きな動きのあった2012年、一方で2013年はこれを熟成する年になるだろう。2012年に生まれた新たなトレンドがどのように製品に反映されていくのか、2013年に新たに登場するトレンドと合わせて、「自作の楽しみ」が増えていくことを期待したい。

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