「もしもし、竹下? 久しぶり。急で悪いけど、近々飲みに行かない?」
「ああ、金田? 久しぶりだね。どうしてるの?」
「それがねえ。禁煙始めたんだ」
「え? お前が? それは無理だろう」
「いやいや、大丈夫。なんなら俺の目の前で吸ってもぜんぜん構わないんだけど」
「いつからやってるの」
「それが実は今日からなんだけど」
「え? マジ!? じゃあ、青木や高田も誘うよ」
ヘビースモーカーばかりだ。しめしめ、こちらから誘う手間が省けた。
「じゃあ、俺は比較的暇だから、君らに合わせるよ。決まったら電話して」
30分後、竹下から折り返しがあった。明後日にでも行こうと言う。
たぶんみんなで俺の禁煙をぶち壊そうと、あえて禁煙が失敗しやすいと言われる3日目に設定したんだろう。望むところだ。
9月3日。4人で新宿駅に程近いチェーンの居酒屋で飲んだ。
思ったとおり、みんなスパスパ必要以上にタバコを吸う。竹下などはセブンスターを3箱、テーブルの上に置きっぱなしだ。それがみるみる減っていく。
「ああ、やっぱり飲みながら吸うのは最高だなあ」
「金田、本当に吸わないの」
「ああ、なんならタバコの煙を吹きかけてもいいんだぜ」
高田が、本当にやりやがった。普通やらねえぞ、そんなこと。でも、俺はニコニコしていた。
本当に吸う気が起こらなかったんだ。青木が盛んに勧めてくるが、俺はやんわりと断った。やつらは終電近くまで粘って、なんとか俺にタバコを吸わそうとしたが、俺はずっと断り続けた。だって本当に要らないんだもん。
俺はどうやら禁煙に成功したようだ。子供の頃から親にやればできる子なのに……って言われ続けてきたが、何もできなかった俺。でも、本当にやればできるじゃん!
著者・森川滋之が、あの「吉田和人」のモデルである吉見範一氏と新規開拓営業の決定版と言える営業法を開発しました。3時間で打ち手が分かるYM式クロスSWOT分析と、3週間で手応えがある自分軸マーケティングと、3カ月で成果の出る集客ノウハウをまとめた連続メール講座(無料)をまずお読みください。確信を持って行動し始めたい方のためのセミナーはこちらです。
ITブレークスルー代表取締役。1987年から2004年まで、大手システムインテグレーターにてSE、SEマネージャーを経験。20以上のプロジェクトのプロジェクトリーダー、マネージャーを歴任。最後の1年半は営業企画部でマーケティングや社内SFAの導入を経験。2004年転職し、PMツールの専門会社で営業を経験。2005年独立し、複数のユーザー企業でのITコンサルタントを歴任する。
奇跡の無名人シリーズ「震えるひざを押さえつけ」「大口兄弟の伝説」の主人公のモデルである吉見範一氏と知り合ってからは、「多くの会社に虐げられている営業マンを救いたい」という彼のミッションに共鳴し、彼のセミナーのプロデュースも手がけるようになる。
現在は、セミナーと執筆を主な仕事とし、すべてのビジネスパーソンが肩肘張らずに生きていける精神的に幸福な世の中の実現に貢献することを目指している。
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