こんなボタンがなぜ押せない?518日間のはい上がり(2/2 ページ)

» 2010年12月09日 11時00分 公開
[森川滋之,Business Media 誠]
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 俺は、さっそくまがまがのホームページに行ってみた。バックナンバーが読めるようなので、いくつか発行部数が多いのを、いくつか見てみることにした。正直、なんでこんなものを何万人もの人が読んでいるのか、さっぱり分からないものもあったが、なんとなくパターンが見えてきた。

 例えば、本の書評を書いているメルマガだ。読んだ本について、さわりを紹介し、ランクなどを出している。興味をひかれる本があれば当然買いたくなる。すると電子書店へのリンクがある。そのリンクから本を買うと、どうやらメルマガ発行者にお金が入るようだ。こういうのをアフリエイトと呼ぶらしい。

 アフリエイトではないメルマガもある。この場合は、情報商材そのもののサイトにリンクしていることが多い。中には、セミナーなどの告知ページにリンクしている例もあった。

 要するに、メルマガからリンクをクリックしてもらうと商品サイトに飛ぶというのがパターンのようだ。とはいえ、ただ宣伝用のメルマガを作っても、誰も読者登録してくれない。そこで、一定数の読者を確保するために、いろいろな手を打っているようなんだ。

 例えば、プレゼントで釣るパターンもある。また、まがまが自体が有料の読者獲得メニューも用意している。質のいい情報を提供することで、読者を獲得している人もいる。俺の場合、プレゼントを用意する金も読者獲得メニューに申し込む金ももったいないので、質のいい情報を提供することで頑張るしかないようだ。

 そういう意味では、教材を作ってよかったと思う。自分自身では質のいい教材だと思っているし、実際に質が良いのか悪いのかを、メルマガで無料で試せるということだ。少なくとも来年タバコが値上がりするということでタバコをやめたい人間は一定数いるはず。その人たちにとって、無理せずタバコがやめられる教材は、ほしいものに決まっている。

 よしやってみようと思ったのだが、ちょっと待て。メルマガで無料でやり方を公開してしまったら、教材は売れないんじゃないの? これはこれで難問のようだ。

 とりあえず、情報商材で実績のありそうなメルマガを片っ端からとってみることにした。1週間ぐらい読み続けて分かったことは、別にノウハウを公開してもいいんじゃないかということだった。人によっていろんなやり方があるが、メルマガをまとめたものに、何らかのプラスアルファをつければ、それでいいようだ。

 バックナンバーをすべて公開しているメルマガもあったので、順を追って読んでみたが、たぶん商材を買ってもこれ以上のことは書いてないだろうと思われた。それぐらいまとめて読むと、充実した内容が書かれている。ただ、全体を通して読まないとよく分からないようになっている。そして、全体を読む人は、あまりいないようだ。

 いちおう確認したほうが良いと思ったので、5000円ぐらいの商材を1つ買ってみることにした。さすがにこのぐらいの先行投資は必要だろう。

 せっかくなら役に立ちそうなものにしよう。正直『95%の成功率!狙った女の口説き方』という商材が気になったが、どうせならネットビジネス関連にしようと思った。ずばり『元手ゼロで情報商材がバンバン売れる法』というのを買うことにした。

 数日後、購入した商材が届いたので、メルマガのバックナンバーと合わせて読んでみた。やっぱり俺の仮説は正しいようだ。というか商材のほうにも、もろにそう書いてあった。メルマガの内容をまとめるだけで売れる。ただし、ワークシートだとか記入用カードだとかサンプルだとかそういうものをつけれなければならない。それからアンケートが重要であり、メルマガには、途中からは実践者の声を載せるようにしろと。

 なるほど。ということは、俺が先月死ぬ思いで作った教材を、そのままメルマガの内容として、小出しにしていけばいいということだ。よしよし。で、ある程度売れたら、実践記録を載せていけば、それを読んだ人が買ってくれるということなんだな。

 メルマガのヘッダーや毎回のタイトルのつけ方などについても書いてあったので、それを参考にとりあえず創刊号のコンテンツを作ってみた。何回も書き直したが、ようやくこれならいけそうな気がするものができた。

 俺は深呼吸をしてから、まがまがのホームページに行った。「新規メルマガ登録」というボタンがあるのでクリックする。 メルマガのタイトルや発行者の情報を入れるページが出てきた。

 ん? メルマガのタイトル? ロクに考えてなかった。まあいい。とりあえず入れてみよう。 名前は本名じゃないほうがいいんだろうか?迷ったけど、とりあえず本名で文字だけ変えてみた。「兼田孝夫」と。

 審査があるので、創刊号のコンテンツを入れろとある。え? 審査? そんなのあるの? とりあえず、コンテンツの記入欄に創刊号の内容をコピペした。あとは、登録申請というボタンをクリックするだけだ。

 でも、ダメ。どうしてもクリックできない。手が震えてきた。そのうちひざもガクガクしてきた。なんでだよう、何でこの程度の勇気が持てないんだ? 結局1時間の間PCの前に座っていたが、クリックできなかった。今日はあきらめよう。この原因が分かるまでは、クリックできそうにない。

著者が提唱する「333営業法」とは?

 著者・森川滋之が、あの「吉田和人」のモデルである吉見範一氏と新規開拓営業の決定版と言える営業法を開発しました。3時間で打ち手が分かるYM式クロスSWOT分析と、3週間で手応えがある自分軸マーケティングと、3カ月で成果の出る集客ノウハウをまとめた連続メール講座(無料)をまずお読みください。確信を持って行動し始めたい方のためのセミナーはこちらです。

著者紹介 森川滋之(もりかわ・しげゆき)

 ITブレークスルー代表取締役。1987年から2004年まで、大手システムインテグレーターにてSE、SEマネージャーを経験。20以上のプロジェクトのプロジェクトリーダー、マネージャーを歴任。最後の1年半は営業企画部でマーケティングや社内SFAの導入を経験。2004年転職し、PMツールの専門会社で営業を経験。2005年独立し、複数のユーザー企業でのITコンサルタントを歴任する。

 奇跡の無名人シリーズ「震えるひざを押さえつけ」「大口兄弟の伝説」の主人公のモデルである吉見範一氏と知り合ってからは、「多くの会社に虐げられている営業マンを救いたい」という彼のミッションに共鳴し、彼のセミナーのプロデュースも手がけるようになる。

 現在は、セミナーと執筆を主な仕事とし、すべてのビジネスパーソンが肩肘張らずに生きていける精神的に幸福な世の中の実現に貢献することを目指している。


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