海外プリペイドSIM導入マニュアル──「ラオス・ビエンチャン2013年」編「1日定額65円!」な海外定額データ通信(3/3 ページ)

» 2013年05月23日 10時00分 公開
[山根康宏,ITmedia]
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使いやすいUnitel、だがデータプランは端末依存

UnitelプリペイドSIMカードのAPN設定
APN unitel3g
ユーザー名 mms
パスワード mms

 もう1つ、空港でも購入できる“はず”だったUnitelのプリペイドSIMカードも買おう。こちらは前述したタラートサオで改めて購入した。所持するSIMロックフリーのスマートフォンにSIMカードを入れ、スマートフォンのテザリング機能により、PCでもインターネット通信を共有したい人に向く使い方だ。

 UnitelのプリペイドSIMカードは複数の種類があるが、短期利用でいわば使い捨てにするなら基本的にどれを買っても料金はほぼ同じだ。一応、SIMカード購入時にバウチャーも買っておくことはお忘れなく。


photophoto UnitelのプリペイドSIMカードと残高追加バウチャー(写真は2万キップ分)。SIMロックフリーのスマートフォンがあれば万能に使える。写真はイー・アクセスのSIMロックフリースマートフォン「Sony Ericsson mini(S51SE)

 起動後、次の流れで利用開始登録を行う。

  • 1.「121」へ電話発信し、自動音声案内の指示に従って言語を英語にする
  • 2.「*122#」に電話発信し、念のため残高を確認。SIMカード製品によっては開通ボーナスが付く場合もある
  • 3.3Gデータ通信を利用できるようにするコマンドを入力。「209」宛てに「3G」と記入したSMSを送信する
  • 4.利用したいデータプランに応じて残高を追加する。「*121*バウチャー番号#」(例*121*11111111#)と電話発信
  • 5.端末のデータ通信機能を「オフ」にする
  • 6.APN設定を行う

 通信設定のためのAPN文字列は上記の通り。ただし、ここではまだデータ通信はオフのままにしておく。

photophoto 開通後は残高の確認もしておこう(画像=左)。SMSでのコマンド文字列送信で3Gデータ通信を利用できるようにする(画像=右)
photophoto バウチャーでの残高追加もここで行っておくとよい(画像=左)。APNを設定するが、前もって「データ通信はオフ」にしておこう(画像=右)

 データ通信をひとまずオフにしておいたのは、APNを設定が済むとすぐにインターネットに接続され、“従量料金”でデータ通信が始まってしまうため。データ通信はデータ割引プランの申請が済んでからオンにするわけだ。

 Unitelのデータ割引プランはスマートフォン向けとUSBモデム/Wi-Fiルータのデータ端末向けの2タイプがある。申請は電話番号「209」に、各プランの申請コマンドを送信すれば完了だ。

Unitelのプリペイドデータ定額プラン(スマホ向け)
コマンド 価格 有効期間/有効データ通信量
MI5 5000キップ(約67円) 1日/100Mバイト
MI10 1万キップ(約133円) 1週間/220Mバイト
MI40 4万キップ(約535円) 1カ月/1Gバイト
MI100 10万キップ(約1339円) 1カ月/2.5Gバイト
(取材時/2013年4月時点の情報となります)
Unitelのプリペイドデータ定額プラン(データ通信端末向け)
コマンド 価格 有効期間/有効データ通信量
LTU5 5000キップ(約67円) 1日/800Mバイト
LTU120 12万キップ(約1607円) 1週間/3Gバイト
LTU200 20万キップ(約2678円) 1カ月定額
LT50 5万キップ(約669円) 1カ月/5Gバイト
(取材時/2013年4月時点の情報となります)

 両者を比較すると、データ通信端末向けプランのほうがお得な傾向だ。……ただ、スマートフォンでデータ通信端末向けプランを申請してみると、この端末では不可との返答が戻ってくる。どうやらデータ端末向けプランは、USBモデムの接続ソフトからSMS送信しなくてはならないようである。Beelineは店員が普通の携帯電話からデータプランの申請を行ってくれたが、Unitelの場合は使用する端末の判断がきっちりとされているようである。

photophoto データ定額プランの申請をSMSで行う。データ通信端末向けプランは……スマホでは残念ながら申請しても通らなかった

 それでも1Gバイトまで利用でき、500円程度でたいていの渡航滞在期間全日をカバーできるなら十分低価格だ。テザリング機能の利用ももちろん問題なく行える。市内をざっと回ってみたところ、電波状況はBeelineよりUnitelのほうがよいように感じられた。

 ビエンチャンは市内がほどよく狭いので、ショッピングモールのタラートサオへ行けばひとまず全てがそろう。そのため、プリペイドSIMカードを求めてあちこちさまよい歩く必要がないのはとても楽だった。

 このほか、各社のプリペイドSIMカードをが意外渡航者も比較的ラクに入手でき、3Gエリアも広めでそこそこ高速。ビエンチャンのんびりのどかな街並みに対し、意外に……しっかりと快適なプリペイドデータ通信環境が得られたのは予想外だった。ラオス渡航時は参考にしてほしい。


photo

山根康宏 :香港在住の携帯電話研究家。一企業の香港駐在員時代に海外携帯電話に興味を持ち、2003年に独立。アジアを中心とした海外の携帯電話市場の状況や海外から見た日本の携帯電話市場についてなど、海外の視点からコラムや記事を日本のメディアに執筆するほか、コンサルティング活動も行う。携帯/SIMカードコレクターとしても知られ、所有する海外端末数は1100台以上(2013年5月時点)。




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