よっしゃ! 人生逆転……と思ったら518日間のはい上がり(2/2 ページ)

» 2011年08月26日 08時30分 公開
[森川滋之,Business Media 誠]
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 ただ、金はない。前にやった皮算用では、とりあえず100部作成しようということだった。これで製作費が5万円。ここまではなんとかなる。

 注文の受付は、アンケートのときに知った、無料フォームを使えばいい。これはただで作れる。決済はどうしよう。これはよく分からないのでネットでいろいろと調べてみた。カードで決済するとなると、それなりの投資が必要になるようだ。電子マネーも同様だ。宅配便による料金代引が簡単なようだが、宅配便の送料と手数料がかかる。お金がかからないとなると銀行振込だ。当面はこれでいこう。

 技術的、金銭的関門はないようだ。とにかくやってみよう。俺は、申し込みフォームと自動返信メールを作成した。自動返信メールには、振込先と振込確認後、3日以内に郵送すると書いた。

 次回のメルマガ発行日は、1月27日。教材を販売したことを書こう。それだけでなく、教材を販売する思い、読者の役に立ちたいという思いを書こう。できれば、宣伝と思われないように書こう。――我ながら、いい文面になったと思う。はたして、どれだけ申し込みがくるだろうか?

 1月27日、メルマガ発行後。冬なのに、俺は汗をかいていた。あきらかに緊張している。時期尚早だったかな、出さなきゃよかったかな……。こんなネガティブな思いでいっぱいになっていた。

 でも、後悔とは少し違う。これはやらなければいけないことだったんだ。だから、単にそういう感情が起こっているだけなんだ。俺は、自分にそう言い聞かせた。5分経ったが、申し込みメールは、こない。

 あ、そうか。読む時間と決心する時間の両方が必要だよな。俺は、ちょっと席を外した。すると急に胃袋から音がした。腹が減ってたんだ……。食事を済ませて、メールソフトを見た。

 あった! 受信1件! 間違いない、表題は「禁煙教材申し込み」だった。俺の作った教材が売れたんだ!涙が出た。気づいたら、号泣していた。号泣するほどの感動が収まったあと、俺は考えた。これは、幸先良くないか?

 1時間も経たないうちに申し込みが1件。1時間に1件の申し込みでも、月700件以上じゃないか! 7500円だから、月だと、ええっと……。電卓はどこだ?

 机の中から電卓を引きずり出して、計算した。ん? 525万円!

 桁を間違えていないか、何度も確認した。間違いない。月500万円以上の売り上げだ!

 よっしゃあああ! 人生逆転だああああああ〜! のちにかみさんに聞いたところ、俺はこのとおりに叫んでいたらしい。もちろん、かみさんは無視……。そのときの俺は、これだけがんばったんだもん、当然だと思っていた。話半分でも月250万円だしな、という変な冷静さもあったりした。

 今考えると、あんなもの努力のうちに入らないよなあ。世の中、ぜんぜん甘くなかったんだ。次に注文が来たのは1カ月後。話半分の月250万円にもほど遠かった。

 売り上げは、1カ月で7500円――。これが現実だったんだ。

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著者紹介 森川滋之(もりかわ・しげゆき)

 ITブレークスルー代表取締役。1987年から2004年まで、大手システムインテグレーターにてSE、SEマネージャーを経験。20以上のプロジェクトのプロジェクトリーダー、マネージャーを歴任。最後の1年半は営業企画部でマーケティングや社内SFAの導入を経験。2004年転職し、PMツールの専門会社で営業を経験。2005年独立し、複数のユーザー企業でのITコンサルタントを歴任する。

 奇跡の無名人シリーズ「震えるひざを押さえつけ」「大口兄弟の伝説」の主人公のモデルである吉見範一氏と知り合ってからは、「多くの会社に虐げられている営業マンを救いたい」という彼のミッションに共鳴し、彼のセミナーのプロデュースも手がけるようになる。

 現在は、セミナーと執筆を主な仕事とし、すべてのビジネスパーソンが肩肘張らずに生きていける精神的に幸福な世の中の実現に貢献することを目指している。


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