海外プリペイドSIM+無線LANルータ導入マニュアル──「中国・北京」編「北京のアキバ(?)」で買う海外定額データ通信(2/2 ページ)

» 2011年08月17日 17時00分 公開
[山根康宏,ITmedia]
前のページへ 1|2       
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

「中関村」でUSBモデムセットを購入

 中関村駅を出れば、いきなりPCやらIT関連の大型ビルが多数並ぶ。いろいろスゴイ街だ。さておき、ここの中国聯通店舗で無事USBモデムとSIMカードのセットを購入できた(在庫も多数)。このほか、コンピュータ系各ビルの2階に「上網カード」と看板を掲げた店舗が多数あり、こちらでもUSBモデムやSIMカードが購入できる。コンピュータビルでは身分証明書不要で購入できたのだが、あとから自分で再登録が必要なようだ。

photophoto 北京のアキバなどと例えられる中関村。中国聯通の営業所もある
photophoto コンピュータビル内の「モデム屋」。3事業者それぞれのUSBモデムとSIMカードが、ドワワッと販売されている

 今回購入したのはHuawei製のW-CDMA(3G)対応USBモデムと、中国全土で半年間/3Gバイト分利用できるプリペイドSIMカードのセットパッケージだ。価格は540人民元(SIMカードが300人民元=約3600円、USBモデムが240人民元=約2900円)だった。ほかにも600人民元(約7200円)で1年間/6Gバイト分使用できるSIMカードや、北京市内だけ利用可能とするエリア制限付きで、やや安価とする製品もあった。こちらは自分の利用実態に応じて種類を確認するとよいだろう。

 ただし、中関村の各店舗は英語のできる店員が少なく、原則として中国語の会話が必要になる。筆談や身振り手振りでもなんとか通じるが、やはり空港の店舗で常時在庫を持って販売してくれたほうがありがたいところである。

photophoto 購入したUSBモデムとSIMカードのセットパッケージ。USBモデムはUSB端子を収納できるHuawei製だ
photo PCに差すとこんな感じ。黄色いボディのUSBモデム、日本ではなかなかない色だ

 USBモデムはWindows PCへのUSB接続でドライバと接続ソフトウェアのインストールが始まる、いわゆる“ゼロインストール”と呼ばれる仕様だ。ソフトウェアは英語UIも選択できる。画面上にアンテナマークが立ち、中国聯通の表示が出たら、これで接続OKである。切断するたびにSMSで接続セッションの利用容量と残りの利用可能容量が送られてくるので、あとどれくらい利用できるかも簡単に分かる。

photophotophoto 「Connection」ボタンで接続。切断するとSMSで利用実績と利用可能な残高情報が送られてくる


 他国と同様に、中国でもUSBモデムとプリペイドSIMカードは比較的容易に購入できる。

 ただし知っている人も多いと思うが、海外の一部のSNSサービスやBlogサービスには中国の事業者回線経由ではアクセスできない。例えばFacebookやTwitter、日本の一部ブログ/SNSサービスなどが挙げられる。プライベートでこれらのサービスを利用するには、日本の携帯回線の国際ローミングを併用するか、海外のVPNサーバなどを利用する必要があることには少し注意したい。

 ともあれ情報検索や地図の閲覧、中国内の動画サービスなどは問題なく利用できる。若干利用に不便を強いる可能性があるのは残念だが、現地に行ったら、現地ならではの安価な方法を活用しない手はないのである。


photo

山根康宏 :香港在住の携帯電話研究家。一企業の香港駐在員時代に海外携帯電話に興味を持ち、2003年に独立。アジアを中心とした海外の携帯電話市場の状況や海外から見た日本の携帯電話市場についてなど、海外の視点からコラムや記事を日本のメディアに執筆するほか、コンサルティング活動も行う。携帯コレクターとしても知られ、2008年は100台以上携帯電話を購入。所有する海外端末数は600台以上(2009年3月時点)。



「海外プリペイドSIM導入マニュアル」バックナンバー



前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年