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» 2013年04月25日 14時00分 公開

海外プリペイドSIM導入マニュアル──「中国・深セン2013年」編「“アキバっぽい場所”で入手する」海外定額データ通信(2/2 ページ)

[山根康宏,ITmedia]
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中国移動のTD-SCDMA対応ルーターを買う

 データ通信端末の価格は、USBモデムが150〜250元ほど(約2401円〜4001円)くらい、Wi-Fiルータが400〜600元(約6403円〜9604円)ほどだ。端末とともに、別途プリペイドSIMカードを購入することになる。

 今回はいくつかの店を見てまわったところ、中国移動のTD-SCDMA/GSM対応のWi-Fiルータ+プリペイドSIMカードセットの製品が450元(約7203円)と適当に安かったのでこれを購入した。プリペイドSIMカードは1年間(12カ月間)、毎月3Gバイト分までを利用できるかなりお得なSIMカードである。

 ちなみに利用量の確認はオンライン登録が必要となり、Wi-Fiルータだけでは登録そものものは難しそうだ。ともあれ3Gバイト分あれば、短期滞在において使い尽くすことはほとんどない。利用量確認はあきらめることとした。

photophoto 購入した「MIFI 820」、プリペイドSIMカード付きのパッケージを買うのがラクだ。右はルータのWeb設定ツールのUI。表示言語は中国語のみだが、内容は意外と分かると思う

 Wi-Fiルータは中国大唐電信「MIFI 820」だった。端末にSIMカードを差し、電源を入れると、ほどなくして電波を拾い、すぐ利用できるようになる。

 PCやスマートフォンなど、Wi-Fi接続のためのSSIDやパスワードは電池カバーの裏に記載されている。パスワードの変更などはルータに接続した機器のブラウザから「192.168.0.1」へアクセスして開くWeb設定ツールで行える。このあたりはすでに日本でWi-Fiルータを使っている人なら慣れた手段だ。ただ、表示言語は日本語はもちろん英語でもなく、簡体字の漢字表記のみ。ただ……日本人なら意外と理解できてしまうものである。

中国移動プリペイドSIMカードのAPN設定
APN CMNET
ユーザー名 (なし)
パスワード (なし)

 MIFI 820のディスプレイには、電波状況や1セッションあたりのおおまかなデータ利用量が表示される。アンテナマーク横の「H」はTD-SCDMAのHSDPA接続中であることを意味する。

 エリアは意外と広い。建物の中はもちろん、地下鉄内でも電波が途切れず使用できた。難点は下り500k〜800kpbs程度にとどまる速度の遅さか。

 ところで中国でいつも問題になるのは、「Googleをはじめとする他国サイトや主要ソーシャルサービスの一部にアクセスできない」ことだろう。日本でも利用者の多いFacebookやTwitterも、中国のSIMカードを利用すると接続できず、これを回避するにはVPN接続やサービスなどを利用する必要がある。もちろん中国国内のサービスには制限は一切ないが、ひんぱんに中国を訪問し、日本と同様にネットワークサービスを利用したいなら、VPNサービスの利用を考えるか、以前紹介した「香港のSIMカードを中国で使う」方法などを検討してほしい。


photophoto 地下鉄内でも普通に3Gでつながる。数カ所で速度チェックしたてみたが、1Mbpsには満たない速度。まぁギリギリ使えるレベルだ

香港SIMで自由にアクセス

 今回買ったセットは1年間、毎月3Gバイトまで利用できる太っ腹なプリペイドSIMカードが付属してきた。

 ただ、海外渡航者としてはVPNなどの方法を使わなければ自国あるいは中国国外のソーシャルサービスを利用できないのはやや不便だろう。それを回避する簡単な方法の1つが「香港のプリペイドSIMを中国国内で国際ローミング利用する」手段だ。中国でも、国際ローミングSIMカードなら海外ソーシャルサービスへのアクセスが可能である。

photophoto 香港で購入した中国移動香港のプリペイドSIMカード(写真=左)。SIM開通作業のため、通話のできるSIMロックフリー端末が1台必要となる

 以前紹介した方法は、香港HutchisonのプリペイドSIMカードで、中国内では中国連通(China Unicomに集約)のW-CDMA回線を利用するプラン。料金は98香港ドル/日(約1145円)だった。

 今回は香港の中国移動、中国移動香港のプリペイドSIMカードを使ってみよう。中国移動香港のプリペイドSIMカードのメリットは、中国の国際データローミング料金が48香港ドル/日(約611円)とHutchisonの約半額であることだ。課金体系は、1日の上限通信量に達するまで3.8香港ドル/1Mバイトの従量制。48香港ドル/約12.6Mバイト分が上限通信量で、これ以降は48香港ドルで固定される。実質は48香港ドル/1日の定額プランとみなしてよいだろう。

 ただし、中国国内では中国移動、すなわちTD-SCDMA方式(中国の独自3G規格)を利用するため、世界中で広く販売されているW-CDMA/3G端末は利用できない。今回のようにTD-SCDMA対応端末を買った、あるいはすでに入手済みの場合のみ、中国移動香港の格安な中国データ定額ローミングサービスを利用できるわけだ。

 中国移動香港のプリペイドSIMカードは香港内のコンビニエンスストアで自由に購入できる。種類はいろいろあるが、いくらか利用残高が多めに入っているものを購入するのがよいだろう。1日あたり48香港ドルかかることを考え、滞在日数分の料金を別途残高追加バウチャー(iTunesカードのような、残高追加プリペイドカード)もあらかじめ購入して追加しておいてほしい。

 なお、このプリペイドSIMカードの利用には、何らかの端末からどこかの電話番号へ発信することでアクティベートを済ます仕組みなので、SIMロックフリーのスマートフォンなどを用意しておく必要がある。このほか、2013年4月現在、同社のプリペイドSIMカードは標準サイズのものしか存在せず、Micro SIMサイズ対応スマートフォンは基本的にそのままでは使えない。別途SIMカードカッターを用いる手段はあるが、この場合は自己責任で行ってほしい。

 中国移動香港のSIMカードは、SIMロックフリーのスマートフォンへ装着し、アンテナが立ったら香港内のどこかへ発信する。アクティベートのためのガイダンスが流れ、まずはこの作業をする。英語案内のための「2」→確認のため「1」と進むと、SMSで電話番号などが通知され、SIMカードが晴れて開通される。続けてデータ通信を利用するため「*106*01#」へ発信する。こちらはこの作業だけでデータ通信が利用可能になったとの確認SMSが届く。

photophoto SIMカードは、適当にどこかへ発信し、SIMカードのアクティベート(開通手続き)を行う(写真=左) 続いて「*106*01#」に発信してデータ通信も利用できるようにする(写真=右)
中国移動香港プリペイドSIMカードのAPN設定
APN peoples.net
ユーザー名 (なし)
パスワード (なし)

 ルータで使うなら、開通したプリペイドSIMカードをWi-Fiルータに入れ変え、ルータでAPN設定を行う。画面の上の「連接」をクリックすれば無事インターネットに接続される。さらにFacebookなどにも普通にアクセスできるはずだ。

 自動的に48香港ドル/日で定額利用できるため、数日程度の滞在であればこの中国移動香港のプリペイドSIMカードでも安く抑えられるだろう。


photophoto ルータでAPN設定を行ってから使う。中国でもFacebookが利用可能。1日約600円で定額利用できる

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山根康宏 :香港在住の携帯電話研究家。一企業の香港駐在員時代に海外携帯電話に興味を持ち、2003年に独立。アジアを中心とした海外の携帯電話市場の状況や海外から見た日本の携帯電話市場についてなど、海外の視点からコラムや記事を日本のメディアに執筆するほか、コンサルティング活動も行う。携帯/SIMカードコレクターとしても知られ、所有する海外端末数は1000台以上(2013年1月時点)。



[Information] グローバルデータで空港レンタル「中国」:Wi-Fiルータ型を680円/日でレンタルOK

photo 中国渡航者向けの料金は、Wi-Fiルータ型が680円/日から、USBモデム型は480円/日よりレンタルできる

 中国渡航時のデータ通信手段確保は、国内のレンタルルータ事業者を利用するのも手軽で便利な手段だ。

 海外渡航者向けの海外対応データ通信機器をレンタルできるサービス「グローバルデータ」では、タブレットやスマートフォンなどでも便利に使えるWi-Fiルータ型を680円/日から、Windows/Macで利用できるUSBモデム型を480円/日よりレンタルできる「中国 定額プラン」(対象国A)を用意する。

 レンタル申し込みは同社Webサイトで行える。機器の受け取りは、宅配か空港受取りにて。出発日2日前17時までの申し込み(成田、羽田は申し込み日が平日の場合、前日17時)で、出発当日に成田、羽田、関西国際、中部国際の各空港で受けとることも可能となっている。




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