WiMAX 2+は15年春より220Mbpsに LTE無制限プランがU-mobileからも登場ルータープリンスの「5分で知る最近のモバイル通信&ルータ事情」(1/2 ページ)

» 2014年11月10日 23時00分 公開
[島田純ITmedia]
「ルータープリンスの「5分で知る最近のモバイル通信&ルータ事情」」バックナンバー

UQ、2015年春よりWiMAX 2+を下り220Mbpsに高速化/WiMAXサービスは下り最大13.3Mbpsに速度低下

 UQコミュニケーションズは、下り最大110Mbpsの通信速度で提供しているWiMAX 2+サービスを、2015年春より下り最大220Mbpsに高速化することを発表した。

 WiMAX 2+の高速化は、現在WiMAXが使用している30MHz幅の周波数帯域のうち、20MHz幅をWiMAX 2+用に切り替えることで実現する。WiMAX 2+で利用可能な周波数帯は現在の20MHz幅から40MHz幅に拡大するが、反対にWiMAXは30MHz幅から10MHz幅になるため、通信速度が下り最大13.3Mbpsに低速化する。

photo WiMAX用の周波数のうち20MHz幅を、WiMAX 2+に切替
2015年春以降のサービススペック
サービス WiMAX 2+ WiMAX
2015年春以降 帯域幅:40MHz(20+20)
下り最大:220Mbps
上り最大:10Mbps
帯域幅:10MHz
下り最大:13.3Mbps
上り最大:10.2Mpbs
2015年春まで 帯域幅:20MHzM
下り最大:110Mbps
上り最大:10Mbps
帯域幅:30MHz幅
下り最大:40Mbps
上り最大:15.4Mbps

 WiMAXサービスの通信速度低下の発表と同時に、UQは「史上最大のタダ替え大作戦」プログラムを発表した。これは、WiMAX対応のモバイルWi-FiルーターやWiMAX内蔵PCでWiMAXを利用中のユーザーに対し、金銭的な負担無くWiMAX 2+対応機種に乗り換えられるというプログラムで、11月1日より開始されている。

 同様のプログラムはUQだけでなくMVNO各社からも提供開始されているが、あくまでも“同一プロバイダーでWiMAXからWiMAX 2+への切替が無料”となるプログラムであり、異なるプロバイダーへの乗り換えには適用できない。

 なお、11月1日時点ではWiMAX 2+の下り最大220Mbps対応機種は発売されていないため、同施策を適用して変更できる端末は下り最大220Mbpsに非対応の「HWD14」「NAD11」「HWD15」の3機種となる。

 現在発売されているWiMAX 2+対応のモバイルWi-Fiルーターは、下り最大220Mbpsの速度では利用することができないが、WiMAX 2+で利用可能な周波数帯が20MHz幅×2に拡大することで、どちらか空いている方の電波に接続することが可能となり、実効速度の改善が期待できる。

 史上最大のタダ替え大作戦では、WiMAXサービスの契約解除料、WiMAX 2+の契約事務手数料とモバイルWi-Fiルーターの代金が無料となることで、WiMAX 2+への切替をためらうユーザー向けには嬉しいプログラムと言えるものの、初代WiMAXユーザの視点で考えると、WiMAX 2+サービスには課題も少なくない。

 具体例を挙げると、初代のWiMAXサービス向けに提供されていた「URoad-Home」のような据置型の端末や、WiMAX 2+内蔵のPCが発売されていない点や、1契約で複数の端末を切り替えて使える「機器追加オプション」などが提供されていない点だ。初代WiMAXサービスでこれらの機種やオプションを使っているなら、WiMAX 2+への乗り換えるにあたってネックとなるだろう。

 また、初代のWiMAXサービスは注釈なしの「通信速度、容量制限なし」と言えるサービスだが、WiMAX 2+はそうではない。契約から2年間はハイスピードモード使用時(WiMAX&WiMAX 2+)に通信速度制限を行わない――としているものの、その後は月間7Gバイトで通信速度制限の対象となるほか、2015年4月以降はWiMAX 2+の通信についても「直近3日間で通信量が1Gバイトを超えた場合」には通信速度制限の対象となることがあるとするなど、細かい注釈つきの容量無制限サービスとなっている点に注意したい。

 またWiMAX 2+の対応エリアについても、現時点ではWiMAXと比べてもやや物足りなさを感じる。UQでは2015年春を目処に、WiMAX 2+のエリアをWiMAXエリアと同等程度にするとしているので、今後のエリア拡大を楽しみにしたいところだ。

ASUS、“ワンランク上”のZenFone 5を国内発売――楽天グループはMVNO事業に本格参入

 台湾ASUSは、全世界で月間100万台を販売する人気機種“ZenFone”シリーズの「ZenFone 5」を、日本市場向けに発売すると発表した。ASUSが東京で行った発表会には、同社会長のジョニー・シー氏が登壇。自らがZenFone 5とZenWatchを紹介した。

 国内向けのZenFone 5(型番はA500KL)のプロセッサは、海外のZenFone 5(LTEモデル)と同様にSnapdragon 400となっており、国内で販売されるハイエンド端末の多くがSnapdragon 800シリーズを採用しているのと比べると、スペック的にはやや低いと言える。ただし、実際に使ってみると「モッサリ」さにストレスを感じるよりも、コストパフォーマンスの高さや、本体の質感の高さが実感できるだろう。

 ASUSの公式オンラインショップ「ZenFone Shop」では、16Gバイトモデルが2万8944円(税込、以下同)、32Gバイトモデルが3万2184円となり、各キャリアの販売するスマートフォンと比べて、かなり安めに設定されている。

photophoto ASUSはZenFone 5を投入。価格的にも魅力十分

 販売価格から考えると“格安スマートフォン”と言って差し支えない価格設定だが、ASUSはZenFone 5に対して格安スマートフォンという表現を使わずに「ワンランク上のハイクラスSIMフリースマホ」とアピールしていたのが印象的だった。

 国内向けに販売されるZenFone 5は、対応するモバイルネットワークの周波数が国内向けに最適化されているだけでなく、日本語入力システムにATOKを採用している。

 さらに、ZenFone 5を取扱いするMVNOなどのAPN設定が予めプリセットされているため、面倒なAPN設定をユーザが行う必要がないという点も、初めてSIMフリーのスマートフォンをMVNOで使うユーザーに向けた配慮がされている。

photophoto 日本語入力のATOKや、各MVNOのAPNがプリセットされている

 ZenFone 5が国内発売されることが発表された翌日の10月29日、楽天グループは音声通話に対応するMVNOサービス「楽天モバイル」を発表、同日よりサービスを提供開始した。

 楽天モバイルでは、第1弾端末としてASUSのZenFone 5の8Gバイトモデルを2万8512円で販売。サービス提供開始を記念したキャンペーンとして、楽天スーパーポイントが最大で2500ポイント還元されるほか、全プランの月額料金が初月無料になるキャンペーンを実施している。

 楽天モバイルの料金プランは音声通話に対応し、データ通信が月間2.1Gバイトまでのプランは月額1728円から。料金プラン自体は他社と比べてそれほど差別化されていないが、楽天グループであるVoIP/メッセージングアプリの「Viber」や、音声通話が格安になる「楽天でんわ」などとの連携や、グループの販売力によってユーザー数を拡大していくだろう。

 なお、サービス開始の時点で楽天モバイルは料金プランの変更に非対応となっているため、申込時は必要となるデータ通信量に合わせて、慎重に料金プランを選ぶことオススメする。

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