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» 2010年11月10日 18時53分 UPDATE

REGZA Phone T-01Cも披露:これまで培った技術を横展開していく――富士通のケータイ&スマートフォン戦略 (1/2)

「最高に興奮している」――富士通の大谷氏がそう話すほど、同社は2010年度の冬春商戦向けに、多彩なバリエーションのケータイとスマートフォンをそろえた。他社にはない富士通ならではの機能とは。11月10日の発表会で詳細が説明された。

[田中聡,ITmedia]

 富士通が11月10日、NTTドコモ向けの2010年度冬春モデルの新機種、新CM発表会を開催した。今回は富士通と東芝が携帯電話事業を統合し、新会社「富士通東芝モバイルコミュニケーションズ」を設立してから初めての商戦期を迎える。発表会ではFケータイに加え、Tブランドの「REGZA Phone T-01C」も紹介された。

 富士通が今冬から来春にかけて発売するモデルは、従来型のフィーチャーフォンが「F-01C」「F-02C」「F-03C」「F-04C」「F-05C」、スマートフォンがT-01C、LTE対応のデータ通信端末が「F-06C」という布陣になっており、同社執行役員常務の大谷信雄氏は「これまでの発表の中で最高に興奮している」と話した。「T-01Cは日本人がAndroidを開発したらこうなるという典型。防水、ワンセグ、おサイフケータイ、日本語変換など、素晴らしいものに仕上がっている」と自信を見せた。

 F-02CはANTEPRIMA、F-04Cは109の人気3ブランドとコラボレートしているのも特徴。こうしたコラボ端末は「フィーチャーフォンだからこそできるもの」と大谷氏は話し、スマートフォンが注目を集める中、フィーチャーフォンについては「ブランドと一緒になってお客さんの個性に合った物作りをしていくことが1つの答え」との考えを示した。

photo 富士通 執行役員常務 大谷信雄氏
※初出時に富士通の商品ラインアップを示す図を掲載していましたが、非公開情報が含まれていたため、富士通からの要望により削除しました。(11/11 18:22)

センサーを活用して人間中心のケータイに

photo 富士通 モバイルフォン事業本部長 坂田稔氏

 富士通はケータイを商品化するにあたり「ブロードバンド」「ケータイテクノロジー」「デザイントレンド」の3分野でリーダーになることを目指す。ブロードバンドではLTEに向けた対応機種を積極的に投入し、ケータイテクノロジーでは加速度/温湿度/ジャイロセンサーなどを搭載することで、人間の行動検知や健康支援などを行う。富士通 モバイルフォン事業本部長の坂田稔氏は、同社が目指すヒューマンセントリック(人間中心の)ケータイの形として「LTEでデータを送ってクラウドで解析し、行動支援をする。最終的には人間の思考や行動を解析し、必要とする情報をユーザーに提供したい」と説明した。

photophoto 富士通は3分野でリーディングポジションを目指す(写真=左)。センサーやブロードバンド、クラウドサービスを活用して「ヒューマンセントリックケータイ」を目指す(写真=右)

 そのヒューマンセントリックを体現する機能として新機種の一部モデルに提供するのが、「ロケーションレーダー」「温湿度センサー」「乗り物&ロケーションマナーサポート」だ。

 ロケーションレーダーにはAR(拡張現実)の技術を取り入れており、ケータイをかざすと「食べログ」「ぐるなび」「ホットペッパー」に登録された飲食店のアイコンが画面に現れ、店舗までのルート案内もしてもらえる。日本気象協会の監修を受けた温湿度センサーでは、各種指数やアドバイスを受けられる。

 「乗り物マナーサポート」と「ロケーションマナーサポート」は、GPSや加速度センサーと連動したユニークな機能。前者では加速度センサーで乗り物の揺れを検知し、バスや電車などに乗っているときに着信すると、マナーモードに変更をするか自動で確認してくれる。後者ではオートGPSを活用し、普段マナーモードに設定している場所を端末が覚え、同じ場所でマナーモードにしていないと、自動でマナーモードに設定してくれる。このほか、端末を携帯しながら走ると、ランニングフォームについてアドバイスしてくれる「高橋尚子のウォーキング/ランニングクリニック」のアプリもプリセットしている。

photophoto センサーやGPSなどを活用したさまざまな機能を搭載している
photophoto 温湿度センサーには、周囲の温度によって待受画面やイルミネーションの色が変化する仕掛けもある(写真=左)。AR対応ロケーションレーダー(写真=右)

 F-01C、F-02C、F-03C、F-04C、F-05Cには、「フレンドリーメッセージ」対応のマチキャラとして、バカボンのパパ、ドロンジョ様、リーフロボットをプリセット。端末の状態を各キャラクター独特の口調で知らせてくれるほか、温度と湿度の変化に応じたアドバイスもしてくれる。

photophotophoto フレンドリーメッセージ対応マチキャラが、それぞれに特徴のあるフレーズで話しかけてくれる。バカボンのパパなら「〜なのだ」といった具合だ

 富士通ケータイではおなじみの防水性能(IPX5/IPX8)と防塵性能(IP5X)は、F-01C、F-02C、F-03Cがサポート。T-01Cはスマートフォンでは珍しくIPX5/IPX7相当の防水性能に対応しており、今回の商戦期では大きな差別化ポイントになりそうだ。

 カメラ機能にもこだわり、F-01C、F-02C、F-03Cには低ノイズ化を実現するソニーのCMOSセンサー「Exmor(エクスモア)」と、高速撮影やノイズ処理が可能な画像処理エンジン「Milbeaut Mobile」を採用。1320万という高画素とも相まって、美しい写真を撮れる。また、T-01CはHDサイズ(1280×720ピクセル)、F-01C、F-02C、F-03CはフルHDサイズ(1920×1080ピクセル)の動画撮影機能もサポートしている。

photophoto 今回は4機種が防水性能に対応している(写真=左)。高精細な静止画と動画が撮れるカメラを搭載(写真=右)
photophoto 5つのブランドとコラボしたモデルを用意する(写真=左)。各機種の5秒アピール(写真=右)

F-01CのタッチパネルはiPhone 4の4倍速い

photo F-01Cの特長

 新機種のフィーチャーフォンの中でも特に高いスペックを有するのがF-01Cだ。特に注力したのがタッチパネルの動作速度。富士通は「激速(ゲキハヤ)タッチパネル」とアピールし、「iPhone 4の4倍ほど速くなっている」(坂田氏)という。2010年夏モデルの「F-06B」よりも高速でタッチ操作ができるようチューニングを施し、ブラウザではスクロールの滑らかさが2倍、タッチの応答速度が1.5倍、文字入力時の予測変換の表示は3.5倍、デコレーション絵文字の選択は1.7倍速くなっている。

 このほか、microSDの容量がいっぱになるまで7.5枚/秒(VGA撮影時)の高速連写を続ける「無限連写モード」、キヤノンやエプソン製の無線LAN対応プリンタと接続して、F-01Cで撮った写真を印刷したり、F-01Cのアドレス帳に登録した住所や名前を通常ハガキや年賀ハガキに印刷したりできる連携機能も備えている。

photophotophoto タッチパネルの動作速度がF-06Bから向上している(写真=左)。無限連写モード(写真=中)と無線LANプリント機能(写真=右)も搭載

 タッチパネル対応のケータイやスマートフォンが増える中、富士通が別のアプローチで“タッチ操作”を提案するモデルが、背面に2インチの大型ディスプレイとタッチセンサーを備えたF-03Cだ。F-03Cではこれら2つのデバイスを使うことで、閉じたままメールやブラウザ、カメラ、ワンセグなどを操作できる。サブディスプレイを表示させたままディスプレイ部を開くと、メインディスプレイにも同じ内容が表示されるので、例えばサブディスプレイで受信メール表示させて、そのまま開いて返信するといったことができる。ただケータイを開くと自動で返信画面になるといった連動はしない。

photophoto 背面のタッチセンサーを使って閉じたまま操作ができる「F-03C」。センサーをなぞると高速でスクロールする

 富士通 モバイルフォン事業本部 マーケティング統括部長の松村孝宏氏が「日本人が日本人のために作ったスマートフォン」と説明するのが“REGZA Phone”のT-01Cだ。おサイフケータイ、ワンセグ、防水など日本ならではの機能を備えるのはもちろん、独自のユーザーインタフェース「NX!UI」を新規で用意した。また「モバイルレグザエンジン3.0」により、ワンセグやYouTubeなどの動画コンテンツを高画質で楽しめる。

photophotophoto 「REGZA Phone T-01C」の特長(写真=左、中)。モバイルレグザエンジン3.0の超解像技術で美しい映像を見られる(写真=右)
photophotophoto ホーム画面には16種類のパレットを設置できる(写真=左)。メモ、画像、URLなどを貼り付けられる「スターメモ」を付せんのように利用できる(写真=中)。被写体の動きに連動してCG合成ができる「モシモカメラ」(写真=右)
photophotophoto 日本語入力システムにはATOKを採用。フリック入力も可能だ(写真=左)。アドレス帳には、登録した人物のTwitterやPicasaなどのアカウントを登録して、投稿されたつぶやきや写真などをまとめて閲覧できる(写真=中、右)
photophotophoto ドコモのLTEサービス「Xi(クロッシィ)」対応のデータ通信カード「F-06C」を2011年4月に発売する(写真=左)。発表会場ではLTE基地局と端末を有線接続して、PCで動画のストリーミングを再生。下り80Mbpsほどの速度が出ていた(写真=中、右)。Xiの通信速度は下り最大75Mbpsだが、F-06Cは仕様上、下り最大100Mbpsの速度に対応する

 大谷氏はスマートフォンについて、指紋認証など、これまでFケータイで培ってきた機能も横展開していく意向があることを明かした。実際に同社は 2007年にドコモ向けWindows Phoneとして「F1100」を供給しており、同モデルはFeliCaチップも備えている(おサイフケータイには対応しない)。「変化は予想を超えたスピードで動いている。今の勢いだとスマートフォンへ移行していくだろう。一方でケータイの完成度も上がっている。(スマートフォンとケータイ)それぞれが使いやすい環境を提供していきたい」

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