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» 2010年01月28日 17時27分 公開

iPadは“でかいiPod touch”なのか、あるいは……元麻布春男のWatchTower(2/2 ページ)

[元麻布春男,ITmedia]
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話題の電子書籍についても不明点が多い

 米国では2005年10月にiTunes 6がリリースされたタイミングで、まずミュージックビデオとテレビ番組の配信がiTunes Storeで開始された。以降、2006年9月には映画のダウンロード販売が開始され、2008年1月からは映画のレンタルも始まった。が、わが国ではそれから2年が経過した今もなお、映画の提供は行われていない。

 電子書籍の提供についてAppleは、米国では大手出版社のコンテンツを「iBookstore」で提供すると発表している。とはいえ、わが国でiBookstoreが展開できる可能性はどれくらいあるのだろう。2004年に販売されたソニーの電子ブックリーダーである「LIBRIe」は、売り切りの端末に、レンタルのコンテンツという組み合せで失敗している。わが国でiBookstoreを展開し、米国のように電子書籍を「販売」できるかどうか、現時点では不明だ。

 そもそも米国でさえ、現時点でiBookstoreやそこで販売される電子書籍に関する詳細な情報はない。いつごろ、どんな本が、どのくらいの量、どのくらいの価格で提供されるのか。フォーマットはEPUBだといわれているが、DRMはどうなっているのか(EPUBに規格としての標準DRMはないが、DRMを付与することは可能)など分からないことだらけだ。ましてや、紙の新聞や書籍に関して再販価格維持制度が認められているわが国で、おそらくその対象にはならないであろう電子書籍の販売がどうなるのかなど、分かるはずもない。電子書籍もHDムービーの提供もない大画面のプレーヤーというのは、商品としてかなり微妙だ。

やはり国内におけるコンテンツ流通の確立が肝

1番安いモデルは499ドルとNetbook並みだが……

 iPadは対応言語として、英語、フランス語、ドイツ語、オランダ語、イタリア語、スペイン語、ロシア語、簡体中国語に加え、日本語を挙げている。キーボードも、ローマ字入力をサポートしているほか、日本語に対応した辞書も搭載する。が、肝心のコンテンツの流通が危ぶまれては、魅力も半減してしまう。これはAppleだけで解決できる問題ではないだけに、非常に厄介だ。こうした点を考えるからこそ、買うとしても一番安いモデルだな、と思うのである。

 本稿執筆時点において、日本法人のWebページにiPadに関する情報はない。わずかに米国本社が発表したプレスリリースの日本語訳が配信された程度だ。後日行われるというわが国でのiPad発売日と価格の発表までに、国内のコンテンツ流通についても明るいニュースを聞きたいものだ。


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