Dellの「Streak」は、2010年11月時点で日本未発売のAndroid端末だ。同社が「Pocket Tablet」と呼ぶように、タブレットタイプでありながら、胸ポケットにも入る小型で軽量なボディが特徴となっている。現時点で日本での発売は未定だが、米国や欧州ではすでに投入済みであり、今回は英国で販売されているモデルを入手した。ただ、日本での認可を経ておらず、技術基準適合認定マーク(技適マーク)も当然なかったので、本機が内蔵している3GやIEEE802.11b/g対応の無線LAN、Bluetooth 2.0+EDRといった無線機能は使用していない。
なお、価格は米国だとAT&Tの2年縛りで299.99ドル、契約なしだと549.99ドル、英国は単体で399ポンドのほか、カーボンブラックに加えレッドのカラバリモデル、O2とのパッケージもラインアップされている。
Streakの主なスペック | |
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CPU | Snapdragon QSD 8250(1GHz) |
内蔵メモリ | 512MバイトROM+512MバイトSDRAM |
ストレージ | 16GバイトmicroSDカード(付属) |
液晶 | マルチタッチ対応5型ワイド |
画面解像度 | 800×480ドット |
無線LAN | IEEE802.11b/g |
Bluetooth | Bluetooth 2.0+EDR |
内蔵カメラ | 背面:500万画素、前面:VGA |
外部端子 | USB 2.0(専用30ピン)、ヘッドフォン |
バッテリー駆動時間 | 連続通話約9時間50分/連続待ち受け約400時間 |
本体サイズ | 152.9(幅)×79.1(奥行き)×9.98(幅)ミリ |
重量 | 約216グラム(バッテリーとmicroSDカード含む) |
OS | Android 1.6 |
価格 | 549.99米ドル(4万5000円前後) |
外観を見ていく前に、本機のスペックを整理しよう。詳細は右の表の通りだが、ボディサイズはちょっと大きいiPhone/スマートフォンであり、非常にコンパクトなタブレット端末といえる。本機は往年のW-ZERO3をグッとスリムにして、底面積は二回りほど大きくした形に近く、屋外で通話している様子は端から見ると違和感を覚えるかもしれないが、薄型の子機で通話していると考えれば、納得できる範囲といえるかもしれない。
ただ、写真を見てもらえば分かる通り、iPadと比べるとそのコンパクトさは一目瞭然(りょうぜん)だ。東京近郊の電車や地下鉄では、立ってiPadを抱えながら操作している人も見かけるが、やはりiPadの重量(約680グラム〜)を考えると片手で利用しつづけるのはかなり苦しい。その点、約216グラムの本機ならばiPhoneよりも重いとはいえ十分に片手で扱え、画面サイズも5型と見やすい。何より、胸ポケットにすっぽり入るのが好印象だ。
試しにPDFファイルの小説やマンガを読んでみたが、iPhoneではどうしても拡大しなければ読みにくかった部分もスムーズに読める。より大きなサイズのデバイスとしては、SamsungのGALAXY Tabが7型ワイド液晶(1024×600ドット)で情報量は多いが、サイズは約191(幅)×121(奥行き)×12.1(厚さ)ミリと非常にかさばる。携帯性とビューワー的な使い勝手では、本機のような5〜6型前後のディスプレイ搭載モデルが日本では便利だ。特にeBook USER的な視点では、eBook/電子書籍のリーダーとして本機は高いポテンシャルを備えているように思う。これにはコンテンツやソリューションなど、まだまだ整備が必要な部分が多いが、ことハードウェアについては満足できそうだ(雑誌的なコンテンツについては、やはりiPadが一番見やすいように思うが)。
動画ビューワーや内蔵カメラのファインダーとしても迫力がある5型ワイド液晶ディスプレイだが、米コーニングのゴリラガラスが採用されており、スムーズなマルチタッチ操作と強度を両立している。輝度は環境光センサーによる自動調整のほか、スライダーで任意に切り替えられ、最大輝度時はまぶしく感じるほどで、逆に最低輝度時はかなり暗くなる。
画面解像度は800×480ドットと、多くの海外製スマートフォンと同様だ。画面サイズを考慮するとより高解像度を望みたくなるが、視認性という点では好ましく感じた。
ちなみに、本機がサポートするファイル形式は、動画がH.263/H.264、3GP、MPEG-4、WMV、音楽がMP3、WMA、AAC、AAC+、eAAC+、AMR、MIDI、WAVとなっている。
正面にはVGA相当のWebカメラと環境光センサー、タッチセンサー式の戻るボタン、メニューボタン、ホームボタンが並ぶ。物理的なボタンは上部にまとまっており、ここに音量調整ボタン、電源/スリープボタン、カメラボタンのほかにイヤフォン端子がある。底面には独自形状のUSB 2.0端子があり、パッケージに付属するケーブルでPCやACアダプタに接続する。
背面には500万画素のWebカメラとLEDフラッシュ、スピーカーが配置され、底面カバーを外すと電源が自動的にオフになり、内部のバッテリーやSIMカードスロット、microSDカードスロットにアクセスできる。ストレージは最大32Gバイトまで対応するが、評価機にはサンディスク製の16GバイトmicroSDカードが付属していた。BTOメニューでは32Gバイトや8Gバイト、4Gバイトのモジュールも選択ができたが、約2Gバイトはシステム領域となる。
次のページでは、バッテリーやSIMカードスロット、入力環境をチェックしよう。
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