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» 2014年02月14日 10時03分 UPDATE

鈴木淳也の「まとめて覚える! Windows 8.1」:2014年のWindowsを時系列で整理する──9? 次期Windowsの名称は何になるのか

前回は2014 International CESより少し見えてきた2014年のPC業界のトレンドについて触れたが、今回は本来のテーマであるWindowsに話を戻そう。2014年にWindowsならびに周辺のMicrosoftエコシステムがどうなっていくのかを確認する。

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

次期「Windows 9(?)」と「Windows 8.1 Update 1」

 2014年2月現在、次期Windowsの発売ターゲットは2015年春頃に設定され、2014年は小規模なアップデート程度に留まると予測されている。一方でWindows PhoneならびにWindows RTに関しては大胆な見直しが行われると想定される。これが最終的に2015年登場といわれるPC向けWindowsへも影響を及ぼすことになるだろう。

 前回のリポートからアップデートされたWindowsに関する最新のうわさの1つは、「次期OSの名称」に関するものだ。「Threshold」の開発コード名で呼ばれる次期Windowsだが、開発中の同バージョンに関して何度か内部情報を提供してきたPaul Thurrott氏によると、「Windows 9」の名称になる可能性が高いようだ(参考:「"Threshold" to be Called Windows 9, Ship in April 2015」)。

 メジャーアップデートが期待されるとはいえ、Windows 8発表以降の年次OSアップデートを表明してきたMicrosoftにとって、Windows 8.1から9への発売期間が1年半近く空くことになり、2014年はオオモノが何も発表されないことになってしまう。Thurrott氏も触れているが、そこで提供されるのが「Windows 8.1 Update 1(もしくはGDR 1)」。いわゆるWindows 8.1のService Packにあたるアップデートだという。Update 1は機能アップデートとある程度まとまったバグフィクスが中心の追加ソフトウェア的なもので、8.1ユーザーに対しては無償提供が予定されている。2014年3月に最終版が用意され、4月には一般提供が行われるとみているようだ。

 このUpdate 1は、いったいどのようなものとなるのか。Preview版の一部配布が行われている同アップデートのリーク画像を基に分析した海外サイトの情報によると、スタート画面でタイルサイズの変更が右クリックで簡単に行えるようになったこと、そして右上のアカウント情報横に「シャットダウン」ボタンらしきアイコンが出現している点が目に付く(参考:「The Verge:Microsoft finally makes it easier to shut down your PC in Windows 8.1 Update 1」)。

 こちら、Windows 8/8.1を普段使っているユーザーならよく分かると思うが、同バージョンのシャットダウン手順はやや煩雑だ。以前のバージョンでもスタートボタンから含めてシャットダウンまでに最低3クリックが必要だったが、Windows 8/8.1ではCharmメニューの引き出し作業などにて通常では4アクションが必要となる。本連載でもTipsとして「知っているとちょっとだけ便利、Windows 8.1 使いこなしTips──「簡単シャットダウン」編」を紹介したが、ともあれこれがTipsとして成立してしまうあたり、この動作を煩雑に感じるユーザーが少なからずいることの証だ。

 もちろん実際にはUpdate 1の機能アップデートもこれだけではないはずだが、現在Windows 8.1を使って不満に感じている点のいくつかも改良される見込みである。

スマートフォン市場とオンラインサービス市場をどう攻略する?

photo Nokia最後のWindows Phone搭載スマホとも言われているWindows Phone 8スマートフォン「Lumia Icon」

 日本ではどうしてもWindows 8系に話の比重が移ることになるが、2014年にMicrosoftで最も転機を迎えるのはWindows PhoneならびにWindows RTの2つだと思う。Windows Phoneは「バージョン8.1」が2014年前半にもリリースされる見込みで、さらに近い将来はWindows RTとの統合がうわさされている。同社は2014年2月末にスペインで行われるIT展示会「Mobile World Congress」でプレスカンファレンスを開催する予定とされており、同年4月初旬にはサンフランシスコでマイクロソフト製品の開発者会議「BUILD 2014」を開催する。

 MWCでのメインテーマはこのWindows Phone 8.1になると思われ、BUILDではWindows Phoneのフォローアップ、ならびに次期WindowsやWindows RTについて何らかのアナウンスがあると予想する。いずれにせよ、2つの公式の場でスマートフォン戦略について集中的に取り扱うことになるはずだ。

 2014年現在、普及期に入ったスマートフォン市場の主力はミッドレンジ以下の製品となりつつあり、従来までハイエンド製品が牽引していた状況から、先進国でも低所得層、新興国のユーザーがプラットフォーム変革の趨勢を担っている。これはスマートフォン市場でトップを走っていたSamsungとAppleの成長率に頭打ち傾向がみられることからもこれは明らかで、中国でのXiaomiの台頭にみられるように「そこそこの性能で、なにより安い」がニーズとして高まっている。

 だが、現状のMicrosoftがWindows Phoneでこれを攻略するのは難しい。まずソフトウェアのライセンスモデルが価格競争面で不利であること、そして対応SoCがQualcommのSnapdragonのみという状況で製造価格面でのアドバンテージがないこと、現時点で主力ベンダーがNokia+プラスというほぼ1強状態ということで、Androidのようにさまざまなベンダーが競って製品を出すという拡散力に欠ける点が挙げられる。Windows Phoneについては「ソニー参入」といううわさもあったりするのだが、うわさはあくまでうわさ程度に考えておいたほうがいいかもしれない(参考:「The Verge:Sony may release a Windows Phone in 2014, according to The Information」)。

 NokiaがWindows Phoneでは好調とされている。ただ、現在は「安くてそこそこの性能」を求めるユーザーを中心にミッドレンジが主なターゲットとなっており、この先に続くミッドレンジ未満の100〜150USドル以下の端末市場ではこの勢いを維持できるか分からない。またハードウェア対応の柔軟性不足や参入ベンダーの少なさも遠からず問題となるはずだ。例えば、MicrosoftはWindows RTデバイスであるSurfaceシリーズにおいてNVIDIAのTegraシリーズを採用しているが、もしWindows Phoneへの統合を考えているのであれば、ハードウェア構成は自ずと限定されることになる。Windows RTの将来も含め、このあたりのスマートフォン/タブレット戦略をどう打ち出していくかがMicrosoftにとって重要なはずだ。

 また米国中心で展開されているオンラインサービスもネックとなる。WindowsとWindows Phone、そしてXboxを含め、これらデバイスではMicrosoftのオンラインコンテンツサービスを利用するのが大前提となっている。日本でもつい最近になって、日本版Xbox Musicが開始された。……が、これらをプッシュするごとにサービス提供地域外のユーザーにはなんだかな……な印象を与えるだけとなる。この話を含め、デバイスやOSの刷新とともに、Microsoftはいちど同社のオンラインサービスについて整理をしたほうがいい。

 なお、先日商標権侵害での法廷闘争に負けた件を受けてオンラインストレージサービスの名称を「SkyDriveからOneDriveに変更」することが発表されたが、比較的成功していた同サービスでさえブランディングでうまくいっていない印象があり、これらネガティブ感の払拭と刷新が2014年以降の同社の課題となると思われる。


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