そうなると、やはり気になるのは「Windows 9」とも一部で呼ばれている次期Windowsの「Threshold」だ。
Build 2014で紹介した新機能(デスクトップ画面へのModern UIアプリの統合)を含め、スタートメニューの復活やデスクトップを重視したSKUの存在など、ウワサの新機能のほとんどがThresholdに持ち越されようとしている今、ユーザーの期待や視線はこの次期OSへと集中することになる。
MicrosoftはBuild 2014にてModern UIアプリのウィンドウ表示をプレビューした際、どのタイミングで導入するかを示唆していなかったが、実際に導入時期がまだ完全に未定だった可能性がある。現在、複数回のOSの小規模なアップデートを経て、そのタイミングがThresholdへと集約しつつあることが見えてきた。
Thresholdの概要についてはまだ不明な部分も多いが、本連載の前回でも紹介した「Windows、Windows RT、Windows Phoneの3つのOSの融合」「1つのOSコアへの統合」「デスクトップSKU、エンタープライズSKU、モバイルSKUといった具合に用途や市場ごとに最適化されたSKUを用意」といった要素が詰め込まれるとみられる。
目玉の1つは「デスクトップSKU、エンタープライズSKUにおけるデスクトップの復権」で、ここで前述の「Modern UIアプリのウィンドウ表示」や「スタートメニューの復活」が実現され、事実上Windows 7以前の時代へと回帰することが予想される。
Jo Foley氏は同SKUでの「チャーム(Charm)メニュー廃止」についても言及しており、このバージョンではWindows 8以降の特徴だったスタート画面は廃止され、「モバイルSKU」専用のタッチUIとして残ることになるのかもしれない。
一方で、「コントラクト(Contract)」と呼ばれるアプリ間での共有機能など、基本的な部分はThresholdでもそのまま引き継がれ、どちらかといえば「ユーザーインタフェースのみ従来のものへと戻す」という位置付けに近い。
問題はその登場時期だが、Thresholdの正式発売は2015年春と同氏は説明している。さらに、Thresholdの一般向けプレビューが今秋のいずれかのタイミングにも提供される見込みとしており、これが本当であれば、Microsoftが比較的大きなアナウンスを秋に向けて準備している可能性が高い。
OSの正式リリース前に行う広域テストの事情も考えた場合、半年前には最低でも何らかのアクションを起こす必要がある。Thresholdの動向が気になる方は、11月前後のタイミングに注視するといいかもしれない。
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